向井太一×パノラマパナマタウン、地元・福岡で異色ツーマン「音楽はいいもんだな」

5年以上前2018年09月28日 13:05

向井太一とパノラマパナマタウンが本日9月28日に行われたライブイベント「ZIMA MUSIC FIGHTERS meets ライブナタリー」の福岡・DRUM SON公演に出演した。

「ZIMA MUSIC FIGHTERS meets ライブナタリー」はナタリーのイベント企画「ライブナタリー」がプレミアム低アルコール飲料ブランド「ZIMA」とタッグを組み、音楽シーンを盛り上げるために立ち上げたライブシリーズ。9月から10月にかけて全国5都市で対バンライブが行われる。

この日の先攻はパノラマパナマタウン。「全員を楽しませてやる！」と意気込んだ彼らは、自己紹介とばかりに“PPT”コールを織り交ぜた「PPT Introduce」でイベントの幕を開ける。浪越康平（G）による細かなカッティングに乗せた「世界最後になる歌は」では、曲中に岩渕想太（Vo, G）が自身と対バン相手・向井太一が共に福岡出身であることに触れ「東京で出会った2組が福岡で一緒にやることは素敵なことだと思う」と地元での共演を喜んだ。田野明彦（B）と田村夢希（Dr）の繰り出す疾走感あふれるリズムに高速ラップを乗せた性急なナンバーが続いた前半から一転、岩渕が「地元・福岡にとっておきのラブソングを」と告げた「パン屋の帰り」で、場内はしっとりとしたムードに。「ラプチャー」では岩渕もギターを手にし、バンドはグルーヴィにエモーショナルな演奏を聴かせた。

7曲を一気に続けたところでバンドはMCヘ。岩渕は改めて「ただいま福岡！」と声を上げ、高校生まで住んでいたという福岡への思いを語り始める。「このあたりにライブを観に来ていた側だったのに、ライブを作る側になるとは」と噛み締めたあと、大学卒業後もバンドを続けるという選択をしたことについて周りの人からバカにされたことがあると明かし「ちょっと出る杭になったら叩かれるような風潮はくだらない！」と思いを吐き出す。そのままフリースタイルラップから新曲「くだらnation」へとなだれ込むと、観客は彼の熱のこもったパフォーマンスに息を飲んだ。バンドはさらに勢いを加速させるように「$UJI」「フカンショウ」を熱演して、駆け抜けるように出番を終えた。

後攻の向井はMOP of HEADからGeorge（Key）とSatoshi Yamashita（Dr）を迎えたバンドセットでパフォーマンス。Georgeが「Siren」のイントロを奏で始めると向井はステージへと駆け出し、豊かな歌声と軽やかなサウンドで観客の体を揺らした。「スローな曲が多いので、パノラマパナマタウンのファンの方はいつもと違うなと思うかもしれないけど、何か持って帰ってもらえたら」と控えめにも意気込みを口にした向井。「FREER」ではリズミカルなハンドクラップに乗せて朗らかなボーカルを聴かせ、「Crazy」ではファルセットを多用し艶やかな歌声を披露するなど、さまざまな表情を見せていく。ホームタウンである福岡を歌った「FURUSATO」では地元の風景を想像するかのように目をつぶって穏やかに歌い上げた。

彼はこの日の競演相手・パノラマパナマタウンについて「ライブがめちゃくちゃカッコよくて、ライブっていいなって思わせてくれるバンド」と絶賛し、岩渕同様「東京で出会ったバンドと地元でライブできるのがうれしい」と顔をほころばせる。その後「小さい頃から尊敬している兄に向けた」という壮大な「HERO」を全身で届けたあと、最後にファンの手拍子が発生した「空」を楽しげにパフォーマンスしてステージをあとにした。

終始、笑顔でステージに立っていた向井は、アンコールで再びステージに現れると「楽しんでくれましたか？僕が一番楽しんだなー」と声を弾ませる。そして「最初このツーマンが決まったときは（2組の違いに）『なんていう対バンなんだ』って思ったんですけど、改めて音楽はいいもんだなって思った対バンになったと思います」とこの日のライブを振り返った。彼は最後に最新曲「リセット」を力強くパフォーマンスし、場内を温かなムードで包んで、ライブの幕を下ろした。