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L'Arc-en-Ciel、センターステージから感謝の思い届けた30周年ツアー終幕

2年以上前2021年12月29日 3:03

L'Arc-en-Cielの全国ツアー「30th L'Anniversary TOUR」が、東京・国立代々木競技場第一体育館4DAYS公演をもってフィナーレを迎えた。

L'Arc-en-Cielは2020年1月より8年ぶりのアリーナツアーとなる「ARENA TOUR MMXX」を開催したものの、新型コロナウイルス感染症の影響により国立代々木競技場第一体育館を含むラスト4公演を中止する不完全な幕切れとなった。結成30周年を迎えた今年は5月にアニバーサリーライブ「30th L'Anniversary Starting Live "L'APPY BIRTHDAY!"」を千葉 幕張メッセ国際展示場1~3ホールで開催。そして今回の「30th L'Anniversary TOUR」を、途中で中止となった「ARENA TOUR MMXX」と同じくセンターステージ形式のアリーナツアーとして9月にスタートさせた。この記事では4日間にわたった公演のうち、12月23日公演の模様をレポートする。

会場のアリーナには赤いセンターステージが鎮座し、そこから花道が十字に伸びる。ステージを取り囲むファンが開演を待ち構える中で照明が落ち、センターステージを覆う円形のLEDビジョンにオープニングムービーが映し出された。1曲目は「get out from the shell」。ken(G)が奏でる不穏な音色とhyde(Vo)の低音がオーディエンスを曲の世界へと徐々に引き込んでいく。その後は「Caress of Venus」が華やかに奏でられ、会場の空気は一変。hydeの煽りに乗せて、カラフルに光るバットマラカスライトを手にした観客も笑顔でジャンプを繰り返した。

hydeは昨年の国立代々木競技場第一体育館公演中止から2年近くを経てのリベンジに「反撃しましょうね、みんなで!」と意気込み、大きな拍手を浴びる。そして感染防止対策のため歓声が上げられないオーディエンスに「かわいい声が聞けないのは残念ですけど、安心して最後まで楽しみましょう」と呼びかけた。yukihiro(Dr)が刻むリズムに乗せて軽やかなハンドクラップが響き渡った「the Fourth Avenue Cafe」、この季節にぴったりの「winter fall」、hydeとtetsuya(B)が回転するセンターステージ外周に乗って届けた「flower」と、4人は1990年代の楽曲を連投。「X X X」では妖艶なサウンドに合わせてバットマラカスライトが赤色に光り、hyde曰く「三十路のL'Arc-en-Cielの大人っぽいところ」を表現するひとときとなった。

tetsuyaのベースラインが深みのあるアンサンブルを牽引した「fate」では後半に進むにつれ演奏の熱量が増し、客席を圧倒していく。続く「REVELATION」で円形のステージが反時計回りに270°回転すると、メンバーと正対した観客たちは大きく手を振って笑顔を浮かべた。「NEO UNIVERSE」のアウトロで心地よい四つ打ちのリズムがスピードアップして「DRINK IT DOWN」につながると、スリリングなサウンドに合わせて赤と緑のレーザー光線が激しく明滅。ステージ上に炎がゆらめく中、hydeが哀切な歌声を届けたのは「花葬」、そして「EVERLASTING」。オーディエンスは4人が織りなす美しい音像にうっとりと耳を傾けていた。

「EVERLASTING」でLEDビジョンにかかっていた雨のエフェクトが徐々に晴れていき、kenがクリアなギターソロを奏でる中で再びステージが回転。北スタンドを向いたところで「MY HEART DRAWS A DREAM」の爽快なアンサンブルが始まった。場内を見渡しつつ感慨深げな表情で演奏していたtetsuyaは、続くMCで代々木で演奏できることを「帰ってこれてよかったです。みんなが集まってくれるってうれしいね」と喜ぶ。和やかなやり取りのあとtetsuyaは「今日はクリスマスイブイブってことで。クリスマスっぽい曲をお聴かせしましょう」と紹介し、「Hurry Xmas」をパフォーマンス。きらびやかな空気で会場を満たすと、「Driver's High」「HONEY」とヒットチューンを連投していった。「30周年のお祝いしてくれよ! 元気なところを見せてくれよ!」というhydeの叫びに続いては「READY STEADY GO」へ。その言葉に応えてオーディエンスは力強く拳を上げ、4人を祝福した。

アンコールに入る前の映像では、大阪の街を歩く1人の少女の姿が映し出された。少女はL'Arc-en-Cielの結成当初のホームグラウンドでもあるライブハウス、難波ROCKETSへ入っていき、ステージを照らすようにスマートフォンのライトを点ける。その姿に導かれて観客が自らのスマホのライトを灯すと、客席は無数の光で埋め尽くされた。美しい光の波の中で演奏されたのは、今年5月に発表された「ミライ」。大サビでは「今虹がかかりひとつに繋がる」という歌詞に合わせて7色のレーザー光線がきらめき、感動的な光景を演出した。

hydeはセンターステージでのライブについて「僕らが見ている客席の光景が、お客さんからも見えるのがいいですよね。今回これを皆さんにも見てもらいたかった」と語り、「この1つひとつの光に意味があると思っています。僕らに会いたくて来てくれた人の光だと思うと心が満たされます」と思いを明かした。次の曲に入る前、hydeは「この曲はタダでは聴かせられないという法律がありまして(笑)、皆さんの協力がないと演奏できないんです」と冗談めかして話し、客席に息の合ったウェーブを要望。hydeの煽りに応えたオーディエンスのウェーブは会場を1周するが、メンバーは演奏を始めないまま。再度ウェーブが繰り広げられ、ようやく最新曲「FOREVER」の演奏へとつながった。

最新曲のあとは1stシングル「Blurry Eyes」を披露し、長いキャリアを経ても変わらない自分たちのポップネスをオーディエンスにアピール。「GOOD LUCK MY WAY」ではhyde、ken、tetsuyaが花道に進み出て、会場を隅々まで見渡しながらそれぞれの音を届けた。最後にhydeは「30年も変わらずライブをやらせてもらって、みんなも喜んでくれて。こんなに素敵なことはないです。想像もしていなかったけれど、これはみんなが作ってくれた未来だと思います」とファンに深く感謝し、「また次に会えるまで元気でいてください」と呼びかけ、ラストナンバー「あなた」を丁寧に歌い上げた。

今回の国立代々木競技場第一体育館公演のうち、12月26日の模様は本日12月29日17:00より全国の映画館にてディレイ中継が行われる。また3月にはWOWOWでの放送も決定している。

L'Arc-en-Ciel「30th L'Anniversary TOUR」2021年12月23日 国立代々木競技場第一体育館 セットリスト

01. get out from the shell
02. Caress of Venus
03. the Fourth Avenue Cafe
04. winter fall
05. flower
06. X X X
07. fate
08. REVELATION
09. NEO UNIVERSE
10. DRINK IT DOWN
11. 花葬
12. EVERLASTING
13. MY HEART DRAWS A DREAM
14. Hurry Xmas
15. Driver's High
16. HONEY
17. READY STEADY GO

18. ミライ
19. FOREVER
20. Blurry Eyes
21. GOOD LUCK MY WAY
22. あなた

撮影:岡田貴之、石川浩章

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