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東京カランコロンが笑顔と涙の無観客ライブで解散「また、歳とって気が向いたらやりましょう」

3年以上前2020年12月24日 8:04

東京カランコロンが、昨日12月23日に東京・LIQUIDROOMで行われた無観客配信ライブ「ラストのワンマ ん」をもって解散した。

東京カランコロンは、2009年5月よりいちろー(Vo, G)、おいたん(G, Cho)、せんせい(Vo, Key)、佐藤全部(B)、かみむー氏(Dr)のメンバー編成にて活動。2012年8月にエイベックスからメジャーデビューし、2017年にmurffin discs内のレーベル・TALTOに移籍した。今年2月に5月から6月にかけて行う東名阪ツアーを最後に解散することを発表していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により全公演の開催が中止に。メンバー間で話し合い、「このままいつ来るか分からないその日を待つよりも、皆で前に進んでいく為に今確実にできるベストな形を」との思いから、配信ライブを最後に解散するという決断に至った。

円を描くように向かい合わせにフロアに配置された立ち位置にメンバーがつくと、「いっせーの、せ!」で笑顔いっぱいにライブがスタート。そしていちろーが「今日は最後の最後まで思い切り楽しんでいきましょう、よろしく!」とカメラ目線で挨拶したのち、せんせいがメインボーカルを務める「恋のマシンガン」、インディーズ時代の楽曲「マリメッコとにらめっこ」が軽快にパフォーマンスされた。

いちろーは「ここにはいないけれども、たくさんの……たくさんかどうかはわかりませんが(笑)、観てくださってる方、本当にありがとうございます!」とタブレットを取り出し、視聴者から寄せられたコメントを紹介。そして「お客さんがいないから、普通のライブより緊張感がすごいよね」とメンバー間で初の配信ライブへの率直な心境を語り合う。3rdミニアルバム「わすれものグルービィ」の疾走感あふれるリード曲「ユートピア」で演奏を再開させると、「ビビディバビディ」に続け、代表曲の1つ「泣き虫ファイター」では弦楽器隊が間奏で息の合ったユニゾンを披露した。

バスドラが刻む4分音符に誘われて始まった「フォークダンスが踊れない」では、せんせいがいちろーの手を取りフォークダンスのようにくるくると回るひと幕も。せんせいがカウベルでビートを刻んだ「三毒」を終えたあとは、メンバーがそれぞれ加入したときの思い出話に花を咲かせる。現メンバーがいちろーとおいたんだけだった初期の記憶から、全員で初めて東京・新宿Motionでライブをしたこと、東京・CLUB LINERにスタッフとして勤務していた際にカランコロンのファンだった佐藤が「こんないいバンドがいるんだって思った」と感じていたこと、かみむー氏が初めて入ったスタジオで完璧なプレイを披露してメンバーが驚いた話など、さまざまなエピソードを口にして当時を懐かしんだ。

「センチメンタルな曲を」という紹介で繰り出された「サヨナラ バイバイ マルチーズ」、そしてテレビアニメ「食戟のソーマ」のエンディングテーマとして使用された「スパイス」を終えると、いちろーが「そろそろみんなで歌う時間だよ」と視聴者を煽るが、「セイホー!」「ステイホーム!」とおどけ出すメンバーたち。いちろーは「そういう曲じゃねえ!」とツッコみ、「カラフルカラフル」で視聴者にシンガロングを求める。そしてフロアが暗転しミラーボールが回り始め、「MUUDY」へ突入した。

恋する心情をせんせいが歌い上げるラブソング「指でキスしよう」を届けたあとは、2018年にライブ会場限定で販売した「ギブミー」、そして2017年リリースの「東京カランコロン01」収録曲「どういたしまして」と、移籍後のナンバーが続く。本来であれば開催されていたはずの東名阪ツアーへ思いを馳せる東京カランコロン。いちろーは「本当は客席にダイブしてやろうと思ってたんだけど(笑)。とはいえ、観れなかった地域の人が(配信で)観れてるだろうから、それはよかったのかなと」と話し、せんせいは「今日、お花がいろんな人からいっぱい届いてさ。『ファン一同』みたいな大きいバルーンが付いてたり。私、全部持って帰るわ。家、お花畑にする」と、支えてくれたファンへの感謝を述べる。

かみむー氏は「本当はお客さんを入れてやりたかったけど……。スタジオでやってるみたいな雰囲気もあるし、最終的に楽しかったなって」と、この形でピリオドを打つことへの思いを語った。おいたんは「改めていびつなバンドだなと思う。栄養成分表で言えばめちゃくちゃ偏ってる5人が集まって、合わさったらなんとかなったねっていう(笑)」と例え、いちろーはこれに「よう10年続いたなと思うよね」と笑った。

移籍第1弾シングル「トーキョーダイブ」からはラストスパートへ突入。それまでは笑顔をたたえて演奏していたカランコロンの面々だったが、徐々に1音1音を噛み締めるような表情を覗かせる。終盤には初期曲が次々に登場。インディーズ1stシングル「少女ジャンプ」ではせんせいが多彩な表情を見せ、「16のbeat」ではいちろーが心情にリンクするかのように「ややこしいアレンジ、難解なフレーズ、僕たちにぴったりだ」と、歌詞をアレンジ。最後にカランコロンは「全然最後って感じしないね。また、歳とって気が向いたらやりましょう」「せやね、ちいっちゃいところでやろう」「西永福JAMでやろう」とやりとりを交わし、ラストナンバー「ラブ・ミー・テンダー」へ。せんせい、いちろーは涙を堪えきれない様子を見せながらも、「だって、出会った。それは消せない。」と歌声を響かせる。

ギターのハウリングが残る中、5人はフレームアウト。画面には「直接会ってさよならが出来なくてごめんなさい」「本当に、今まで東京カランコロンを愛してくれてありがとうございました!」と手書きのメッセージが映し出され、東京カランコロンはバンドの歴史に幕を下ろした。

東京カランコロン「ラストのワンマ ん」2020年12月23日 セットリスト

01. いっせーの、せ!
02. 恋のマシンガン
03. マリメッコとにらめっこ
04. ユートピア
05. ビビディバビディ
06. 泣き虫ファイター
07. フォークダンスが踊れない
08. 三毒
09. サヨナラ バイバイ マルチーズ
10. スパイス
11. カラフルカラフル
12. MUUDY
13. ALL OVER
14. 笑うドッペルゲンガー
15. 指でキスしよう
16. ×ゲーム
17. ギブミー
18. どういたしまして
19. トーキョーダイブ
20. リトルミスサンシャイン
21. true!true!true!
22. 少女ジャンプ
23. 16のbeat
24. ラブ・ミー・テンダー

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