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THE BACK HORN、初のパシフィコで新たな試みも!25周年を共に祝い、その先へ

THE BACK HORN(撮影:橋本塁[SOUND SHOOTER])
約1か月前2024年03月24日 8:07

THE BACK HORNが昨日3月23日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールにて結成25周年記念ワンマンライブ「THE BACK HORN 25th Anniversary『KYO-MEI SPECIAL LIVE』~共命祝祭~」を開催した。

“始まりの曲”でアニバーサリー公演をスタート

共命や響命、共鳴などさまざまな意味を内包した“KYO-MEI”を指針に活動を続けるTHE BACK HORN。彼らは2023年から25周年イヤーとして、リアレンジアルバム「REARRANGE THE BACK HORN」のリリースおよびツアー、初のBillboard Live公演など、精力的な活動を行ってきた。またファンからSNSでバンドのキャッチコピーを募集する企画も実施。会場となったパシフィコ横浜には「明日、生きる約束をしよう」「叫べ今を。掴め未来を。」といった厳選コピーが印字された特大ポスターが何枚も飾られ、来場者を楽しませていた。

開演時間を少し過ぎた頃、お祝いムードあふれる場内にメンバーが手を振りながらゆっくりと登場する。会場中の視線がステージに注がれる中、最初にドロップされたのは「冬のミルク」。バンドが結成されて菅波栄純(G)が初めて制作した楽曲だ。4人は出音を確かめるように慎重に演奏し、徐々に熱を帯びてきたところで2001年発売のメジャーデビュー曲「サニー」に突入する。一気に普段のライブハウスモードに切り替わり、それに呼応するようにファンも拳を突き上げ音に乗る。そのままバンド活動を始めた頃の心境を歌った「その先へ」につながり、ゴリゴリの重低音とソリッドなギターリフが観客の体をさらに揺らした。なお岡峰光舟(B)はこの日のライブのためにピックガードをミラー仕様にリニューアル。遠巻きからもはっきりとわかるほど輝きを放っていた。

バンドとして初の試み

松田晋二(Dr)の「みんなの命を鳴らして、人生を一緒に祝い合えたらと思います。最高の夜にしましょう!」という挨拶後も、THE BACK HORNは手を緩めることなく激しいロックを投下し続ける。「閉ざされた世界」では山田将司(Vo)が怪しげな歌声を聴かせ、「罠」ではAメロで繰り返されるブレイクがサビへの爆発力を生み、山田のシャウトや菅波のヘビーなギターに負けじと岡峰のベースが縦横無尽に躍動する。

また、このブロックでファンを驚かせたのは「心臓が止まるまでは」からの演出。ステージ後方のカーテンが開き、巨大なスクリーンが登場する。そこにはたぎるマグマのような映像や、演奏に合わせて「滾る想いは血の味だ」といった歌詞が映し出され、バンドとして初の試みに一際大きな歓声が上がる。「悪人」ではパートごとにまったく異なる表情を見せる楽曲のイメージを映像が見事に補完し、続く「コワレモノ」でもいろんな姿をした4体の“愛しきこわれもん”がステージ後方から踊りで楽曲を盛り上げる。この曲中には菅波のリードで「神様だらけの」「スナック」のコール&レスポンスが行われ、場内は一体感に包まれた。そして力強くも儚さを感じさせる「舞姫」を経て、ノイジーなギターがサイレンのように鳴り響き「アカイヤミ」に突入すると、山田も岡峰もタガが外れたように熱演を繰り広げた。

30年も35年もきっとこんな感じで

MCコーナーで岡峰が活動25周年を振り返ると、菅波は「俺らと皆さんとで一歩一歩一緒に進んできたってことだね」、松田が「それぞれのタイミングで出会ってくれてありがとうございます」、山田が「30年も35年もきっとこんな感じで活動していくと思いますけど、これからもよろしくお願いします」とそれぞれファンに挨拶。そして山田がアコースティックギターを手にし、25年の歩みを噛み締めるような楽曲「Days」を優しく歌い上げる。さらに宇多田ヒカルが共同プロデュースを務めた「あなたが待ってる」では、シンプルな音数ながらピアノやストリングスの音色が混ざり、場内に穏やかな風をもたらした。

ステージにスモークが充満し、幻想的な雰囲気の中で届けられたのは「未来」。2003年公開の映画「アカルイミライ」の主題歌として、THE BACK HORNの名を世に広く知らしめた初期のターニングポイントと言える楽曲だ。4人が丁寧に紡ぐ音に観客もじっと聴き入り、曲が終わるといつもより長い拍手で感動を示した。

山田が「まだまだ未熟なところもあるけど、まっすぐ音楽に向き合えてることが幸せです。ギリギリのときもあるけど、皆さんに支えてもらって感謝しています。ありがとう」と語り、ライブはラストスパートへ。「涙がこぼれたら」では轟音の波がホールを飲み込み、オーディエンスも爆音を楽しむように拳を上げて飛び跳ねる。アンセム感のある「Running Away」を経て、キャッチーなギターリフから「希望を鳴らせ」がスタートすると、ストレートなロックがファンの胸を打ち、自然と大合唱が発生。そのままキラーチューン「コバルトブルー」になだれ込み、メンバーはお立ち台に上がったり髪を振り乱したりしながら全身全霊のパフォーマンスを繰り広げる。最後は神秘的なベースの音色から「太陽の花」をドロップ。銀テープが勢いよく発射され、盛大に本編の幕は閉じられた。

THE BACK HORNの変わらぬスタンス

アンコール1曲目と2曲目は、現時点の最新曲「最後に残るもの」とインディーズ時代に発表された「泣いている人」。どちらも“あなた”の幸せを願う歌で、THE BACK HORNの変わらぬスタンスが示される。特に「泣いている人」はファンから根強い人気を誇る楽曲で、オーディエンスは山田の切実なロングトーンに直立不動で耳を傾けていた。

山田が「今日という日を特別なものにしたくて、この日のために曲を作ってきました」と言って、新曲を届けるサプライズで集まった観客を喜ばせ、ラストは「刃」を投下。THE BACK HORN流の応援歌で会場中の大合唱を巻き起こし、晴れやかなムードでライブを完遂した。

アニバーサリーにふさわしく新旧幅広い楽曲で構成しつつも随所にアレンジをちりばめたり、初となる映像演出を取り入れたりして最新のモードを提示したTHE BACK HORN。アンコール時には7月に対バンツアーと東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)ワンマンの開催も発表し、これからも立ち止まることなく走り続けていくことを表明した。ファンは今後の活動も楽しみにしていよう。

セットリスト

THE BACK HORN 25th Anniversary「KYO-MEI SPECIAL LIVE」~共命祝祭~

01. 冬のミルク
02. サニー
03. その先へ
04. 閉ざされた世界
05. 罠
06. シリウス
07. 心臓が止まるまでは
08. 悪人
09. コワレモノ
10. 舞姫
11. アカイヤミ
12. Days
13. あなたが待ってる
14. 未来
15. 世界中に花束を
16. 涙がこぼれたら
17. Running Away
18. 希望を鳴らせ
19. コバルトブルー
20. 太陽の花
<アンコール>
21. 最後に残るもの
22. 泣いている人
23. 新曲
24. 刃

ライブ情報

THE BACK HORN「KYO-MEI対バンツアー」

2024年7月7日(日)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
2024年7月13日(土)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
2024年7月19日(金)広島県 広島CLUB QUATTRO
2024年7月21日(日)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

THE BACK HORN「KYO-MEIワンマンライブ」~第五回夕焼け目撃者~

2024年7月28日(日)東京都 日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)

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