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「マッチャン、愛してるぜ!」Ken Yokoyama、現体制ラストツアー終幕

5年以上前2018年12月10日 13:01

Ken Yokoyamaが本日12月10日に岐阜・yanagase antsにてライブツアー「Songs Of The Living Dead Tour」の追加公演を実施し、本ツアーを締めくくった。この記事では12月6日に行われた東京・新木場STUDIO COAST公演の模様をレポートする。

このツアーは彼らがセルフコンピレーションアルバム「Songs Of The Living Dead」を携えて10月にスタートさせたもの。本ツアーをもって松浦英治(Dr)が脱退することが決まっていたため、現体制でのラストツアーとなった。

この日のゲスト・Dizzy Sunfistは「知ってる知らないは関係ない!」と叫び、「Someday」や「Life Is A Suspense」といったナンバーを前のめりに連投していく。MCではあやぺた(Vo, G)が、2008年に行われたKen Yokoyamaのライブのチケットを購入するためにいやま(Vo, B)と共に徹夜で並んだというエピソードを明かし、「そのときはチケットが買えなかった。でもバンドを続けてたら、大事な日に誘ってもらうことができた! だからこそうちらは正々堂々と闘う。Dizzy Sunfistのパンクロックを見ていってくれ!」と思いの丈を叫び、エモーショナルに「No Answer」「Joking」などを続けた。さらに「Ken Bandにパンクロックの1から10までを教えてもらった。Ken Bandがずっとずっと続けてるメロディックパンクを、うちらは絶対に終わらせない、絶対につないでいきます」と宣言。強い決意を見せるようにバンドが「The Dream Is Not Dead」「Tonight,Tonight,Tonight」をプレイすると、彼女たちの熱演に刺激されたかのように、フロアいっぱいに手が上がり、壮大な光景が広がる。3人はその様子をうれしそうに見ながら「FIST BUMP」を叩き込んで、Ken Yokoyamaへとバトンをつないだ。

Ken Yokoyamaのライブでは、ステージに登場した横山健(Vo, G)が最初に「アルバム聴いてきてくれたんだろうか?」とオーディエンスに問いかけるとフロアからは同意を意味する大歓声が沸き上がる。それを聞いた横山が「全曲覚えてるんだろうな?」と焚き付け、「I Fell For You, Fuck You」「My Day」「Dead At Budokan」とアルバム収録曲を連投。オーディエンスは覚えていることを示すように曲に合わせて拳を突き上げたりシャウトしたりと、場内はさっそく大盛り上がりとなった。

演奏前に横山が「できるかな……」と不安げな表情を見せた、東京スカパラダイスオーケストラのカバー「Sayonara Hotel」ではゆったりとしたスカのリズムに乗せて横山が日本語詞を伸びやかに歌い上げ、後半には横山が心配していたギターソロを見事に弾き切る。演奏後、横山は自身のソロの出来をほかのメンバーに尋ね、メンバーが彼の奮闘を讃えるという微笑ましいひと幕もあった。横山が自身のブランド・Woodsticsのミニギターに持ち替えてから始まった「Believer」では、彼がマイクを次々とフロアに投げ入れ、歌唱をファンに託す。その代わりに横山は“実演販売”とばかりにギターを高らかにプレイしていた。

またMCでは横山がモノマネを披露したり、メンバー間で下ネタトークに花を咲かせたりと自由な展開に。Hidenori Minami(G)が思わず「そういうことやってるから声枯れるんすよ(笑)」とツッコむほど横山ははしゃぎながらさまざまな会話を楽しんでいた。そんなメンバー間の和やかなムードがもっともよく現れていたのは「Support Your Local」。今回のツアーでは同曲の演奏前に各地でゲストやファンなど“地元のやつ”がラッパを吹くことになっていたという。そしてこの日のラッパ隊として指名されたのはMinamiとJun Gray(B)。2人は高らかにラッパを……と思いきや、まったく吹けずに横山、松浦の笑いを買っていた。

横山いわく「パンクロックのアンセム」だというSham 69「If The Kids Are United」のカバーでは横山が「己がパンクスだと思うなら絶対に歌えるよな?」と問いかけてから同曲を始めると、場内には盛大なシンガロングが巻き起こる。横山はその様子を見て「やっとあったまってきたんじゃないか」と声を弾ませていた。その後も、横山が色気たっぷりに歌い上げたヴィンス・テイラー「Brand New Cadillac」のカバーやMinamiのシャウトが光る「What Kind Of Love」、横山が「なるべくみんなの近くでやりたい」と言いフロア最前の柵に腰掛けて披露した「Ricky Punks III」、ステージに戻ってきた横山が座ったまま演奏をしたHUSKING BEE「Walk」のカバーなどを4人はグルーヴィに次々と届けていった。

ラストナンバーを前に横山が「また会うときにはドラマーが変わってるけどまた会おうな」とファンに呼びかけると、フロアからは“マッチャンコール”が発生。すると横山は「このツアーはレコ発と同時にマッチャンと一緒に回る最後のツアーで。うまく言えないけどなんか感じるものがあった」と振り返り、観客から温かな拍手が贈られる。続けて「いろんな気持ちがあって、難しいツアーだった。辞めるやつと回るのは惨めなもんだよ」と素直な思いを吐露。しかし気持ちを切り替えるように「でも続けて、自分たちがダメになったらつないで、また続けて……」と明るい声を出し、松浦に向かって「マッチャン、愛してるぜ!」と声をかけてから、バンドは「Let The Beat Carry On」のイントロを奏で始める。歌い始めを松浦が担当すると、横山、Minami、Junの3人は楽しそうに演奏を続け、寂しさを感じさせつつも朗らかに本編を締めくくった。

アンコールではNo Use for a Name「Soulmate」のカバーのあと、NAMBA69とのスプリットCD「Ken Yokoyama VS NAMBA69」収録曲「Come On,Let's Do The Pogo」がプレイされる。するとステージにライブを観に来ていたNAMBA69のメンバーが登場。彼らはフロアのファンと同様、楽曲に合わせて楽しそうに踊り、場内を明るい空気で包んだ。メンバーが全員捌けたあともファンがアンコールを求め続けると、みたびKen Yokoyamaメンバーがステージに。最後に松浦がボーカルを取る形で「Sucky Yacky」が届けられ、大団円の中、ライブの幕は下ろされた。

Ken Yokoyama「Songs Of The Living Dead Tour」
2018年12月6日 新木場STUDIO COAST セットリスト

Dizzy Sunfist

01. Someday
02. Life Is A Suspense
03. The Magic Word
04. SULLEY
05. No Answer
06. Joking
07. No One Knows
08. Summer Never Ends
09. The Dream Is Not Dead
10. Tonight,Tonight,Tonight
11. SHOOTING STAR
12. FIST BUMP

Ken Yokoyama

01. I Fell For You, Fuck You
02. My Day
03. Dead At Budokan
04. Punk Rock Dream
05. A Stupid Fool
06. How Many More Times
07. Maybe Maybe
08. Sayonara Hotel
09. Swap The Flies Over Your Head
10. Hungry Like The Wolf
11. Believer
12. Pressure Drop
13. Support Your Local
14. If The Kids Are United
15. My Shoes
16. Brand New Cadillac
17. I Won't Turn Off My Radio
18. What Kind Of Love
19. Ricky Punks III
20. Walk
21. Let The Beat Carry On
<アンコール>
22. Soulmate
23. Come On,Let's Do The Pogo
<ダブルアンコール>
24. Sucky Yacky

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