THE RAMPAGE RIKUの「音楽大陸」 Vol.10(後編) ネガティブなSAMが大事にしていることは?

THE RAMPAGE RIKUの「音楽大陸」 Vol.10(後編) ネガティブなSAMが大事にしていることは?

左からSAM、RIKU。

THE RAMPAGE from EXILE TRIBE・RIKUさんの連載「音楽大陸」Vol.10のゲストは、ラッパーのSAMさん。前編ではRIKUさんがSAMさんのルーツに迫り、徐々にお互いの距離を縮めていきました。後編ではネガティブなSAMさんと共鳴したRIKUさんの“闇”の部分が全開に!? 自分自身を信じて、人に頼らない真っ直ぐな生き方について語り合いました。

取材 / RIKU 文 / 清本千尋 撮影 / 曽我美芽

どんなに嫌なことがあっても曲にしちゃえばいい

RIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE) SAMさんはすでにラッパーとして十分なほど活躍されていると思いますが、何か具体的な目標ってありますか?

SAM めっちゃ売れたいとかそういう欲はあんまりないんですよ。強いて言うならずっと続けたい。だからバトルに出すぎて心が疲れるなら自分から出ないようにするとか、ラッパーやラップを嫌いにならないようにしながら活動していきたいと思っていて。もちろん今はバトルに出たり露出したりしていたほうがいいのはわかっているのでいろいろ出ていますけど、自分の名前が広がることでラップを嫌いになってやめるなんてのは嫌だから、そうならないように活動するのが目標なんだと思います。

RIKU ラップを嫌いにならないように続けるっていいですね。僕はもともとラップを聴かなかったし、ヒップホップみたいなゴリゴリのサウンドに自分の声がハマらないなとずっと思っていたんです。THE RAMPAGEの曲でも自分の歌がハマってないような気がして、歌うことが好きだったのに嫌いになりそうだったというか、もう歌いたくないと思ったことがあったんですよ。でもファンの皆さんは僕が歌うのを楽しみにライブに来てくれるわけだから、ステージに立ったら歌わないといけない。自分で望んでTHE RAMPAGEになったのに、歌うことが嫌になっている自分が嫌だったんです。でもそうなってしまったとき、自分を救ってくれたのもまた音楽でした。僕はSAMさんの音楽にも人を勇気付けられる要素がたくさんあると思っています。SAMさんがご自身の経験を音楽にすべて注げられる理由って何かあるんですか?

SAM うーん。僕は後ろを振り返れば嫌なことばっかりだったんですよね。バイクに乗っていても振り返るのが嫌だから警察に呼び止められても走り続けて捕まったし。そういうマインドが自分の中には大きくある。でもそういう嫌なことを曲に昇華することで、前向きになれるというか。うちのおふくろはフィリピン人なんですけど、それが原因で小学生の頃にはいじめられたし、おふくろにお金を持ち逃げされたこともある。そういう出来事を曲にするために振り返ると、ちゃんと「おふくろのこと好きじゃん」と思えたりもするんですよ。自分の中できちんと落とし前をつけて曲として昇華することが俺にとっては本当に大切なこと。それがわかってからはどんなに嫌なことがあっても曲にしちゃえばいいやと思えて、前を向いていられるようになったというか。

RIKU 僕、ゴルゴ(松本)さんが少年院でした命の授業(2011年よりゴルゴ松本は全国の少年院にボランティアで慰問し、「命の授業」と題した話をしている)の話が好きなんですよ。苦難、災難、困難……全部難しいという漢字が入っていますよね。“難”がない人生は無難だけど、ありがたいは「有り難い」と書く。つまりは無難な人生よりも困難があるほうが実はいい人生なんだという話。僕はいろんな夢を抱いて歌手になったんですけど、ここにたどり着くまでにあえて修羅の道を選んできた自負があるんです。そこにはたくさんの“難”があったし、だからこそ今こうしてここにいることができている。僕はSAMさんみたいに大変な10代を送ってはいないので、その気持ちについて「わかります」とは生意気に言えないんですけど、少しは僕のマインドと近いものがあるんじゃないかなと思ってうれしくなりました。

SAM いやいや。そう言っていただけて安心しました。

明るそうに見えて根暗なんですよ

RIKU ご自身の活動における指針は聞かせてもらいましたが、表現をするうえで大事にしていることはありますか?

SAM 般若さんがそうだったので、俺もそういう考え方なんですけど、みんなの需要に合わせるわけじゃなくて、自分が思ったことや体験したことが100人のうち1人に響いたらいいなと思いながらやっていますね。それは俺がそういう音楽に救われた部分があったからそう思うんですけど、パフォーマンスを観た1000人のうち5人くらいでもいいから「明日がんばろう」って思えるようなラップができたらいいなって。

RIKU その気持ちはめちゃくちゃわかります。THE RAMPAGEってボーカルは3人とパフォーマーが13人の16人グループで、もちろん自分のファンもいるんですが、ほかの15人のファンだからそのライブに来てくれている人も当然いて。それでもある程度大きな会場でやらせていただくので、その中の1人や2人くらいが僕の一生懸命歌って踊る姿を観て「明日も仕事をがんばろう」「学校めんどくさいけどちゃんと行こう」って思ってくれたらいいなと思ってるんです。逆に言えばそう思ってくれる人が0人になったらアーティストとしては死んだも同然だなって。そういう考え方は人間関係でも同じで、数少なくても自分を理解してくれる人がいたらいいやというタイプなので、SAMさんと僕はちょっと似てるかなと思いました。

SAM そうですね(笑)。話し始めたときはすごく明るい方だったので、「俺、大丈夫かな。話せるかな」と思っていたんですけど、そんな心配はいらなかったです。

RIKU 明るそうに見えて根暗なんですよ。家帰ったらヤバいです。

SAM 闇が深そうです。

RIKU 闇は深めですね(笑)。だからこそ、その闇を理解してくれる友達と仲よくなれるんだと思います。……ということでぜひ友達としても仲よくしてください!

SAM ぜひぜひ(笑)。

人に期待をしない自分を信じる生き方

RIKU ちょっと大きな話になっちゃうかもしれませんが、SAMさんが生きていくうえで大事にしていることはありますか?

SAM あまり人に期待しないことですかね。ネガティブですみません(笑)。みんなの前で本心を話して自分を鼓舞するタイプの人もいると思うんですけど、俺の場合はそれだけでそこにかける熱量がなくなっちゃう気がして。ちょっと話はずれるんですけど、優しさとか愛とかって、最初はそれぞれのエゴでしかなくて、あとから色を付けて優しさや愛情って呼んでいるんだと思うんです。そういう考え方だから周りのことをあまり信用していないというか、信頼はするけど信じられるのは自分だけみたいな考え方なんですよね。そういう思考になってからはずっと自分のペースで音楽を続けられるなと思うようになったんです。

RIKU 信頼はするけど信じているのは自分だけという考え方、めちゃくちゃわかります。THE RAMPAGEになってLDHという会社に入って、マネージャーや宣伝のチームがいろんな仕事を持ってきてくれるから僕はやりたいことをやれているので、周りのスタッフにすごく感謝の気持ちはあるんですよ。でもいつかは自分だけでマネジメントしたり、プロデュースをできるようにならないといけないと思っているので、いい意味で信用しすぎないようにしていて。いろんな経験をしてきた会社の先輩が「絶対こうしたほうがいいよ。うまくいくよ」と言ってきたとして、それに従ってやるのは違うというか。危機管理能力みたいなものかもしれないんですけど、いつ自分がここから放り出されても食っていかなきゃいけないわけで。そうなったときのために「誰かの力を借りなくても自分だけで大丈夫」という状態にいつでもなっていないといけない。自分の人生を誰かに委ねて失敗してもそれを選んだのは自分になるので、いい意味で大人を信用しないというか。自分も大人なのでこの表現が合っているのかわかりませんが(笑)。

SAM 本当にその通りだと思います。

RIKU 自分の人生を生きるのは自分、結局は1人という考え方は一見ネガティブかもしれないですけど、生きていくうえで一番大事なことだと思うんですよね。

ラップも歌もダンスもやってみないと始まらない

RIKU SAMさんやいろんなラッパーさんの活躍もあって、最近は日本でもヒップホップやジャパニーズラップが流行っていますよね。例えばこれからラップを始めようと思っている方に何かアドバイスってあったりしますか?

SAM たぶんみんなの中でラッパーって、犯罪をしてるような悪いやつって認識されてると思うんですよ。自分は悪いことしてないからラップは向いてないと思っている人がいるのであれば、実際はそんなことなくて。例えですけど“黒だからカッコいい”ではなくて、“黒なのにカッコいい”みたいな状態かなと思うんです。悪いことをやっているけれど、それをカッコよく表現している人もいるし、何気ないただの日常をカッコよく表現している人もいる。声を大にして「俺はドラッグが大好きだ」って言っている人もいますけど、ラッパーの根本はそこじゃないから気にしないでほしいですね。悪いバックボーンがなくてもラップはできます。

RIKU ラップは怖くないということですね。

SAM そうですね。ラップが好きならそういう音楽をたくさん聴くと思うし、その好きな気持ちが強くなったら勝手に曲も作り始めるはずなんですよ。サイファーに入る勇気がないならそこまでラップが好きじゃないんじゃないかな。俺はそう思いますね。本当に好きになったら恥ずかしい気持ちよりもラッパーになりたい気持ちが前に来るはず。迷っているうちはまだまだラップを好きになれる。

RIKU 間違いないですね。歌もダンスもそうなんですよ。「どうやったらうまくなりますか?」とかよく聞かれるんですけど、僕はそれを愚問だと思っていて。好きだったらやるし、マッチョになりたかったら筋トレするでしょっていう。まずはやってみないと始まらない。

SAM そうなんですよね。

RIKU 活躍している人って才能があるからそうなれたと思われがちなんですけど、実際はそうじゃない。たくさんの努力の上にその地位がある。好きこそ物の上手なれって言葉は真理ですよ。あー、この話、僕の闇の部分出ちゃってます?(笑)

SAM (笑)。

SAM

1994年11月15日生まれ。AB型。2015年に宇都宮駅で開催されていたサイファーをきっかけにラップを始める。フリースタイルバトルでは、2019年に行われた「戦極MCBATTLE 第19章」「戦極MCBATTLE 第20章」「凱旋MC Battle 東西選抜 秋ノ陣」、2021年に行われた「凱旋MC Battle 西日本ZEPP TOUR - 大阪ノ陣」で優勝。2020年には毎月ミュージックビデオを公開したり自身のレーベル・PerLifeを立ち上げたりと、音源制作にも力を入れて活動し、等身大なリリックで人気を博している。テレビ朝日系「フリースタイルティーチャー」では、末吉9太郎(CUBERS)、岡野海斗、森本晋太郎(トンツカタン)、ずま(虹色侍)のティーチャーを担当。小出恵介主演ABEMAオリジナルドラマ「酒癖50」では犬飼貴丈への作中のラップ指導を行いながら自身も出演するなど、さまざまな形で活躍している。10月9日には東京・日本武道館で開催されるMCバトル「戦極MCBATTLE 第24章」に出演した。

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RIKU

1994年8月10日生まれ。THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのボーカル。2014年4月に行われたLDH主催オーディション「EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 4 ~夢を持った若者達へ~」に合格し、THE RAMPAGEのボーカル候補生となる。同年9月に行われた「武者修行ファイナル」で正式メンバーに昇格。2017年1月にシングル「Lightning」でメジャーデビューを果たした。2021年7月から東京・東京ドーム2DAYS公演を含むアリーナツアー「THE RAMPAGE LIVE TOUR 2021 "REBOOT" ~WAY TO THE GLORY~」を開催。9月には初の舞台「ETERNAL」で座長を務めた。RIKU個人としては毎週金曜日にメンバーの陣と共にスペースシャワーTV「ライブを100倍楽しむLIVE YEAH!!!」、bayfm「WEEKEND THE RAMPAGE」にレギュラー出演している。

RIKU (@_riku_r.m.p.g_ldh)・Instagram photos and videos

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