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PERIMETRONプロデュースの福井の伝統工芸品を手に取れる期間限定レストラン「圓」に行ってみた

約2年前2022年01月24日 6:01

King Gnuの常田大希が主宰するクリエイティブチーム・PERIMETRONがプロデュースするポップアップレストラン「“圓” Pop-up Restaurant」が、1月22日から1月30日までの期間限定で東京・UNKNOWN HARAJUKUにて開催されている。

2024年春の金沢から敦賀区間の北陸新幹線の開業に向けて、福井県の伝統工芸をもっと身近な存在にするために立ち上げられたプロジェクト「FUKUITRAD BY PERIMETRON」の一環で行われているポップアップイベント。「FUKUITRAD BY PERIMETRON」では、さまざまなアーティストのミュージックビデオやライブ演出などを手がけるPERIMETRONによる総合プロデュースで、福井が誇る7つの工芸品を現代のライフスタイルに合わせた形にアップデートしたプロダクトを開発しており、それらを実際に手に取り体感できる場として圓がオープンした。

このプロジェクトのためにPERIMETRONのプロデューサー、クリエイティブディレクターでmillennium paradeのメンバーとしても活躍する佐々木集、プロデューサーの西岡将太郎、アートデザイナーの森洸大の3名は福井の古民家に拠点を置き、東京と福井を行き来しながら地元の伝統工芸士とともにオリジナルプロダクトを制作。会場となったUNKNOWN HARAJUKUは、古民家をフルリノベーションした和な雰囲気のイベントスペースで、そこに3人は福井の拠点からふすまや畳などを持ち込み、天地が逆転したかのような不思議な空間を作り上げた。

円の旧字体である圓という店名には、PERIMETRONという名前がギリシャ語の円周率から来ていることやチームのスローガンである「Give us money. We are cool.」(カッコいいものつくるから金をよこせ)にちなんだ“円”、人と人との“縁”などさまざまな意味が込められている。□にメンバーを意味する“員”が入った造形も、クリエイター集団であるPERIMETRONを表すモチーフにふさわしいと考え、いつかどこかで使いたいと思っていたと森は語った。「FUKUITRAD BY PERIMETRON」もさまざまな人との縁を手繰り寄せて進んだプロジェクトで、圓で提供される料理や酒は、もともと佐々木とつながりのあった唎酒師の千葉麻里絵氏がプロデュースを担当。黒龍、常山、早瀬浦という福井の酒蔵で作られている銘柄の酒に合わせる料理は、8年連続でミシュラン1つ星を獲得しているフレンチレストラン・Odeの生井祐介氏と、9年連続でミシュラン2つ星を獲得している寿司店・すし㐂邑の木村康司氏が、千葉氏、PERIMETRONメンバーとともにオリジナルメニューを考案した。

コースは先付、椀物、三付、丼物、甘味からなり、料理は「FUKUITRAD BY PERIMETRON」のオリジナルプロダクトに盛り付けてサーブされる。席についてまず提供されるのは、その名の通り「大きな盃」に注がれた黒龍の大吟醸。合わせる料理は、月見玉座と名付けられたふっくらとした越前焼の器にちょこんと置かれた黒いクルミのような粒で、「玉」という先付のタイトル通りまん丸なフォルムが特徴的だ。竹炭パウダーで漆黒に染まった粒をカリッとかじると中には、黒龍の酒粕を食べて育った黒龍吟醸豚のジューシーなリエットが詰まっている。フレッシュなコリアンダーのさわやかさも澄んだ味わいの黒龍にぴったりだ。

椀物「重」は、水面に映った朧げな月をモチーフに、光造形3Dプリンタで成形した樹脂に漆加工を施して完成させた越前漆器・朧月で提供された。5つのパーツからなる朧月の器を分解し、それぞれにカリフラワースープ、ライスパフ、酒粕入りの白和えと発酵トマト、酒が盛り付けられている。一番小さな皿は、カリフラワースープのボウルの下に敷かれていた。大きな器に入った泡立てた豆乳の上には紫色のエディブルフラワーが浮かび、それを匙ですくうとその下から濃厚なカリフラワースープが現れる。クミンシードの乗ったライスパフはそのまま食べてもおいしいが、スープに浸して食べるのもオススメ。紅白の色合いが美しい白和えと発酵トマトはねっとりとした食感で、芳醇な味わいの常山で流し込むと、まったりとした余韻が口の中に残る。

3番目の料理「圓」は圓の“家紋”にもなっている三つ巴を描いた越前焼の三品皿「三つ巴圓盤」に、塩ぶり、蟹のブランデー漬け、へしことブルーチーズを混ぜたものにインドの蜂蜜がかかったつまみからなる。ほどよい塩味で弾力のある塩ぶり、へしこのアクセントが効いたブルーチーズ、熟成が進んだ蟹のブランデー漬けと早瀬浦を交互に味わうと、三位一体の味わいとなった。木村氏の代名詞とも言える熟成鮨を丼で楽しむ丼物「渦」は、それぞれ異なる味付けが施されたズワイガニ、小鯛、イカ、さわら、ぶりが、赤酢の酢飯の上に美しく盛り付けられている。器は渦を描くようにダイナミックに釉薬を塗った黒の丼茶碗・大螺旋で、ざらりとした質感が特徴。合わせる酒はシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵をさせた黒龍酒造のスパークリング酒・ESHIKOTO AWA2019で、麹の甘い香りとドライな後味がちらし寿司にぴったりとマッチした。ESHIKOTOが注がれるのは、竜巻のように螺旋状に伸びた薄造りの酒器・竜巻銀河。こちらの酒器は、美しいフォルムかつ手に取りやすいサイズ感で、スパークリング酒はもちろん、瓶ビールにもオススメだそうだ。

甘味「御縁波紋」は、グレーのみで彩色され無機質な雰囲気を持った越前漆器「序の口-波紋」でサーブされた。丸い脚付き高台皿の上には、蕎麦粉でできた三角形のパンドジェンヌが乗った枡が乗っている。蕎麦が香るパンドジェンヌは、シャリシャリとしたアイシングの食感が楽しく、みかんの果肉がアクセントに。枡にはゲストが選んだ早瀬浦の甘酒か、常山の美山が入っており、しっとりとしたパンドジェンヌとともに味わうと蕎麦の風味が際立った。

また料理とともに提供された「FUKUITRAD BY PERIMETRON」仕様の酒は、料理に合わせた限定酒で、越前和紙でできたラベルも森がデザインした特別仕様。酒の顔とも言えるシンボリックな筆文字は残しつつ、その文字の周りに凹凸でデザインが加えられたラベルは、和紙ならではの手触りも特徴となっている。

「FUKUITRAD BY PERIMETRON」の公式通販サイトでは、オリジナルプロダクトを販売中。現在マスクホルダーや日傘、越前箪笥をリメイクした箪笥などを制作中とのことで、こちらがどのような仕上がりになるのかも気になるところだ。

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