「福岡市博多区からやって参りました」NUMBER GIRLが福岡シティに轟音響かせた「CIRCLE」2日目

「福岡市博多区からやって参りました」NUMBER GIRLが福岡シティに轟音響かせた「CIRCLE」2日目

NUMBER GIRL(撮影:日隈天明、ハラエリ、ヤマモトハンナ)

5月13~15日に福岡・マリンメッセ福岡 B館で音楽フェス「CIRCLE '22」が開催された。この記事では14日公演の模様をレポートする。

前日の悪天候とは打って変わって、快晴の中でスタートした「CIRCLE」2日目。KOAGARI STAGEのトップバッターを務めた福岡発の4ピースバンド・yonawoは、浮遊感漂う「浪漫」や、荒谷翔大(Vo)のしっとりとしたボーカルが印象的な「トキメキ」といった穏やかなナンバーで観客を迎え入れた。MCでは歌を歌うのはエネルギーを使うと大粒の汗を流す荒谷に、ほかのメンバーが「汗ヤバくない? 寝汗みたい」「赤ちゃんくらい汗かいてる」などツッコむ場面も。yonawoはそんな和気あいあいとしたトークを挟みつつも、「矜羯羅がる」「天神」といったクールなナンバーでフロアをロマンチックなムードに染め上げてステージをあとにした。

CIRCLE STAGEの一番手を務めたYogee New Wavesは「Summer」をプレイして初夏の風を会場に運び込むと、「You Make Me Smile Again」で観客の体を揺らし、「Good Night Station」ではメロウな音像で会場をまろやかに包み込む。「実はギリギリまで寝てたんですけど、やる気はすごくあります。みんなも一緒に温まっていけたらいいよね。今日は楽しんでいきましょう」と挨拶した角舘健悟(Vo, G)は、「あしたてんきになれ」「Ride on Wave」を連投して観客のテンションをしっかりと引き上げ、トップバッターとしての役目を果たして後続のアーティストたちにバトンを渡した。

二階堂和美はKOAGARI STAGEに登場すると、NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」に提供した「ぎゅーっ はかせ」をアカペラで披露。観客の手拍子が響く中、全身を使って楽曲の世界観をまっすぐに表現した。感極まった二階堂が涙をこらえながら「めざめの歌」を弾き語りで演奏すると、オーディエンスからは大きな拍手が湧き起こった。ライブの後半はLITTLE CREATURESから青柳拓次(G)、鈴木正人(B)を迎えたバンド編成となり、二階堂は最後に別れについて歌った「お別れの時」を熱唱。そして観客に向けて「明日死ぬかもしれないよ。必ず終わりは来るから、パートナーのいる人はしっかりイチャイチャしてください! もったいないから、あとからとかないから!」とメッセージを送った。

8人編成のバンドセットでステージに姿を現したceroは、深淵なサウンドスケープから徐々に熱を帯びていく「Waters」でライブをスタートさせ、アーバンメロウな「Summer Soul」へとつなげる。高城晶平(Vo, G, Flute)がステージを歩きながらフロアを煽ると、オーディエンスも手を上げて応えた。「半年ぶりのライブなので緊張しているんですけど、がんばります」と話す高城だったが、「Orphans」ではイントロのフルートの音色で一気に観客の心をつかむなど、ライブ巧者ぶりをいかんなく発揮。さらにスペーシーなダンスチューン「Fdf」や、およそ8分に渡る「Poly Life Multi Soul」を演奏してフロアを存分に踊らせた。

ハット姿にアコースティックギターを抱えてKOAGARI STAGEに登場したのは、なぎら健壱と高田漣のコンビ。高田渡の楽曲を中心にライブすることを宣言したなぎらは、「今日の出演者の中で一番シンプルな構成でギャラをたっぷりもらっていこうと思います」と言って観客を笑わせる。このステージでは「酒が飲みたい夜は」「仕事さがし」「生活の柄」「自転車に乗って」などが届けられたが、2人は各曲を演奏する前に必ず楽曲や高田渡にまつわるエピソードを紹介。酒好きの高田渡が毎日朝から東京・吉祥寺にある焼き鳥屋「いせや」へ通っていたので、仕事の依頼の電話がお店にかかってきていた話などが軽妙な語り口で披露され、笑いの絶えないステージとなった。

サニーデイ・サービスは「夜のメロディ」を丁寧に紡いでライブの口火を切る。続いて大工原幹雄(Dr)のダイナミックなドラムに乗せて、曽我部恵一(Vo, G)と田中貴(B)が、音を鳴らす喜びを確かめ合うように向かい合って「魔法」や「I'm a boy」を演奏した。曽我部のメロディセンスが光る「春の風」「セツナ」では、アグレッシブに音を歪ませたライブ仕様のアレンジでオーディエンスを圧倒した。「時計をとめて夜待てば」で会場の熱気をクールダウンしたあと、曽我部は「最高。ありがとう」と感想を述べ、最後に「サマー・ソルジャー」を笑顔で届けた。

少しずつ日が傾き始めた頃に屋外のKOAGARI STAGEに登場したLITTLE CREATURESは、栗原務(Dr, Per)のリムショットがアクセントの「あさやけ」でゆったりとライブを開始する。跳ねたリズムが心地いい「嘘の朝」をプレイしたあと、「FOOLISH KING」ではリズムチェンジを繰り返すスリリングな展開で観客の視線を釘付けに。ライブが進むにつれ日の陰り具合もいい塩梅になっていき、オーディエンスは潮風に乗って運ばれてくる青柳拓次(Vo, G)の歌声と、まったりとしたサウンドを全身で堪能。鈴木正人(B)も休符を巧みに操りながら「Drift」や「house of piano」を演奏し、終始観客の体を自然と揺らし続けた。

くるりのステージはソウル、ジャズ、ヒップホップの要素が交差するダンスナンバー「琥珀色の街、上海蟹の朝」で幕開け。イントロで会場がどよめいた「ばらの花」では、岸田繁(Vo, G)の澄んだボーカルと豊かなアンサンブルでオーディエンスを酔わせていった。くるりはその後も「ハイウェイ」「リバー」「愉快なピーナッツ」といった人気曲を次々と披露。MCでは岸田と佐藤征史(B, Cho)が「CIRCLE」の会場に隣接するマリンメッセ福岡 A館でこの日から2日間、B'zが全国ツアー福岡公演を行っていることについて触れ、「B'zがB館。俺らが……A館」「いや怒られるわ(笑)」と冗談を交えた掛け合いで会場の笑いを誘う。そして最後は「街」でエモーショナルな演奏を届けてステージをあとにした。

T字路sがオープニングナンバーに選んだのは「その日暮らし」。伊東妙子(G, Vo)は迫力のある歌声を披露し、さっそくオーディエンスを引き付ける。「今日は張り切って真っ赤なドレスを着てきました」と笑顔を見せた彼女が「暮らしのなかで」を歌うと自然と手拍子が沸き起こり、篠田智仁(B / COOL WISE MAN)もうれしそうに躍動感のあるベースを奏でた。ベッシー・スミス「Send Me To The 'Lectric Chair」の日本語カバー「電気椅子」では、惚れた男の喉を掻き切って殺した女が裁判長に「電気椅子送りにして」と懇願するセンセーショナルな歌詞がハスキーボイスとともに届けられる。また伊東はT字路s流の人生の応援歌「泪橋」を鬼気迫る勢いで歌い、「CIRCLE」に確かな爪痕を残していった。

「CIRCLE」2日目、CIRCLE STAGEのトリを務めるのは同イベントの常連である向井秀徳(Vo, G)率いるNUMBER GIRL。ステージにメンバー4人がセットし、向井から「福岡市博多区からやって参りました、NUMBER GIRLです」の挨拶が告げられると、場内にはどよめきとともにこの日一番の拍手が湧き起こった。NUMBER GIRLはアヒト・イナザワ(Dr)のドラムを起点に、「タッチ」「ZEGEN VS UNDERCOVER」を爆音で演奏。そしてキラーチューン「鉄風 鋭くなって」「透明少女」で熱狂の空間を作り出し、向井の「ブラックライトに照らされて水色に発光している少女のお話です」のひと言でスタートした「水色革命」ではみずみずしいバンドサウンドで観客の体を揺らした。

観客に息つく暇を与えず持ち時間を駆け抜けたNUMBER GIRL。向井は「福岡シティ! 皆さん『CIRCLE』にお集まりいただきありがとうございます」とここまでライブを見守ってきたオーディエンスに感謝を伝え、「ドラムス、アヒト・イナザワ」とおなじみの挨拶で「OMOIDE IN MY HEAD」につなげると、本編ラストは「I don't know」で轟音を鳴らしてステージをあとにした。鳴り止まないアンコールを受けてステージに登場したNUMBER GIRLは、この日3度目となった向井の「福岡市博多区からやって参りました、NUMBER GIRLです」の挨拶を合図に人気曲「IGGY POP FAN CLUB」とRamones「I Wanna Be Your Boyfriend」のカバーを届けて「CIRCLE」の2日目を締めくくった。

※高城晶平の「高」ははしご高が正式表記。

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