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フィロソフィーのダンスにとっての“愛”とは?全国ツアーを通して見つけた愛の形

1年以上前2022年06月27日 11:01

フィロソフィーのダンスの全国ツアー「Love 4 You TOUR 2022」の最終公演が、昨日6月26日に東京・TOKYO DOME CITY HALLで行われた。

今年3月に発表したメジャー1stアルバム「愛の哲学」を携え、全国12会場を回ったフィロのス。十束おとはの卒業が決定している彼女たちにとっては、これが現体制で最後のツアーとなった。ツアーファイナルの東京公演は小笠原拓海(Dr)、千ヶ崎学(B)、田口慎二(G)、松本ジュン(Key)がバックを務めるバンド編成。生演奏ならではの自由度の高いアレンジに乗せて、メンバー4人も自由かつパワフルなパフォーマンスを繰り広げた。

開演前のBGMからクロスフェードするように小笠原がドラムソロを叩き始め、松本がピアノの音を重ねるとステージ中央に置かれたフィロのスのロゴに光が灯る。そして千ヶ崎のベース、田口のギターと演奏は徐々に厚くなり、じわじわと上がる場内の熱気とシンクロするようにフィロのスロゴが上昇。観客は一斉に立ち上がり、大きな拍手でメンバー4人を迎え入れた。一瞬の沈黙ののち、日向ハルは伸びやかなハイトーンで歌い始め、そこに十束、奥津マリリ、佐藤まりあの声が重なる。ライブは「愛の哲学」収録曲「サンフラワー」で幕を開け、奥津は「世界で一番幸せな空間、TDCホールへようこそ!」と観客を歓迎した。

「でっかい愛を届けにやって来ました、私たちがフィロソフィーのダンスです! 世界で一番楽しい夜にしましょう」と叫ぶ日向の声に応えるように、観客は「ロック★with you」の四つ打ちビートに乗せてハンドクラップを打ち鳴らす。2曲を終えたところで、メンバーは1人ずつ自己紹介。十束は「みんなの人生の日の最高を更新しにきました」と宣言し、佐藤は「ここまで11公演で、私たちがメキメキ成長してきた姿を見せたい」とツアーファイナルの意気込みを語った。スウィングするビートが心地よい「ダンス・オア・ダンス」でライブが再開すると、4人とバンドメンバーは伸び伸びとパフォーマンス。間奏では小笠原がメンバーの指示に合わせてリズムを鳴らし、観客との一体感を作り上げる。続く「エポケーチャンス」と「バイタル・テンプテーション」のメドレーでは8人がさらにアドリブ性の高いステージを展開し、TDCホールにはファンキーなグルーヴが渦巻いた。

一転、「テレフォニズム」ではクールな演奏に乗せて甘い歌声を響かせる4人。日向と奥津は交互にフェイクを披露して観客を惹き付けた。ここでステージは暗転し、「ホテルに集まってツアーの打ち上げパーティをしたい」と打ち合わせをするメンバーの寸劇タッチの音声が流れる。パジャマのような姿で再登場した4人は、チルなアレンジが施されたmihimaru GT「気分上々↑↑」のカバーをしっとりと歌い上げた。ライブを満喫する十束は「ずっとこの時間が続けばいいのにね」と思わずつぶやく。今回のツアーでは平行して“運命の人”探しをしていたという日向は、次のナンバー「誓い合ったんだってね、LOVE」の最中に自分のメンバーカラーである赤のペンライトを持った観客を指し「ついに東京で運命のハル推しと出会えましたー!」と告げた。ワウギターと歯切れのよいビートのインスト「FUNKY BUT CHIC」に乗せて、4人はパジャマを脱ぎ捨て、白い衣装にチェンジ。「ラブな仲間たちを紹介します!」とバンドメンバーを1人ずつ紹介し、インディーズ時代からの人気曲「アイドル・フィロソフィー」へとなだれ込んだ。続く「シスター」では4人の歌声とエレクトリックピアノのメロウな響きで場内はうっとりとしたムードに。千ヶ崎がエレクトリックアップライトベースに持ち替えてのソウルバラード「ジャスト・メモリーズ」ではパワフルに歌い上げる日向のボーカルがホールを包み込んだ。

ライブ終盤を前に、4人はこのツアーを通して感じた“愛”について語り出す。フィロのス加入前は「仲間なんていらない」とソロで活動し、挫折して音楽を辞めることも考えていたという奥津は、「あのとき辞めていたらこんな素敵な仲間にも出会えず、みんなにも会えなかったんだなと思うと、あのとき辞めずに1人でがんばっていた自分を褒めてあげたいです。今が本当に人生で一番幸せです。これからも容赦なくみんなのことを愛していきますのでよろしくお願いします」とコメント。佐藤は「私にとっての“愛”ってなんだろうと考えたときに、やっぱり一番に浮かぶのはフィロソフィーのダンスとファンの皆様のことで。うるさいぐらいにぎやかで、愉快で、頼もしいメンバーのことが大好きだし、そんな私たちを愛してくださるファンの皆様のことが本当に大好きです。この4人での活動は限られていますが、限られているからこそ、この4人にしかできない方法で愛を伝えていきたいし、これから新しくなるフィロのスも皆さんに愛していただけるように真面目にがんばっていくので、これからも付いてきてください」と観客に呼びかけた。日向は「ずっと人に甘えることのできなかった私が、人を愛することや人に弱さを見せることを知ったのは、このグループに入ったおかげです。7年間一緒にがんばってきた仲間がこの3人でよかったなって改めて思います。3人ともどんなときも味方でいてくれてありがとう」とメンバーへの愛を伝える。そして、グループを去ることを決意した十束は、自身が参加する最後のツアーがファイナルを迎えてしまったことを惜しみつつ、「このツアーを通して思ったことは、本当にフィロソフィーのダンスに入ってよかったなって。メンバーに出会えてよかったなということと、ファンのみんなが本当に大好きなんだということでした。私は7年間、何を誇りにがんばってきたのかと言えば、みんなが喜んでいる姿を見るのが一番幸せで。みんなは私にとって心から誇れる存在です。私のアイドルとしての命はもう残り数カ月しかないけど、それでも、みんなが一生分思い出せるくらい大きな愛を、みんなが嫌だと言うほど、11月まで精いっぱい届けていこうと思います。そして、私がいなくなったあとのフィロソフィーのダンスも、もっともっと愛されるグループになりますようにと心から願っています」と涙を流した。

それぞれの“愛”を伝えた4人は、ここで最新アルバムの表題曲である「愛の哲学」を披露。歌いながら感極まり、思わず目に涙を浮かべてしまう。明るくライブを締めくくるべく、4人はフィロのスの哲学が詰まったナンバー「ダンス・ファウンダー」へとつなげ、ステージ上の4つのミラーボールがギラギラと光を反射させる中、力強いパフォーマンスで観客にもダンスを促した。アップテンポな「フォーカス」でさらに場内を盛り上げ、最後はライブの楽しさを全身で表現する「ライブ・ライフ」でフィニッシュ。アンコールを受けて再度ステージに上がるも、十束は「ホントに終わりたくないから曲振りしたくないんだけど!」とゴネる。4人は名残り惜しそうにしながらも、バンドメンバーとともにもう1曲、「ベスト・フォー」をパフォーマンス。弾けるような笑顔で約2カ月におよんだツアーを終えた。

また本日のアンコールでは、十束のラストステージが11月19日の東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)公演となることが発表された。ライブの詳細は追ってアナウンスされる。

フィロソフィーのダンス「Philosophy no Dance『Love 4 You TOUR 2022』」2022年6月26日 TOKYO DOME CITY HALL セットリスト

01. サンフラワー
02. ロック★with you
03. ダンス・オア・ダンス
04. エポケーチャンス~バイタル・テンプテーション
05. テレフォニズム
06. 気分上々↑↑
07. 誓い合ったんだってね、LOVE
08. FUNKY BUT CHIC(INST)
09. アイドル・フィロソフィー
10. シスター
11. ジャスト・メモリーズ
12. 愛の哲学
13. ダンス・ファウンダー
14. フォーカス
15. ライブ・ライフ
<アンコール>
16. ベスト・フォー

フィロソフィーのダンス 十束おとは卒業ライブ(タイトル未定)

2022年11月19日(土)東京都 日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)

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