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フレデリックがオリジナリティ提示した代々木第一体育館ワンマン、“ミュージックジャンキー”の旅は続く

フレデリック
1年以上前2022年07月01日 8:05

フレデリックが6月29日に東京・国立代々木競技場第一体育館でワンマンライブ「FREDERHYTHM ARENA 2022~ミュージックジャンキー~」を開催した。

2018年の兵庫・ワールド記念ホール公演、2020年の神奈川・横浜アリーナ公演、2021年の東京・日本武道館公演とアリーナでのワンマンライブを重ねてきたフレデリック。バンド史上最大規模のワンマンかつ4度目のアリーナワンマンとなる今回の公演で、彼らは3月にリリースした3rdフルアルバム「フレデリズム3」の収録曲を中心に全18曲を披露してバンドのオリジナリティや最新アルバムの世界観を打ち出した。

「フレデリズム3」のジャケットを彷彿させるオープニングムービーを経て、ライブは「名悪役」でスタート。バイオリンの音色が加えられた荘厳なアレンジのイントロが流れ、ピンスポットライトに照らされた三原健司(Vo, G)が気迫に満ちた表情で歌い始める。バンドが華々しいサウンドで観客のテンションを一気に引き上げたところで、健司が「フレデリズムアリーナ、始めます!」と力強く宣言した。続く「TOMOSHI BEAT」「蜃気楼」でも4人は勢いを落とさずに熱演を繰り広げ、さらに場内の熱気を高めていく。健司は4度目のアリーナワンマンの会場に国立代々木競技場第一体育館を選んだ理由について、「『フレデリズム3』でフレデリックらしさ、フレデリックはこういうふうに音楽を提示していきますよという旗を打ち出しました。これをライブではどの場所で届けようかと思ったときに、ライブハウスでも野外でもなく、めちゃくちゃデカいアリーナ、代々木でやろうとなって」と説明した。

三原康司(B, Vo)が軽快なベースラインを奏でる「VISION」では、健司がメインステージから伸びる花道を通ってセンターステージへ闊歩。センターステージにたどり着くと、ファンの思いを受け止めるように大きく手を広げながら歌唱した。高橋武(Dr)がお祭りムードの漂うビートを刻む「かなしいうれしい」を経て、場内に時計の秒針の音が響く。観客の期待感が高まったところで、バンドは須田景凪とのコラボ曲でRPG「テイルズ オブ ルミナリア」のテーマソング「ANSWER」を披露。康司が須田の歌唱パートを担い、エフェクトのかかった歌声で歌唱した。

広大な会場や楽曲の世界観にマッチした演出も多数用意された本公演。大量のスモークがすっかりステージを覆った「うわさのケムリの女の子」、“ラベンダー”カラーの一筋の光がステージから会場の入口付近までまっすぐ伸びた「ラベンダ」などで、フレデリックは視覚的にも観客を楽しませた。中盤にはライブ中の引き締まった空気感とは異なるユルい雰囲気のMCコーナーが展開され、4人は仲のよさが伝わるトークを繰り広げて場内を和ませた。その後彼らはセンターステージに移動。しかしここで健司が「ここからは康司と隆児(赤頭隆児[G])とタケちゃん(高橋)の3人で音楽を届けさせていただきます。がんばってくださーい!」とエールを送って舞台袖へと捌ける。

健司の姿を見送った康司は、「フレデリックはすごく変なバンドだなと、曲を書いている自分で思うんです。でもその個性やいびつさを愛してもらえたからこそ、今日アリーナでライブができるんだなと思います」と感慨深げに語る。続けて「『フレデリズム3』の中で、健司にデモを聴かせたときに『これは康司が歌ったほうがいいんじゃないか』と言ってくれた曲です」と紹介して「YOU RAY」のパフォーマンスへ。アコースティックアレンジが施された静かなサウンドに、康司が艶のある歌声をしっとりと重ねてオーディエンスを魅了した。

康司による「次は健司にバトンを渡します」という言葉を合図に、健司がアコースティックギターを手に再びステージに現れ、花道の途中に立てられたスタンドマイクの前にスタンバイ。3人の演奏を観ていた健司は「すごい3人でしょ、俺の自慢の仲間です」と顔をほころばせる。そして一転して真面目な表情になった彼は学生時代、自分の高い声にコンプレックスを抱いていたことを吐露。「自分の声がすごい嫌いやったんやけど、歌ったときに『いい声してるね』と言ってくれた人がいて。歌声で思いを届けたら人生変えれるんちゃうかなと思ってバンドを始めて。でもバンドを始めてからも『フレデリックは声が好かんな』と言われた。何くそ精神で、もっともっとボイトレしていい歌を歌ってその印象を覆したろと奮起して。そう思えたのはメンバーのおかげ。康司、隆児、タケちゃんが俺の声が必要だと伝えてくれたから、俺はこの声で一生歌い続ける覚悟ができました。その覚悟を込めて次の曲は1人で歌います」と語り、「サイカ」を弾き語る。健司は繊細なメロディとエモーショナルなハイトーンボイスで自身の思いの丈を表現して観客の胸を打った。

ライブ後半戦、健司の「ここからは踊らせてくぜ、覚悟しときや」という宣言通り、フレデリックはバンドの持ち味であるダンサブルなナンバーを連投。和田アキ子への提供曲「YONA YONA DANCE」のセルフカバーでは、ミラーボールの光が会場を照らして煌びやかな空間が演出された。さらにバンドはキラーチューン「オドループ」でオーディエンスを大いに踊らせて盛り上がりは最高潮へ。本編ラストに演奏されたのは、ループし続けるメロディが中毒性の高いナンバー「ジャンキー」。ミュージックビデオに登場した双子の姉妹がステージに現れ、クセのあるポッピンダンスを披露してオーディエンスの視線を釘付けにした。フレデリックも負けじと熱量の高いパフォーマンスを繰り広げて熱狂を生み出したところで、健司が「俺たちミュージックジャンキーの旅はまだまだ続きます!」と叫び、爆竹の特効を合図に4人はステージをあとにした。

観客による熱烈なアンコールを受けて再び登場したフレデリックは、「俺たち、今が一番楽しいな。これからも前に進んで、走り続けるフレデリックでありたいなと思って、アンコール1曲目はこの曲を届けます」と前置きして、スケール感のあるサウンドの「サーチライトランナー」を奏でる。そしてラストナンバーは、この日のうだるような暑さにぴったりの「熱帯夜」。4人は晴れやかなサウンドのこの曲を楽しげに奏でて本公演のフィナーレを飾った。

フレデリック「FREDERHYTHM ARENA 2022~ミュージックジャンキー~」6月29日 国立代々木競技場第一体育館 セットリスト

01. 名悪役
02. TOMOSHI BEAT
03. 蜃気楼
04. VISION
05. かなしいうれしい
06. ANSWER
07. Wanderlust
08. うわさのケムリの女の子
09. ラベンダ
10. YOU RAY
11. サイカ
12. Wake Me Up
13. YONA YONA DANCE
14. KITAKU BEATS
15. オドループ
16. ジャンキー
<アンコール>
17. サーチライトランナー
18. 熱帯夜

撮影:渡邉一生 / 森好弘 / 小杉歩

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