本日4月6日(金)スタートのテレビ東京系ドラマ「宮本から君へ」のテレビ東京新入社員特別試写会が4月4日にテレビ東京本社にて行われ、原作者であるマンガ家の新井英樹と、ドラマのエンディングテーマとして「革命」を提供したMOROHAのアフロ(MC)とUK(G)が登壇した。
挨拶に立った新井は「1年2カ月でサラリーマンをリタイアした人間なんで、そんな俺を(こういう場に)呼んでくれるテレビ東京さんは懐が深い」と笑顔を見せ、アフロは「自分は半年間、ちょっと有名な通信系のブラックな企業で営業をしておりまして、それから音楽を始めて今に至る感じです」、UKは「僕は『どこかに属してたまるか』と思い一度も就職活動をせずにここまで来ました」とそれぞれ自己紹介。
アフロは「宮本から君へ」と自分の関わりについて「親父が買っていて、中学生くらいの頃に本棚にあったのを読んでたんですけど、『ジャンプ』とか『コロコロコミック』に載ってるような絵ではなかったので『これはちょっと……』って1回閉じた思い出があります。それからいろんな本を読んでもう1回開いてみたら衝撃を受けました。一発で叩きのめされるマンガだなと。時を経て自分で表現するようになったときに『一発で仕留められる音楽を作ろう』と思うようになったんですが、それは『宮本から君へ』の影響だと言って過言ではないです」と語った。
新井とMOROHAは、新井が彼らの2ndアルバム「MOROHA II」にジャケットイラストを提供して以来の仲だそうで、アフロは「新井先生は携帯を持っていらっしゃらないんです。だから、ライブに花を贈ってくれたときにお礼を言おうと思っても、なかなかつながらなくて」と、携帯電話を持つようにアピール。新井は「だってスマホ持って、LINEデビューして、既読スルーとかされたら嫌じゃん」と冗談混じりに答えた。
テレ東の内定者から新人時代について聞かれた新井は、「正直『売れたい』と思ったことがなくて、ただ好きなことがやれる程度には稼げればいいとしか思ってない。俺は売れてるわけじゃないけど、ラッキーなことに自分が描きたいものだけ描いて30年やってこれた。けれど金はついてこない。どっちがいいんだろうというのをMOROHAに聞いてみたい」と言ってMOROHAに話を振り、アフロは「両方取ります、と言い続けることに意地になってます。どっちを先に取るかっていう選択肢はあっても、どっちかを諦めるってことはないようにしようと思ってます」と回答。
そしてアフロは「俺は皆さんの歳くらいの頃に『自分の欲望に素直になろう』と思った瞬間が分岐点でした。いい女抱きたいとか金欲しいとか、そういう気持ちをちゃんと認めて、それをガソリンにしたときが人間は一番がんばれると思うので」、UKは「勘違いをして生きてほしいと思います。『自分が一番できる』っていう勘違いは必ずその通りになるので、退路を作らずに勘違いをしたまま生きていってください」と新入社員にエールを贈った。
その後、新井たちはテレビ東京の新入社員と一緒にドラマ第1話を鑑賞。上映後、ここで完成したドラマを初めて観たという新井は「ありがとうです、本当に」と感慨深そうに感想を述べる。またフォトセッションへと移るタイミングで、ドラマの主演を務めた池松壮亮がサプライズで登場。時間の都合で帰らなければならないMOROHAと入れ代わるかたちで、その後のトークに参加した。
新入社員から「自分の中でこれだけは曲げないと決めていることはありますか」と尋ねられた新井は、「主語は必ず一人称、自分にすること」と回答。「会社を代表するとか、複数形の主語にすると、人はろくでもないことしかやらないし考えない」と述べ、「それを自分に課しています」と伝えた。池松は「僕自身は何もない」としつつも、「宮本として言うなら、傷つく覚悟。新井先生は“連戦連敗”という表現をされてましたけど、それだけ何回も戦える勇気が宮本の一番のセールスポイント。これはどんな世界にも通じると思います。それが宮本浩から皆さんへ伝われば」とコメント。池松は最後に「このドラマが皆さんにとっての応援歌になればうれしいです」と語り、新井も「がんばってください!」とエールを送った。