はちみつロケットが5月5日に東京・ニッポン放送イマジン・スタジオにて「劇団はちロケ プレ公演 ~劇団旗上げワークショップはいばらの道~」を行った。
「劇団はちロケ プレ公演」は演技の知識や経験がほとんどないはちロケの7人がお笑いコンビのラバーガールを講師に迎え、実践を踏まえながら演技について学ぶワークショップ。チケットが即完売したこの日の公演は、メンバーによる影ナレでスタートした。「私以外、本格的な演技経験があるメンバーは、誰もいない」という澪風の言葉に雨宮かのんが「学校の演劇部に入ってるだけでしょ」とツッコミを入れるなど、はちロケらしい茶番を交えつつ、7人は「劇団旗揚げワークショップはいばらの道!」と声を合わせた。
「overture」が流れたあと、はちロケはラバーガールと共に登場。まずはウォーミングアップとして、マイクを通さず肉声で1人ずつ自己紹介をしていくことに。「一番声が大きい自信がある」と意気込んだトップバッターの森青葉に続き、ほかの6人も大きな声で自己紹介を披露。メンバーはラバーガールの飛永翼から自己紹介にひと言加えるように指示され、塚本颯来は「石原さとみさんとよく間違えられます!」、華山志歩は「世界が認める顎美人です!」、雨宮かのんは「好きなラーメンは塩です!」と元気よく発表した。
ウォーミングアップを終えた7人は、1つ目の演技実習「2度見」に挑戦。「3年前に家を出て行った父親と街ですれ違った」という設定のもと、1人ずつ2度見の演技を披露していく。どれだけナチュラルに2度見をできるか、どれだけ設定に入り込むことができるかという2点がポイントとのことだが、人前で演技する緊張からか、どうしてもぎこちない動きになり、棒読みで「お父さん」と呼んでしまうはちロケメンバー。播磨怜奈が「ふー」と深呼吸をしながら歩き始めたり、華山が1歩目で手と足を同時に前に出してしまったりと失敗を繰り返しながらも、彼女たちは徐々にコツを掴んでいった。
この演技実習で意外な実力を発揮したのは、自らを「ノーマル人」と称する公野舞華。ほかのメンバーが及第点に達する2度見をできるようになるまで何度も演技に挑戦するなか、公野は一発で成功させてみせた。彼女は2度見してから「お父さん」と言うまでに絶妙な間を空けることでシリアスな空気感を作り出し、ラバーガールの2人から「すごくナチュラルでよかった」と絶賛された。また雨宮も文句なしの演技を披露。ゆっくりと気だるそうに歩くことでやさぐれた雰囲気を演出し、飛永から「新宿の不良少女感」と言われると、「やさぐれた感じは出そうとしたわけじゃありません(笑)」と説明した。
2つ目の演技実習では、メンバーがペアを組んでラバーガールのコント「ホテル」にチャレンジすることに。まずは練習として、公野、森コンビと澪風、塚本コンビが台本を読みながらステージの中央でコントを披露。公野、森コンビは森の少し怒っているようなツッコミ、澪風、塚本コンビは塚本のアメリカンコメディふうの口調でそれぞれ個性を発揮した。本番では播磨、華山コンビがトップバッターを担当。なぜか司会者台のあるステージ上手でコントを始めた2人は、「マイケル・ターナーフィールド様」というホテルの予約者名を「ロング・ロング・アゴー様」に変えるなど、オリジナリティあふれるボケを披露した。途中、台詞が飛んでしまい「ちょっと(台詞が)降りてきませんねー」と言った播磨に、華山が「今日は激混みですもんね!」とフォローを入れたり、2人でアドリブでトークを展開して咄嗟の判断力も見せた。
続く公野、森コンビは公野が考えた台本のもとコントを披露。冒頭から「いらっしゃいませ、ご主人様」「いらっしゃいませー、店内50%オフになっておりまーす」といったボケを連発した。さらに2人は予約者名を「イエッタイガーファイボワイパー様」に変えたり、ホテルの宿泊条件の説明時に公野がセクシーポーズを決めながら「私と同じお部屋になります」と言うなど次々とボケを繰り出したほか、同じボケを忘れた頃に繰り返す“天丼”を決めてみせた。3組目の澪風、塚本コンビは本家のラバーガールのコントに忠実に沿いながらも、塚本の大げさなしゃべり方とリアクション、澪風の“できる女感”のあるキャラクターで観客の笑いを誘う。雨宮はラバーガールの大水洋介とコンビを組んでコントに挑戦し、困惑した面持ちを見せつつも、大水によるアドリブのボケにしっかりとツッコミで対応。「フロントの隣のここで寝てください」というボケに対する「扱い!」というツッコミには、大水も絶賛の声を上げた。
すべての演技実習を終え、森は「お笑い芸人さんの頭の中は回転寿司みたいになってるんですね」とコメント。華山は「これからもバシバシ指導してください」と話し、塚本は「2度見のアドバイスは積極的に使っていきたいです」と感想を述べた。そして最後に森が「本当の劇団はちロケはCD発売と同じ夏くらいにできたらいいなと思ってるので」と「劇団はちロケ」の本公演の開催を匂わせ、イベントを締めくくった。
終演後コメント
公野舞華
2度見の演技は、もしこれがドラマだったらどこからカメラで撮られるのかな~とかを頭の中で考えながらやりました。
播磨怜奈
緊張してセリフが飛んでも、飛んだってお客さんに思わせないようにしなきゃダメだなって。悔しいです~。
澪風
“できる女感”あるキャラは1回やってみたかったので、できてうれしかったです。間の使い方とか言葉のテンポとか、本当に勉強になりました。
森青葉
コントをやってみて、やっぱり自分はツッコミに向いてるなって改めて思いましたね(笑)。ボケは絶対できない!
塚本颯来
どうも最近みんな、私が石原さとみさんに似てないって気付き始めてきてるんですよ……(泣)。コントは、既存のものに自分の色を足すっていうのがすごく難しかったです。
雨宮かのん
アドリブって言われたときは「え!?」ってなりました(笑)。でも覚えてたセリフが緊張で飛んじゃう心配がなかったから、それが逆によかったのかなって。
華山志歩
はちロケって普段笑いを取りにいきがちだけど、演技はボケなしでちゃんとやらなきゃいけないから、劇団はちロケで私たちの二面性を見せられたらいいなって思います。