8月10日に東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEにてShout it Outのラストツアー「嗚呼美しき僕らの日々」の最終公演が実施された。
7月にミニアルバム「また今夜も眠れない僕らは」をリリースし、本ツアーをもってバンドの解散を発表していたShout it Out。この日のライブにはバンドの最後の勇姿を見届けに満員のオーディエンスが詰めかけ、会場内は開演前から熱気に満ちていた。
定刻を迎え、サポートメンバーの鈴木陸生(G / ex. 赤色のグリッター)と谷川将太朗(B / Rocket of the Bulldogs)を含む4人がステージに姿を現すと前方に観客が殺到し、フロアは波打つように大きく揺れる。ステージ中央で向かい合って気合いを入れた4人は「道を行け」でラストライブの口火を切った。山内翔馬(Vo, G)が1曲目から荒々しいギターサウンドと力強い歌声を響かせると、それに応えるかのようにフロアには多数の拳が突き上がる。細川千弘(Dr)のダイナミックなドラミングに合わせて手拍子が上がった「17歳」や、山内のボーカルに細川が声を重ねた「あなたと、」など、4人は緊張感に満ちたステージで一心不乱に楽曲を届けていった。
最初のMCで「大阪堺からShout it Outです」とぶっきらぼうに挨拶をした山内は「今年は平成最後の夏と言うことで、神様も粋なことをするなと思いました」と語り、すぐさまライブを再開。このブロックでは「青」「風を待っている」といったインディーズ時代の楽曲から、「さよならBABY BLUE」など最新作「また今夜も眠れない僕らは」の収録曲まで、バンドの歩みを振り返るような楽曲が次々と披露されていった。2人の脇を固めていたサポートメンバーの鈴木と谷川も徐々にボルテージを上げていき、山内と共にステージ上を激しく動き回るパフォーマンスでフロアを熱狂させていく。
中盤のMCで細川は「チューニングしないし、曲書かねえし、運転もしないし」と相方の山内に向けて悪態をつきながらも「大嫌いだけど、コイツと友達でいてよかったと思っています。コイツとバンドやってるメンバーは俺しかいないから。俺はすごく誇りに思ってます。コイツとバンドやっててよかった」と自身の心の内を明かした。山内は笑みを浮かべながらも特に反論も同意もせず、「2年前ぐらいに友達に向けて書いた曲を、2年前とはまったく違う気持ちで歌います」と口にし「これからのこと」を歌い始めた。ここまでの荒々しいパフォーマンスから一転し、「これからのこと」「ギターと月と缶コーヒー」の2曲では山内がじっくりと熱のこもった歌声を響かせ、オーディエンスを魅了した。「また今夜も眠れない僕らは」の演奏前には山内が「俺はいつだって一人だったよ」と独白。彼がフロアを指差しながら「一人のヤツらがこれだけ集まったら大丈夫や。一緒に朝を待とう」と語ると、フロアからはそれに同意するかのように多数の拳が上がった。
「大丈夫。俺らの日々はこれからも美しい」と口にした山内は、ギターを下ろしハンドマイクで本編最後の曲「青春のすべて」を熱唱。最後にはマイクを放り投げ、叫び声を上げながらフロアにダイブし、ファンに支えられながら「青春のすべて」を出し切るように歌いきった。
ファンの声に応えてライブはアンコールに突入。山内は「これが最後の“とどめ”や」と口にし、「鳴り止まない」を演奏した。曲中、山内がマイクから離れるとフロアからは自然とシンガロングが上がる。アウトロで「さらば僕たちの美しき日々」と言い残した山内は1人ステージをあとにした。残された3人は向かい合って最後まで音を鳴らし、細川はフロアに向けてピースサインを掲げ、ステージを去った。
ライブの興奮が冷めやらぬ中、フロアからアンコールを求める声が上がり、それは次第にファンたちによる「鳴り止まない」の合唱へと変わっていく。会場内に「鳴り止まない」がこだまする中、Shout it Outのラストライブは幕を閉じた。
Shout it Out「嗚呼美しき僕らの日々」2018年8月10日 渋谷duo MUSIC EXCHANGE セットリスト
01. 道を行け
02. 17歳
03. 青年の主張
04. あなたと、
05. 青
06. 風を待っている
07. 夜間飛行
08. 髪を切って
09. 花になる
10. さよならBABY BLUE
11. これからのこと
12. ギターと月と缶コーヒー
13. 灯火
14. 一から
15. また今夜も眠れない僕らは
16. アフタースクール
17. そのまま
18. 光の唄
19. 青春のすべて
<アンコール>
20. 鳴り止まない