映画「ハナレイ・ベイ」の公開記念舞台挨拶が本日10月20日に東京・新宿ピカデリーで行われ、キャストの吉田羊、佐野玲於(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、村上虹郎、監督の松永大司が登壇した。
村上春樹の同名小説をもとにした本作は、一人息子が命を落とした場所であるハワイのハナレイ・ベイに10年間通い続けるシングルマザー・サチを主人公とした作品。サチを吉田、サメに襲われて死んだ息子・タカシを佐野、サチがハワイで出会う日本人サーファー・高橋を村上が演じている。
佐野はイベントの冒頭で「すごく素敵な作品、スタッフさん、キャストさんと出会えました。あと自分ができることは、この映画を少しでも多くの方々に届けることだなと思います」とコメント。撮影のひと月ほど前から、サーフィンの練習のため千葉に通ったという彼は「朝4時、5時に家を出て、千葉で2時間くらい練習して仕事に戻るという生活をしてました。サーフィンは未経験だったんですが、自然を相手にするスポーツの魅力と難しさを感じましたね」と振り返った。彼は「サチみたいな人は、世の中にたくさんいらっしゃると思います。息子ではなくても、友人が亡くなってしまってもう会えないとか……自分にもそういう人はいる。そういう人にとってこの映画が、一歩踏み出せるような映画になっていたら、誰かを救える気がする」と映画に込めた思いを明かす。本作をEXILE HIROから絶賛されたとのことで、「うれしかった。僕よりも遥かに人生経験をされている方なので、そういった方にも『感じるものがある』と言ってもらえると、届いているなという感じがします」と感慨深げに語った。
イベントでは、佐野が吉田のために撮影地で内緒で購入していたプレゼントを手渡す場面も。スクリーンには、佐野がプレゼントを選ぶ様子を映した1分ほどのVTRが流され、何も知らされていなかった吉田は「GENERATIONSのグッズだったらどうしよう」と笑いながら封を切った。プレゼントは吉田の誕生石であるアメジスト。吉田は「私、石大好きなんです!」と感激の表情を浮かべ、佐野は「羊さんを救う、お守り的なアイテムになればいいなと思って」と照れ笑いを浮かべた。
最後に主演を務めた吉田が「私にとってターニングポイントになったこの作品を佐野くんも虹郎くんも同じように大切に思ってくださっているのが今伝わってきて、本当にいいチームで作品を作れたなと感謝しています。この映画は『これが答えです』と提示する映画ではありません。中には難しくてわからなかったという人もいるかもしれません。それでも自分の感性を否定せず、不正解なんて思わないでほしい。観た直後に感じなくても、明日、1年後、いつかこの映画がジワジワと皆様の人生に染み出してもらえたら」と述べ、舞台挨拶を締めくくった。