CRCK/LCKSが3月12日に東京・WWW Xで「CRCK/LCKS 3rdEP『Double Rift』リリースツアーファイナル」の振替公演を開催。ものんくるをゲストに迎え、2組でライブを行った。
このライブはもともと、CRCK/LCKSが昨年7月に発表したCD「Double Rift」のリリースツアーの最終公演として、9月30日に同会場で行われる予定だったもの。しかし当日、台風24号の接近により公共交通機関の運休が発表され、残念ながらライブを行うことはできなくなってしまった。今回行われたのはその振替公演で、半年前の無念を晴らすべく集まったファンで会場は満員になった。
ものんくるはこの日、ermhoi(PC,Cho)をサポートメンバーに加えた新編成でステージに登場。「夕立」でライブを開始させたのち、吉田沙良(Vo)は「忘れもしない2018年9月30日、CRCK/LCKSのツアーファイナルに向かう車の中で公演延期を知りました。でも落ち込む間もなく1時間後には振替の日程が決まって、今日この日があります。9月にやる予定だったものを超えたライブができる気しかしないです」と意気込みを語った。
その後も彼女たちは、別の星から来て地球人になりすましている女子を歌った新曲「異星人」や、ポルノグラフィティのカバー「アポロ」などをパフォーマンス。各メンバーのスキルとセンスに裏打ちされた、艶やかでジャジーなバンドサウンドに乗せて、吉田はパワフルで存在感のある歌声を響かせた。終盤には「優しさを重ねること」「RELOADING CITY」とダンサブルなナンバーを連発。グルーヴィなビートと吉田の楽しげな歌が会場をハッピーな空気に変え、続くCRCK/LCKSへとバトンを渡した。
その後会場が暗転し、発光する衣装を着た小田朋美(Vo,Key)がアカペラで「傀儡」を歌い始め、いよいよCRCK/LCKSのライブがスタート。メンバーそれぞれの演奏を複雑に絡み合わせながらポップに聴かせる「窓」で、ここから先のライブへの期待感を煽った。「Goodbye Girl」では目まぐるしく変わる展開に合わせて、小西遼(Sax, Vocoder, Key, etc)がボコーダーやサックス、フルートを次々に持ち替えて演奏。曲が終わって観客が拍手をすると、小西は「皆さんの歓声や拍手なども音楽の一部です」と言ってその拍手のリズムを3.5拍子に変え、観客が刻むビートに乗せて次なる曲「パパパ」に突入した。
中盤の「スカル」以降はメンバーの後方のスクリーンにVJによる映像も上映され、その映像は妖しいライトを浴びながらメンバーが奏でる混沌としたセッションとリンク。さらに「zero」「Shower」といった楽曲をクールにパフォーマンスした。一転して彼らは「OK」を皮切りにポップチューンを連発し、ライブはいよいよ終盤戦に。小西は「楽しかったな。またやりてえな」、小田は「どうしよう、まだ終わりたくないよ」とそれぞれ名残惜しそうにつぶやきつつ、「No Goodbye」でライブ本編を終えた。
アンコールでは、スクリーンに歌詞を投影しながら小田が感情を込めて「病室でハミング」を熱唱。そのまま新曲「Searchlight」に突入し、バンドの新機軸を感じさせるサウンドにオーディエンスはじっと聴き入っていた。曲が終わると小西は、この「Searchlight」が当日深夜にサブスクリプションサービスで配信リリースされることを告知。「今日公開するために2月に死ぬほどがんばったので、公開されることを祝ってください」と言って笑った。最後に彼らは、元メンバーであるものんくるの角田隆太(B)がCRCK/LCKS在籍時に書いた「クラックラックスのテーマ」を披露。台風によりファイナルを迎えられなかったツアーを半年越しで終幕させた。
「CRCK/LCKS 3rdEP『Double Rift』リリースツアーファイナル」2019年3月12日 WWW X セットリスト
ものんくる
01. 夕立
02. ここにしかないって言って
03. 異星人
04. 何度でも繰り返し夢見る
05. アポロ
06. 優しさを重ねること
07. RELOADING CITY
CRCK/LCKS
01. 傀儡
02. 窓
03. Goodbye Girl
04. パパパ
05. Get Lighter
06. たとえ・ばさ
07. いらない
08. スカル
09. すきなひと
10. zero
11. Shower
12. OK
13. エメラルド
14. 簡単な気持ち
15. No Goodbye
<アンコール>
16. 病室でハミング
17. Searchlight
18. クラックラックスのテーマ