本日1月7日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われた映画「名も無き世界のエンドロール」の完成報告会見にキャストの岩田剛典(EXILE、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)、新田真剣佑、山田杏奈、中村アン、監督の佐藤祐市が登壇した。
「名も無き世界のエンドロール」は文学賞「第25回小説すばる新人賞」を受賞した行成薫の同名小説を実写化したサスペンス作品。何よりも強い絆で結ばれた幼なじみのキダとマコトが10年もの歳月をかけて表と裏それぞれの社会でのし上がり、住む世界の違うある女性に近付いてプロポーズをしようとする様が描かれる。その行動は日本中を巻き込む壮大な計画であり、映画のラスト20分に観客の心を奪うような展開が用意されているという。岩田は穏やかで優しい性格でありながら裏社会に身を置き、いくつもの危ない橋を淡々と渡っていく交渉屋・キダを、新田はキダの力を借りながら会社経営者となり、頭脳と情熱で表社会をのし上がっていくマコトを、山田は2人と同じ境遇の転校生で、20歳のときに突然いなくなってしまうヨッチを、中村は政治家令嬢でトップモデルのリサを演じる。
会見では5人がYouTubeで同時開催された生配信の視聴者に向けて挨拶したのち、映画の撮影を振り返る。岩田は「大人の時期と学生の時期を大きく演じ分けないといけないキャラクターだったので、そこのコントラストを意識して現場に入りました。最初、幼なじみ3人での学生のシーンは一番年上として考えすぎていた部分があったんですけど、現場には入ったらすんなり違和感なく幼なじみの関係値を築くことができました」と語り、「初日から和気あいあいとしていましたね。最初の撮影がカラオケボックスのシーンだったんですけど、その日に連絡先も交換して」と幼なじみを演じた3人の関係についてコメント。新田も「この物語は10年前と現在を描いていて、10年前のシーンが明るいほどラスト20分が生きてくるので、幼なじみ3人が楽しく生活しているシーンは観ている方も笑顔になってもらえればと思って演じました」と続いた。
2017年の「第40回 日本アカデミー賞」の発表の場で面識があったものの、今回初共演となった岩田と新田。司会者からお互いの印象を聞かれると、岩田は「メディアで見るイメージそのまま明るくて天真爛漫で。撮影が終わる頃には兄弟のような関係になれたと思います」と返答する。新田は「クランクインして間もない頃に『すみません、岩ちゃんと呼んでもいいですか』と聞いて、それ以降ずっと岩ちゃんと呼ばせていただいてます」と話したほか、「杏ちゃんは撮影時18歳で、それぞれ年の差があるんですけど、前からずっと知り合いだったような雰囲気が出ていましたね」と山田についても言及。この流れを受け、山田は「私だけ幼くならないようにできるかなと思っていたんですけど、お芝居に入ったら2人がどんどん引っ張ってくださったので、ヨッチとしてすごく楽しみながら3人の幸せな時間を過ごすことができました」と笑顔で語り、佐藤監督は「最初から岩ちゃんがいい兄貴としていてくれたので、僕は役者さんの関係性よりもストーリーをどうお客さんに伝えればいいのかということに集中できました」とキャストを褒め称えた。
またラスト20分の展開について話題が及ぶと、中村が「最初に脚本を読ませていただいたときは不安だったんですけど、監督が『大丈夫』と言ってくださって。最後の撮影場所の神戸に行くときはすごくドキドキしたんですが、真剣佑くんとぶつかり合うところは壮絶な2日間だった記憶があります」と撮影を回顧。生配信の視聴者の映画に対する期待を高めた。
その後、キャストの4人は新年の抱負を1人ずつ順番に語り始める。中村は「ピアノを継続する」、山田は「運動好きになる」という抱負をそれぞれ掲げ、新田は「今年を笑顔で終えるために、目の前の仕事1つひとつをがんばる」という意味を込めて「笑顔」という2文字を発表。岩田はスクリーンに映し出された「復活」の文字をバックに、「自分はグループもやらせていただいてるので、去年はライブイベントだったり、お客さんと同じ空間で届けられるエンタテインメントを100%発信できる年ではなくて。今の状況で復活と言うのも気が早いかもしれませんが、今年1年が終わる頃にはエンタメに復活してもらいたいし、映画館も復活してもらいたいです」と力強い言葉を述べた。
会見の途中では岩田と新田が明日1月8日に20歳になる山田のバースデーを祝福。ステージ上に運び込まれたバースデーフラワーを前に驚きと喜びの表情を浮かべる山田に、岩田は「20歳を特別な年にしてもらいたいです」、新田は「いろんなことに挑戦して、失敗を恐れずにがんばってください」とそれぞれエールを送った。そして最後に岩田は「この映画はサスペンスな部分をウリにしている作品ではありますが、自分としては究極の純愛モノでもあり、命の尊さや思いを伝えるしっかりテーマのある作品だと感じています。ヨッチが言う『1日あれば世界が変わるんだよ』というセリフがあるんですけど、たった1つの出来事で人はこんなに変わってしまうんだということを描いた作品でもありますし、そんな中でどんなことがあっても絶対に変わらない友情というものも表現されています」と挨拶。映画に込められた思いをアピールして会見を締めくくった。