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マイベストトラック2020 Vol.4 ラッパー編

上段左からDaoko、鎮座DOPENESS、dodo、下段左からvalknee、ralph、Rachel(chelmico)。
4年以上前2021年01月28日 11:04

2021年の幕開けに合わせて音楽ナタリーでは、さまざまなアーティストに「2020年にもっとも愛聴した3曲」を聞くアンケート企画を実施。回答者のジャンルごとに分けた全9本の記事を毎日更新していく。今回は「ラッパー編」として、Daoko、鎮座DOPENESS、dodo、valknee、ralph、Rachel(chelmico)(50音順)が選んだ2020年の3曲を紹介する。

構成 / 三浦良純

Daoko

太田裕美「木綿のハンカチーフ」

rei harakami「joy」

Aphex Twin「Flim」

2020にリリースされた楽曲をあまり2020に聴いてなかったでした。ごめんなさい!

・太田裕美「木綿のハンカチーフ」

筒美京平さんの特集番組をテレビで観て、制作秘話を知り改めて素晴らしい楽曲だなと思い筒美京平さんの手がけた楽曲たちを聴き返した中で、一番繰り返し聴いたのがこの曲。カラオケに行けるご時世になったら歌いたい! そしてギターで弾き語りできるように練習中です。

・rei harakami「joy」

環境が変わって心がザワザワとする日常の中で凪いでいる海のような安心感を与えてくれたレイハラカミさんの音楽。特に「lust」は本を読むときや考え事をするとき、絵を描くときに愛聴しました。言葉でのメッセージではない優しく寄り添うようなサウンドが、去年はちょうどよくて本当に助けられました。

・Aphex Twin「Flim」

12月に何故なのかAphex Twinに再ハマりし、ずっと聴いてました。ドラムンベースとかブレイクビーツとか、余白のない畳みかけるようなビートってすごい心穏やかになるんですよね。なんというか、マッサージのような……。エイフェックス・ツイン・テラピーでなんとか年を越すことができました。AFX名義のアルバムもよく聴きました。

プロフィール

Daoko(ダヲコ)

1997年生まれ、東京都出身のアーティスト。ニコニコ動画へ投稿した楽曲で注目を集め、2015年に「DAOKO」でメジャーデビュー。その後も米津玄師との「打上花火」、岡村靖幸との「ステップアップLOVE」など、実力派アーティストとの共作を行いつつ、ソロとしての個性も強めている。小説の執筆、写真と絵の個展の開催、新たなバンド形式でのツアーを成功させるなど、多様なクリエイティブ表現を続け、国内外で注目されている。2019年に個人事務所“てふてふ”を設立。2020年に4thアルバム「anima」を発表した。

DAOKO.JP | DAOKO OFFICIAL SITE
Daoko (@Daok0) | Twitter
Daoko(@daoko_official) | Instagram

鎮座DOPENESS

Atom Heart「Purple Dust」

Ty Dolla $ign「Tyrone 2021 (feat. Big Sean)」

Billie Eilish「my future」

2020年にリリースされたもので、愛聴した楽曲を教えてくれ!
という依頼を受けてのコチラ3曲でございます。

・Atom Heart「Purple Dust」

1曲目はAtom Heart先生による
BEAT TAPE ALBUMなのかな?
シンセの音色とビートの質感が
非常にクセになります! カワイイ。

・Ty Dolla $ign「Tyrone 2021 (feat. Big Sean)」

2曲目はTy Dolla $ign先生のNEW ALBUMから
Erykah Badu先生のLIVE ALBUMの名曲をsamplingした楽曲!
シックでタイト! アメイジング! すてき。

・Billie Eilish「my future」

3曲目はBillie Eilishさんのsingle!
僕はこの楽曲でBillie Eilishさん
を好きになってしまいました……
vocalの儚く華麗SEXYそこに差し込まれるbeat
雰囲気ありすぎです! だいすき。

プロフィール

鎮座DOPENESS(チンザドープネス)

1981年生まれ、東京出身のラッパー。2004年より活動を開始し、独特な声質と巧みなスキルを駆使したラップでフリースタイルMCバトルのシーンから頭角を現す。ZEN-LA-ROCK、G.RINAとともにユニット・FNCYのメンバーとしても活躍中。

DOPENESS TIME (@DOPENESS_TIME) | Twitter
YANOYA - YouTube

dodo

Money Man「Director」

Fivio Foreign「Trust」

Toosii「What Go Around」

・Money Man「Director」

dodo hiphopアワード2020年の最優秀賞はこの曲です。
hiphopはトラックメイカーとラッパーとのコンビネーションによってその曲の良し悪しが決まります。
このトラックは、間違いなく2020年最先端のトラックだと言って過言ではありません。
楽器編成から見ると、ピアノ、サックス、オルガン、エレキギター、ドラムサンプル、我こそがアメリカ黒人音楽の体現者だ、と言わんばかりの編成にまず身震いが止まりません。
ピアノでコードを保ちながらそこに前後するサックスとエレキのソロ、追いかけるようなピアノの高音のリフ、セクシーな拍のずらしから、エロすぎるシンバル、オルガンのアイデンティティ爆発チョップからの盛り上げから一歩引いての808キック。
prod明記のNflatedはアトランタ住まい黒人青年男性。インターネット情報がほぼ皆無で、Money Man「24 (feat. Lil Baby)」のprodでもある。
SethGetOffTheFieldはホノルル住まいの白人ヒスパニックアジア系(私からは、判別つきません)の成人男性だ(YouTubeで自身のMVも出している)。
彼らがいかに出会ったのかは不明であるが、Money Manのタイプビートをネットに上げているMoney Man大好きプロデューサーたちは、いずれもかなりのスキルの持ち主が多い。
ただここで1つ疑問が生じる。
"彼らが、すべてをMIDIまたは、自身由来の音源から精製しているのか?"
疑いたくなるぐらい音楽的品質が非常に高い。
一部にループ素材があったとしても、このまとめ方は神がかりです。
天才的なセンスの持ち主の証明として認められます。
あなたたちが、dodoちゃんグラミーhiphop部門最優秀賞です。
ただこのトラックをいかに作ろうとも、彼なしではこの曲は豚に真珠。
そう、Money Manだ。彼のフロウなしではこの曲は成立はしない。
彼のフロウがある種ハイハットのように中心で刻んでいるため、その他の楽器のソロが映える。
ここにもう少し間を開けるYGのようなフロウで入れ込むとこの曲は破綻すると思う。
彼のライミングを心がけて拍を刻むフロウもグルーヴに多大な一体感を与えている。
Money Manは2020年最高峰のフロウを駆使するアーティストであることをここに記する。
2020年私が最も聴いたこの曲は、メインストリームと大きく外れてはいるが、商業化されていない黒人社会でのメインストリームだったことは確実なことだと、1人トイレで妄想を膨らませる。
prod, rapper全員で勝ち取ったこの賞本当におめでとうございます。
僕もがんばります。

・Fivio Foreign「Trust」

dodoFNT最優秀MV賞はこちらの作品
2020 XXL Freshmanにも選出されたFivio Foreignのこの作品は、Young Thugと共に彼のキャリアを確実なものにしたBe EL Beとの作品を思い出してしまう。
似てはいないが、ギャンギャンバイブス満載でありながら完全にカッコいい。日本的に形容するならストリートジャニーズアイドル作品である。
この映像は、JLshotThatが監督をしている。
MVの1番の要素と言っていいカメラの選出で、彼はかなりのプロフェッショナルな知識を持ち合わせていることが伺い知れる。
クリアでありながら、シネマでありバランスの取れた色彩豊かなカットは、老若男女から愛されること間違いなし。
Fivioはとてもセクシーであり、カッコいい。
そう思ってしまうほどよくメインの人物を撮れている。
実際彼は背も高く容姿端麗であるが素材のよさをかなり引き出したこの作品に2020年もたくさんのビッグネームと名前を並べたAXL BEATSが唯一無二なオリジナルティをぶちかます。Fivioのハンドジェスチャーも非常に点数が高い。0:57のジェスチャーは、2020年dodoベストジェスチャー賞を受賞した。
左右の前後に手を出しカットするような動きは今まで見たことがない。
皆注意深く鑑賞することをお勧めする。
dodoと同じ年のKing Vonもいいカットで出演しているのでぜひ視聴をオススメする。

・Toosii「What Go Around」

2020年知れてよかった今後もさらに大きくなるで賞受賞はこちらのアーティスト。
Toosiiは、ニューヨーク州のシラキュースという街出身の20歳の青年である。
ニューヨークの北西に位置しておりその町の北西には大きなオンタリオ湖、その湖を北西に渡るとカナダのトロントにたどり着くというnorth westラインが形成される。
彼のスタイルは、シンギングに近くTory Lanezに近いものを感じるがよりアメリカを感じる気がする。Toryもトロント出身である。身体的特徴もよく似ている。
間の取り方、フロウのピッチ感もくどくなく音楽的に完成度の高いさわやかな聴き心地と抜群のトラッククオリティで安心のリスニングができる。
音楽的にも地理的にもその中間に位置しており今後のさらなる活躍を楽しみにしておりマウス。

プロフィール

dodo(ドド)

神奈川県川崎市中原区在住のラッパー。「高校生RAP選手権」出場をきっかけに活動を本格化させたあと、一時期活動を休止するも2017年から活動を再開する。2019年に1stアルバム「importance」をリリースし、初のワンマンライブ「ひんしの会」も開催。同年夏には野外音楽フェス「FUJI ROCK FESTIVAL '19」にも出場し、1カ月に1曲のペースで新曲をリリースしていく中で「im」や「nothin」などがヒットし、より多くの人に知られるようになった。2020年7月に2ndアルバム「normal」をリリース。

dodo 公式info (@SheisFNT) | Twitter
dodo “fnt”pokimonisforever(@dodo_fnt_pokimonisforever) | Instagram
dodo in da 10goqstudio - YouTube

valknee

Poppy「Concrete」

Lil Soft Tennis & rirugiliyangugili「Serve!」

Yokai Jaki「ボケ死ね」

「みんなで暴れる」ができない1年でなんとなく気が塞ぎ、懐かしいものに気持ちが行くことが多かったです。高校生のときに好きだったロックの要素、メロコア、グランジ、メタル、ミクスチャーetc……1周回って戻ってきたトレンドにまんまとハマっています。一昨年あたりから爪を黒にして銀のチェーンを身に着けたりしているんですがそんな気分にぴったりです。
去年リリースされたPoppyの作品は、刺激と「知っているかんじ」で得られる安心感が同時に得られて高まります。Lil Soft Tennis & rirugiliyangugiliはオルタナ×ヒップホップで、EP全編がお気に入りです。こちらも、ティーンが熱狂しているフロアの端でOver30が号泣しているようなイメージ。
ラッパーのYokai jakiは2020後半にリピートしていたのですが、たまらない。聴くだけでストレスが軽減されます。彼が自分の代わりに暴れてくれている、とまで感じます。実験的で荒さがあり、音楽はこうでなくてはと思います。過程を見るのが好きな人がいれば真っ先にチェックしてサポートしてほしいです。ジャケは怖くて直視できません。

プロフィール

valknee(バルニー)

東京を拠点に活動するラッパー。韓国在住経験を生かし韓国語と日本語を混ぜながら、強い自己愛や不満、ときに恋バナをラップする。2020年5月にリリースしたシングル「Zoom」でヒップホップファンのみならず幅広い人々から注目を浴び、同曲に参加したメンバーと共にギャルサー・Zoomgalsを結成。同年9月に3rd EP「Diary」をリリースした。ヒップホップアイドルユニット・lyrical schoolへの歌詞提供なども行い、活動の幅を広げている。

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valknee - YouTube
valknee (@valknee) | Instagram

ralph

Filthy Gears「Step Up Two(feat. Wiley)」

Denzel Curry + Kenny Beats「Take_it_Back_v2」

KOHH「シアワセ(worst)」

・Filthy Gears「Step Up Two(feat. Wiley)」

カッコイイ

・Denzel Curry + Kenny Beats「Take_it_Back_v2」

イイ

・KOHH「シアワセ(worst)」

泣ける

プロフィール

ralph(ラルフ)

2017年にSoundCloudで発表した「斜に構える」で注目を浴びたことをきっかけに、アーティスト活動を開始したラッパー。2020年2月リリースのシングル「Selfish」はSpotifyで「JapanViral 50」のプレイリストにランクインし、同年6月にMURVSAKIや荘子itなどを迎えた2nd EP「BLACK BANDANA」をリリース。また同年10月にはオーディション番組「ラップスタア誕生」で4代目王者となった。

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Rachel(chelmico)

valknee「偽バレンシアガ」

Disclosure, Amine, slowthai「My high」

ralph「Back Seat」

・valknee「偽バレンシアガ」

今、特定のラッパーのファンだと公言するべきならば、私は確実にvalknee(c)のファンである。新型コロナウイルスの流行さえなければ私は最前全被せ合唱女と化していたことでしょう。怖いね。ともあれ、この「偽バレンシアガ」はヘビロテ。記名性バッチリ、べっとりついたvalknee印にウットリの1曲。でも恥ずかしくて本人のTwitterはフォローしてないよ。怖いね。

・Disclosure, Amine, slowthai「My high」

子供の頃、羽ばたいている鳥を見ているときに、マネをして自分の腕をバタバタと動かしたことがある。この曲のslowthaiのバースはそんな感じ。目を細め、見上げてしまうばかりである。こんなふうにラップができたら気持ちよさそうだなあってさ……。

・ralph「Back Seat」

(これから汚い言葉を使います)クソカッコいい。以上。

プロフィール

Rachel(レイチェル)

2014年にMamikoとラップユニット・chelmicoを結成し、2018年ワーナーミュージック・ジャパンのunBORDEよりメジャーデビューする。2020年1月配信のテレビアニメ「映像研には手を出すな!」のオープニングテーマ「Easy Breezy」を皮切りに2月に「Limit」、3月に「Terminal 着、即 Dance」と新曲を3カ月連続で配信リリース。それらの作品を含む全13曲を収録した3rdアルバム「maze」を同年8月に発売した。

chelmico official site | チェルミコのオフィシャルサイト
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Rachel (@ohayoumadayarou) | Instagram

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