MIGMA SHELTERのブラジルの生誕レイヴ「胎児の夢」が10月2日に東京・TSUTAYA O-EASTで開催された。
ブラジルが9月10日に誕生日を迎えたことを記念して行われた本公演。会場のTSUTAYA O-EASTは大幅なリニューアルが行われたばかりで、ステージ後方には巨大な618inchのLEDビジョンが実装されている。今回のレイヴでは、これを駆使したhuezチームの空間演出も大きな見どころとなった。開演時間を迎えると黒いタイトな衣装のブラジルが登場。MIGMA SHELTERの生誕レイヴではソロコーナーが恒例企画となっており、ブラジルはMIGMA SHELTERと競演の機会も多い我儘ラキアの楽曲「Days」や、ブラジルの亡くなった友人が作った曲だという、バンド・Eversolitudeの楽曲「Nefertiti」のカバーを披露し、ファンは彼女の担当カラーである黄色いサイリウムを振って盛り上がった。
激しくエモーショナルなロックナンバーで普段とは異なる表情を見せたあと、「みんなー、会いたかった」と話し始めたかと思えば、緊張とうれしさのあまり「うひーん」と泣き出してしまうブラジル。「まだ始まったばかりなのに、大丈夫かな。ありがとうみんな、うひひーん」と涙が止まらない彼女を前にしてフロアには笑いがあふれる。MC後、ブラジルはMIGMA SHELTERと同じくAqbiRecに所属するNILKLYの楽曲「REM」をこの日のために用意されたオリジナルの振り付けで披露。間奏パートで艶かしい女性の声が流れ、観客を俯かせる同曲だが、この日はこの声がユブネの喘ぎ声に差し替えられており、クールに踊っていたブラジルも「あはーん、ブちゃーん」というユブネの声に気付くと、笑いがこぼれてしまっていた。
ソロパフォーマンスを終え、ブラジルが退場すると、カメラが彼女を追いかけていき、LEDビジョンには楽屋で合流したブラジルがメンバーたちと生誕ムードで盛り上がる様子が映し出された。この楽屋中継は「ファンが退屈しないように」とブラジルが提案したもの。ブラジルが着替える間に、ほかの5人はソロコーナーの感想を語り合い、ブラジルの準備が整うと、円陣を組んだ6人は「ガンギまっていきまっしょい!」という掛け声からステージに登場した。そして、レイヴはクリスマスがテーマのインスト曲「HMX」と観客の意表を突く選曲でスタート。ハッピーなサウンドで元気に踊った6人は、ループするトラックに乗って1人ずつ自己紹介し、ほかのメンバーに「いい女だよ」と撫でられたブラジルは恥ずかしそうに笑う。そこへピアノの旋律が響くと、ブラジルのソロパートが印象的な「NAME」が始まり、続けて現体制のテーマ曲とも言える「TOKYO SQUARE」へ。息の合ったフォーメーションダンスにLEDビジョンのVJ映像が合わさり、観客を高揚させた。
「TOKYO SQUARE」のアウトロに、ひさびさの披露となる「Mo' Strain」のイントロが重なると、ファンは拳を突き上げて歓喜。会場に熱気があふれる中、6人はロック系トランス「BANG ON」、攻撃的なシンセの「Paralyzing」、ホラーミュージカルを連想させる「Baron」、美しいコーラスの「Unbirthday」を畳みかけるように披露していく。ハードロックテイストの「69」では、センターに構えたレーレのエネルギッシュなダンスがファンの視線を釘付けに。メンバーがブラジルを囲んで笑顔で抱き合う中、「Egg Head」が始まると、場内には心地いい一体感が生まれた。
そこから一転して、妖しいジャズピアノが印象的な「Drops」ではタマネとナーナナラが「不思議の国のアリス」を思わせる歌唱とダンスを展開。これもひさびさとなる初期曲「Deeper」やバラード系トランス「It doesn't matter」で一旦チルアウトさせたあと、6人は「Cosmic Forest」で再びフロアを揺らし始める。ミミミユが激しいソロダンスを繰り広げる「Compression: Free」から「QUEEN」「Road」と攻撃的なナンバーが続き、初期からのアンセム「Joint」でレイヴの盛り上がりは最高潮に。ラテン系トランス「Coro Da Noite」でフィニッシュかと思いきや、行進ダンスが愉快な「Y」が続けて披露され、目まぐるしく展開する壮大なサイケデリックトランス「My Wonderland」でレイヴは締めくくられた。
鳴り止まない拍手の中、メンバーがバースデーソングを歌いながらケーキを持ってくる。「フルーツのタルトが一番好きなのー」とうれしそうにケーキを受け取ったブラジルが「みんな疲れちゃうかなと思って1時間40分にしてあげたんですけど、もっと踊りたかったなー」と率直な思いを口にすると、タマネの提案でアンケートを実施することに。ブラジルが「あと2、30分踊ってもいいよって人?」と呼びかけると、ファンは勢いよく手を挙げた。
記念撮影後、「デカいステージが似合う女になる」と宣言したブラジル。最後の挨拶では、感極まってしゃべれなくなってしまうもミミミユに抱き付いて落ち着きを取り戻すと、「いつも愛と幸せをもらっているので、今日はみんなに幸せになってほしいなって、がんばったんですけど、幸せになってくれましたか?」と語りかけ、盛大な拍手で応えたファンに「みんな本当にありがとう、大好きです」と思いを伝えた。
YouTubeでは本公演の映像が10月16日23:59まで公開されている。また11月7日には東京・Veats Shibuyaでユブネの生誕レイヴ「BIRTH TOWEL」が開催されることも決定した。
MIGMA SHELTER・ブラジル生誕RAVE「胎児の夢」
2021年10月2日 TSUTAYA O-EAST セットリスト
<出演者>
ブラジル
01. Days(オリジナル:我儘ラキア)
02. Nefertiti(オリジナル:Eversolitude)
03. REM(オリジナル:NILKLY)
MIGMA SHELTER
01. HMX
02. NAME
03. TOKYO SQUARE
04. Mo' Strain
05. BANG ON
06. Paralyzing
07, Baron
08. Unbirthday
09. 69
10. Egg Head
11. Drops
12. Deeper
13. It doesn’t matter
14. Cosmic Forest
15. Compression: Free
16, QUEEN
17. Road
18. Joint
19. Coro Da Noite
20. Y
21. My Wonderland