ラッパーのKamuiがアルバム「YC2.5」の制作と、自身初となるワンマンライブを開催するためのクラウドファンディングプロジェクトをCAMPFIREで開始した。
「YC2.5」はKamuiが昨年12月にリリースしたアルバム「YC2」の世界観やストーリーをより明確化し、フィーチャリングアーティストを迎えて制作する作品。ワンマンライブは2022年上旬に東京・WWWでの開催が予定されている。クラウドファンディングのリターンには「YC2.5」のCDやライブのチケットをはじめ、オーディオコメンタリー、アカペラデータ、盟友・Jun InagawaがデザインしたTシャツ・フーディなどが用意されている。クラウドファンディングプロジェクトの期間は1月10日まで。
Kamui コメント
去年の2020年12月に“ヤンデルシティ”という近未来都市を舞台に群像劇を描いた《サイバーパンク》アルバム「YC2」をリリースしました。
ボカロの導入、暴力的なサウンド、コロナ禍で伝えたいメッセージ等自分が持てるだけの精一杯を詰め込みました。
MVにも力を入れ、既存のヒップホップでまだ誰も見たことないような世界を構築しようと励みました。
けれど時間と予算の都合もあり本当に自分の頭の中にあるヴィジョン全てを出せてはいませんでした。
もっと自分の思い描いた物語をより時間をかけて明確化したい。なぜボカロなのか、「疾風」とはなんなのか、
そもそもYC2ってどういう内容だったのかをちゃんと描き、Featを招いて豪華にしたデラックスverを作りたいと思い、制作を開始しました。
日本人のヒップホップの意識を変えるような、世界と勝負できる、
それこそKendrick LamarやTravis Scottに喧嘩を売れる日本語ラッパーになるぞというくらいの勢いです。
しかし、コロナ禍により、今年は音楽を始めてから初めて一度もライブができませんでした。
“世界観”を重視するラッパーにとってライブは自分を知ってもらい、広めるもっとも重要な“交流”であり、収入源です。
制作はおろか家賃も払えずバイトを探し、住居確保給付金を申請しながらギリギリの生活に追われる日々が続きました。
さらにとある事情で「YC2」の配信を取り下げたことでサブスクの収入も激減しました。
でもこれはむしろ内容をパワーアップさせて再び世に出すチャンスだと思いました。というか“開き直り”ました笑
こうなったらどんな手段でも使ってクソ分厚いゲートを突破するしかない。ネガをポジに変え、いま自分が置かれている現状を打破するために、
夢を実現するために「YC2.5」をみんなと完成させ、さらに念願だったワンマンライブ(渋谷WWW)でするためクラウドファンディングをやろうと決めました。
自分は器用ではないです。金もなければビジネスとかマーケティングとかも超苦手です。
それでも音楽で常に挑戦し続けていきたいし、常に自分の“最高”を更新したい。頭の中にパンパンに詰まってるアイディアを実現したい。
そのため未来に出発するスペースシップをご用意しました。ファンもアンチも通りすがりも小学生からお年寄りまで誰でも気軽に乗ってください。歓迎します。
まだ見ぬ景色を一緒に見に行きましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
Kamui
応援コメント
The Anticipation Illicit Tsuboi
カムイ君が新作“Yandel City 2.5”を製作中らしい。彼とは初期からの付き合いだが、常に時代とは不偏な「何か」を持ち合わせており、他のよくある奴らとは違って好きだ。
トラック、全体のストーリーテリング、リリックを手がける多彩さはいずれにおいても他にある「馴れ合い」が全くない。
そんな馴れ合いのない彼が今作ではゲストと多数コラボするというから楽しみだ。
何故なら自分は「水と油」の融合性が好きだから。
理科室で融合失敗して爆発してしまうようなのが出来そうなのが軽く聞かせてもらった新作デモでも伝わってくるんで、そんなパンチあるのが欲しい奴は是非クラウドファンディングに参加して仲間になって欲しい。正直参加した奴はみんな同胞だと思ってる。
清水エイスケ(Age Factory)
真っ直ぐやりたいこと感じるままにやりたいしKamuiくんがもっと上へ行く感じが見たい。
いつも焦らせるアーティスト。
荘子it(Dos Monos)
同じ街に住みながら、全く違う生を営む感覚がある。今はそうした、街を生きる視点の分裂によって生まれる、現実とされる空間とはどこか異なる、仮想的な"City"における生を描写するアーティスト達が増え、メタバースにおける群雄割拠の様相を呈している。俺たちの"Dos City"然りだ。それぞれが鎖国状態の孤島のように自閉するか、領土取りゲームの戦に乗り出すか、そんな中、Kamuiの"Yandel City"は、同盟か、あるいは関税を撤廃した自由貿易をしたいと思える、極めて稀有な所だ。