Awesome City Club、氷川きよし、吉幾三が本日12月10日に東京・Billboard Live TOKYOで行われた「USEN MUSIC AWARD 2021」に出席した。
「USEN MUSIC AWARD 2021」は創業60周年を迎えたUSENが人々の心の支えになった曲や勇気を与えた曲などシーンに影響をもたらした楽曲に贈るアワード。今年リクエストが多かった曲を洋楽部門、J-POP部門、演歌 / 歌謡曲部門に分けて選出する「2021 年間 USEN HIT ランキング」、USENの60年の歴史でもっとも支持された楽曲に贈る「USEN 創業60周年記念特別表彰 リクエスト」などが発表された。
「2021 年間 USEN HIT ランキング J-POP部門」で1位に輝いたのは、Awesome City Clubによる映画「花束みたいな恋をした」のインスパイアソング「勿忘」。メンバーを代表してトロフィーを受け取ったPORINは「USENは幼い頃から身近にあったので、1位に選んでいただいて光栄ですし、USENを通じてさまざまな世代に音楽が届いていると思うので、とても名誉なことです」と思いを口にし、モリシーは「1位に選ばれる機会なんてなかなかないので、すごくうれしいです」と無邪気に笑った。また今年を振り返ってatagiは「音楽活動を続けてきて親孝行できず不甲斐ない思いがあったんですけど、親に恩返しができる時期になったかなと。うれしい1年になりました」と安堵の表情を浮かべた。そしてメンバーは「来年もAwesome City Clubをもっと広めていきたい」と抱負を述べ、アコースティックバージョンで「勿忘」をじっくりと届けた。
氷川は7月にリリースしたシングル「南風」で「2021 年間 USEN HIT ランキング 演歌 / 歌謡曲部門」の1位を獲得。受賞について「真心を込めてリクエストしてくださった皆さんに差し上げたい賞でもあります。『南風』では新たな決意を描いてもらって、自分自身とも重なる歌詞なので、この曲を1位に選んでもらってうれしいです。多くの方に勇気や励ましをお送りするエネルギーになりました」と喜びを語った。また氷川は「コロナ禍で人と会えなくて寂しさを感じました」と述べつつ、「『命ある人間は何があっても生き抜いていかないといけない』ということを音楽で伝えなければならないと思ったんです。前に進んでいこうという思いを伝えたかったんです」と固い決意を口に。さらに2021年の活動について「芸能生活で一番充実してました。若い頃はカテゴライズの中だけでしか自分を表現しちゃいけないと思っていたんですけど、自分が思うことを叫ばなくきゃいけないと。私の考えをすべて伝えなきゃいけないと思って『You are you』(8月発売のポップスアルバム第2弾)を作ったりしました」と振り返り、来年に向けて「人間として何が一番幸せなのかをしっかり見つめる年にしたいと思います」と真摯に語った。その後、マイクを手にした氷川は「南風」を胸に手を当てながら歌い上げた。
「USEN 創業60周年記念特別表彰 リクエスト」の累計1位となったのが、1986年に発表された吉の代表曲の1つ「雪國」。吉はこの曲をリリースした当時を回想し、「イントロがトランペットからツーギターに変わったんです。そういう印象だけ覚えてます。あとは当時ドラマ2本やっていて、宣伝する時間がなかったのにドーンと売れてきたんですね」とコメントし、歌詞について「もともと全体的に卑猥な歌詞だったんだけど……内容は言えないよ!」と明かした。また2022年にデビュー50周年目に突入する吉は「いろんないい人に出会えたんですよね。人に恵まれていました」と涙ぐむ。しかし今年の出来事についてMCの赤坂泰彦から聞かれた吉はケロッと表情を変え、「仕事はねえし、ホントに散々でした。けっこう埋まってたコンサートもほぼキャンセルになって、来年も散々な1年じゃないですかね」と恨み節。その後も赤坂とテンポよくトークを重ね、演歌界の友人の近況を尋ねられた吉は「山本譲二はずっと同じところ座ってるから床ずれ起こしてるって。あと鳥羽一郎はずっと海見てるよ」と伝えた。まだまだ話し足りなそうな吉だったが、マイクを持った彼は「雪國」をこぶしを存分に効かせながら届けた。
また会場には来られなかったAdo、ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによるSilk Sonicも「USEN MUSIC AWARD 2021」に選出された。楽曲「Leave The Door Open」が「2021 年間 USEN HIT ランキング 洋楽部門」で首位となったSilk Sonicに代わってワーナーミュージック・インターナショナル本部のシニア・マーケティングマネージャーの滝川さりか氏がトロフィーを受け取った。また一般投票によって「2021 USEN ARTIST OF THE YEAR」に選ばれたAdoは音声で本日のアワードに参加。受賞について「規模感がただただすごいんだなっていうことは感じます」と恐縮し、今年について「怒涛の怒涛の怒涛でしたね。普通に生きてたら起こらないであろうことが次から次へと起こりました」と振り返った。さらにファンに向けて「いつも応援ありがとうございます。私はまだまだ未熟者ですしファンの皆さんを振り回してしまうこともあると思うんですけど、皆さんに支えてもらってばっかりなのでもうちょっとカッコよく頼もしくなりたいですね」とメッセージを送った。アワードの最後には登壇者3組によるフォトセッションが行われ、吉の軽快なトークが場を和ませていた。