KATARIが1月30日にオンラインライブ「KATARI×マツリー特別公演-瞳の交錯-」を開催した。
KATARIは声優・神尾晋一郎と作曲家・間宮丈裕(ゆよゆっぺ / DJ'TEKINA//SOMETHING)による、音楽と朗読を融合した形で作品を発表する“純文学樂団”。「KATARI×マツリー特別公演-瞳の交錯-」は、ニュースメディア・ナタリーが2月6日(日)まで開催中のオンラインイベント「マツリー vol.2」の一環として行われた。
定刻になり待機時間中の静止画から映像に切り替わると、薄暗い照明の下、椅子に腰かけて公演台本を眺める神尾の姿が映し出される。彼が「高見順『とびきり上等なレッテル、小石、死者の爪』」とつぶやくと、高見順の詩集「死の淵より」を題材にした楽曲で静かに公演の幕を開けた。続いて披露されたのは太宰治「HUMAN LOST」「かくめい」を題材にした「HUMAN LOST・かくめい / 太宰治」。KATARIの2人は不穏で怪しげなトラックをバックに、それぞれが表現力豊かなパフォーマンスを繰り広げて視聴者をメランコリックな世界へと導いた。
KATARIはライブ中盤、これまでとは打って変わり、透明感のあるポップなテイストの楽曲を次々と披露。開放感のあるサウンドが印象的な「夢と現実 / 与謝野晶子」「星、夢 / 寺田寅彦」では、神尾のおだやかな語りと間宮の澄んだボーカルでスタジオ内をさわやかな空気で満たした。2人は最後に「山羊の歌 / 中原中也」をパフォーマンス。サビの「汚れっちまった悲しみに」というフレーズを感情を吐き捨てるかのように熱唱してステージをあとにした。
ライブ終了後には、神尾と間宮がこの日の公演を振り返るアフタートークが配信された。神尾にライブの感想を聞かれた間宮は「すごく凝った演出になっていたし、いろんな方々が動いてくれていて。ライブ中にモニタを確認していたんですけど『これ本当に俺か? この映像すごくない?』と思う場面もあって」と満足気に一言。一方の神尾は「ナタリーさんの名前がフリオ・イグレシアス『黒い瞳のナタリー』からきているということで、『マツリー』の目線とKATARIの目線が交差する場所を作ろうと思って」と、「瞳の交錯」という公演タイトルに込めた思いを語った。
またこの日のセットリストについて、神尾が「鬱屈としたご時世なので、だんだんと明るくなっていくような曲順を意識しました」と説明。間宮は「全体の雰囲気や流れを考えて、我々なりの最善策を取らせていただきました(笑)」と笑顔で語った。その後はこの日披露した新曲「ゆずり葉、山の歓喜」の制作秘話や、お互いがリスペクトするポイント、今後の展望など、ざっくばらんなトークを展開して、この日の公演の幕を降ろした。「マツリー vol.2」では本公演のアーカイブはもちろん、東京スカパラダイスオーケストラのオンラインライブ「PARADISE BOX」、7ORDERによる日替わり企画「7days Happy Jack!」、一番面白いアイドルを決める大喜利大会「おもカワ~アイドル大喜利タッグトーナメント~」などのコンテンツを2月6日(日)23:59まで何度も楽しむことができる。視聴チケットはイベント公式サイトにて3500円で販売中。
またKATARIは2月3日に1stアルバム「開架」をCDリリースする。さらに4月2日には神奈川・神奈川芸術劇場で単独公演「聖域-sanctuary-」を開催。チケット情報は、Fanbox内のKATARIの公式ページにて確認を。
「KATARI×マツリー特別公演-瞳の交錯-」2022年1月30日 セットリスト
01. 死の淵より / 高見順
02. HUMAN LOST・かくめい / 太宰治
03. 暁と夕の詩 / 立原道造
04. 夢と現実 / 与謝野晶子
05. 星、夢 / 寺田寅彦
06. ゆづり葉、山の歓喜 / 河井酔茗
07. 山羊の歌 / 中原中也
KATARI独奏会「聖域-sanctuary-」
2022年4月2日(土)神奈川県 神奈川芸術劇場