RIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)と鍵本輝(Lead)が、本日2月24日に東京・自由劇場で行われたミュージカル「『天使について』~堕落天使編~」のゲネプロに参加した。
「『天使について』~堕落天使編~」は、2016年に韓国で初演され、奇抜な発想や絶妙な構造の脚本、インパクトある楽曲ナンバーで大ヒットした2人芝居形式のミュージカル。韓国では2018年に再演され、2021年11月から2022年1月まで3度目の上演が行われていた。トリプルキャストで行われる本公演は、レオナルド・ダ・ヴィンチが残した歴史的な芸術作品の誕生の秘密をたどる物語。作品の創作に苦しむダ・ヴィンチのもとに光輪した、新米天使のルカと堕落天使のヴァレンティノ、そしてダ・ヴィンチを支える助手のジャコモの4役を2役ずつ2人が演じ分ける。RIKU、鍵本のほか、本作には舞台で活躍する古谷大和と中村太郎、ミュージカル作品に主に出演してきた鈴木勝吾と石井一彰が参加。各公演キャストを入れ替え、9通りの組み合わせ、全23曲のミュージカルナンバーで物語を紡ぐ。
本作がミュージカル初挑戦となるRIKUは、THE RAMPAGEの活動で鍛え上げた歌唱力とダンススキルをもって本作に挑み、ヴァレンティノとジャコモを演じた。深みのある歌声と邪悪な笑い声で、ルカを邪魔してばかりの堕落天使・ヴァレンティノを演じたかと思えば、その曲中にジャコモの衣装に着替え無邪気でかわいらしい表情をするなど、ミュージカル初挑戦とは思えない芝居で報道陣を驚かせる。ミュージカル作品への出演経験があるものの、コロナ禍において舞台に立つ機会を失い、ひさしぶりに観客を前に演技をする鍵本は「始まる前に救心を3粒飲んだ」とゲネプロ上演後に明かしたが、緊張は微塵も感じさせない堂々とした演技と歌唱、そしてキレのあるダンスでダ・ヴィンチとルカを巧みに演じきった。
凝った映像演出や大きな額縁を配した3階建てのセットもこの舞台の特徴。大きな額縁はダ・ヴィンチが描いたあの有名な絵画の額縁になっており、その絵が浮かび上がってくるシーンも見どころだ。最後には指に装着するリングライトやバンダナを使った演出もあり、観客もキャストとともに物語のラストを鮮やかに彩ることができる。
ゲネプロ終了後行われた囲み取材には、病欠となった鈴木を除くキャストが集結。本日の公演に出演する鍵本は「正直初日迎えたくないです(笑)。2人だけでやるというのは、僕も20年芸能活動をやっていますが初めてなので、自分にできるのか不安なところもありました。でもやってきたことは間違いないですし、稽古で積み重ねてきたものを信じて初日に挑みたいです」と意気込む。「あっくん(鍵本)と同じ気持ちです」と話し始めたRIKUも「大変な稽古期間を1カ月半過ごしてきて、大きな怪我や事故がなく無事に初日を迎え、ゲネプロも皆さんの前で披露できたことで、まず自分自身を褒めてもいいのかなという気持ちです。初めてを言い訳にしないで皆さんから稽古のときにいただいたものを遺憾なく発揮したいと思っています」と言葉に力を込めた。
トリプルキャストの魅力について古谷は「(幕が)開けてびっくりするんじゃないかなと思います。同じ台本で同じ役なのにまったく違うお話に感じるくらいに違う味のものがやれています。次の日には違う味になって、またその次の日には違う味になる。こちらとしても新鮮な気持ちでやれますし、毎回慣れることなくたゆむことなく刺激のある本番になると思います。観てくださる皆さんにもきっと楽しんでもらえます」と胸を張る。中村は「アーティスト、舞台、ミュージカルと各分野でがんばってきた、普段は集まることがないようなメンバーがこのご時世に集まって新しい挑戦ができたことが僕らにとってプラスでした。いろんな挑戦をしたカンパニーだったので、それを観ていただけたらすごくうれしいです」と各メンバーが新たな魅力を発揮していることをアピールした。
石井は注目してほしいところとして、それぞれが演じる天使像に加えて、登場シーンを挙げる。「ルカは登場から4曲目までノンストップで歌いますし、ヴァレンティノ役のキャストは最初ジャコモでかわいらしい姿を見せてから、ヴァレンティノとしてクールにセクシーに登場するので、そこが魅力です」と注目すべきシーンについて言及した。
リングライトやバンダナを使った演出についてはRIKUが「音楽ライブだと声を出すのが常でしたが、こういうご時世ですから、一緒に何かできることはないかとアイテムを作りました。皆さんにも一緒に舞台を作るキャストになっていただきたいです。各メンバーに担当カラーがあるので、その色(のリングライト)で会場を彩っていただけたらと思います。バンダナはお弁当を包んだりもできる便利なアイテムですし、形が残るものですからおうちに帰ったあともどこかに飾っていただけたら」とコメント。鍵本も「2年間ステージに立つことがなかったので、この機会にリングライトやバンダナでバーっと盛り上がっているところを観たい!」と声を弾ませる。RIKUが「想像するだけでヤバい。(リングライトの光が)きれいすぎて歌詞が飛んでしまうかも」と言うと、鍵本が「そのせいにしよう」と便乗。ほかの3人は「ダメだよ」と2人を制していた。
最後に意気込みを求められたRIKUは「新しい畑に足を踏み込むときには大きな不安もありますが、作品のメッセージを伝えたいですし、僕がプロ中のプロの皆さんと作品に参加することで、観客の皆さんに新しい一歩を踏み出す勇気を届けられたらと思います。それが『天使について』で伝えたい『Love、Dream、Happiness』です」と語る。鍵本が「得意不得意がある中、みんなでストーリーを作り上げて、教え合いながら少しずつ積み木を重ねていくような稽古でした。いろんな色があってレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた絵のようだなとも思いました」と述べたあと「やってや“ルカ”! がん“ヴァレンティノ”!」と言うと、RIKUは「ごめんなさい(笑)。面白かったら笑ってくださいね」と報道陣に呼びかけ、古谷は「やってや“ルカ”とがん“ヴァレンティノ”で掛けてます」と冷静に説明。中村が「だからゲネプロの本番前、静かだったんだね……」と鍵本がこっそりネタを仕込んでいたことをばらすと、キャストたちに笑顔がこぼれた。
質疑応答のコーナーでは堕落天使役のキャストが天使役のキャストについて、天使役のキャストが堕落天使役のキャストについて語る場面も。RIKUについて鍵本は「りっくんは安定感があります。同じアーティストということもあるけど、ダンスも歌もお芝居も、すべても安心してぶつけられるし、寄り添っていられる。稽古からセリフが全然飛ばなくて完璧でした。それだけ熱心に本に向き合ったんだろうと思うし、稽古をやってヘトヘトなはずなのにそのまま格闘技とかジムにも行っちゃう(笑)。その体力があるからこそのストイックさだなと思いました」と話す。中村も「あとRIKUくんは器用だと思います。お芝居だけをやってきた人間からすると、その勢いで成長されると気まずい(笑)。言われたことをすぐにアップデートして、次の稽古のときには次のRIKUくんになっているので、僕らもその成長に付いていくのに必死でした。ものすごく器用だし、勤勉で真面目な方なんだと思います」とRIKUの著しい成長に驚いた様子。石井も「ひと言で言うと筋肉……それは冗談で、とにかくRIKUくんの歌に衝撃を受けました。日本一うまいんじゃないかなと思うくらい。あとは筋肉」と話し、ほかのキャストからの褒め言葉に瞳を潤ませていたRIKUを笑わせ、囲み取材をにぎやかな雰囲気で締めた。
「『天使について』~堕落天使編~」は、本日から3月6日まで自由劇場で上演される。3月5、6日の公演はticketbook ONLINEとHuluにて配信されることが決定。詳しくはミュージカルのオフィシャルサイトにて確認を。
ミュージカル「『天使について』~堕落天使編~』」
2022年2月24日(木)~3月6日(日)東京都 自由劇場
<出演者>
堕落天使ヴァレンティノ:RIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)、古谷大和、鈴木勝吾
天使ルカ:鍵本輝(Lead)、中村太郎、石井一彰