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結成18年迎えた9mm Parabellum Bullet、“カオス”の時代に示した音楽の存在意義

「カオスの百年 vol.16」の様子。(撮影:西槇太一)
3年以上前2022年03月23日 3:03

9mm Parabellum Bulletが自主企画「カオスの百年 vol.16」を3月17日に東京・EX THEATER ROPPONGIで開催した。

ライブ当日に結成18年を迎えた9mm。今年夏には通算9枚目となるオリジナルアルバム(タイトル未定)のリリースを控えている。彼らは今年初のワンマンライブとなったこの公演で、18年という歴史を感じさせる、貫禄のあるステージを繰り広げた。

客電がフッと消え、爆音のSE、激しいストロボ照明の中で菅原卓郎(Vo, G)、滝善充(G)、中村和彦(B)、かみじょうちひろ(Dr)、サポートメンバーの武田将幸(G / HERE)がステージに登場。彼らは「The Lightning」で勢いよくライブの幕を開け、のっけから観客のテンションを引き上げる。菅原の絶唱する「明日を向いて歩こうか あきらめるのは飽きたのさ」というフレーズが、楽曲の疾走感と相まって、現代の閉塞的な空気を振り切るかのように響いていた。続いてバンドは勢いそのままにアッパーチューン「Answer And Answer」「Zero Gravity」「名もなきヒーロー」を連投した。

歓声を出せない代わりに、長く大きな拍手で高ぶる感情をメンバーに伝えるオーディエンス。菅原は今年初のワンマンであることに触れ、「気合いを入れて面白いものを用意してきたから楽しんでください」と期待を煽る。そんな言葉のあとでバンドがプレイしたのは、2011年に9mmが栗山千明に提供した「ルーレットでくちづけを」のセルフカバー。さらにスピッツ「ロビンソン」、UNISON SQUARE GARDEN「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」のカバーという、ファンの意表を突く選曲が畳みかけられた。その後、9mmはニューアルバムより新曲3曲を初披露。現在鋭意レコーディング中だという彼らが紡ぐ音に、観客はじっくりと聴き入った。

2013年、5thアルバム「Dawning」のリリースツアー「Breaking The Dawn Tour 2013」でEX THEATER ROPPONGIを訪れた9mm。「カオスの百年 vol.16」のセットリストには、冒頭3曲をはじめ「黒い森の旅人」「Caution!!」「コスモス」など、「Dawning」の収録曲が数多く並んでいた。「Dawning」リリース時からおよそ倍の年数のキャリアを積んだ彼らは、円熟したサウンドとパフォーマンスでその楽曲たちを奏でていた。

ライブ終盤、菅原は静かに語り出す。「今、世界は大変なことになってるし、その前からもともと大変だし、『もううんざりだな』と思うこともある。でもこうして今日ライブができて、みんなと同じ時間を過ごせて、このために音楽はあるんだって思います」と心境を伝え、客席から大きな拍手を浴びた。そして彼の「必ずまた会いましょう。もういっちょいくか! いけるかー!!」という言葉をきっかけに、キラーチューンをシームレスにつないだ怒涛のクライマックスへ。2011年のリリース以来、幾度となくライブで披露されてきた「新しい光」では、かみじょうの刻むリズムを中心に相変わらず一糸乱れぬ演奏が展開される。定番のキメの部分では中村、菅原、滝、そして武田が横一列に並び、息の合ったパフォーマンスを見せた。最後に9mmは「Dawning」のラストナンバー「The Silence」をアグレッシブに届け、ステージをあとにした。

なお9mmはこのライブ中に、9月から10月にかけてアルバムリリースツアー「9mm Parabellum Bullet presents『New Album Release Tour 2022』」を開催することを発表。9月9日の大阪・Zepp Osaka Baysideを皮切りに全国6都市を回る。9mmの公式モバイルサイトでは3月27日までチケット先行予約を受付中。

9mm Parabellum Bullet presents「New Album Release Tour 2022」

2022年9月9日(金)大阪府 Zepp Osaka Bayside
2022年9月11日(日)愛知県 Zepp Nagoya
2022年9月19日(月・祝)福岡県 Zepp Fukuoka
2022年9月23日(金・祝)宮城県 仙台GIGS
2022年10月2日(日)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)
2022年10月9日(日)北海道 Zepp Sapporo

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