ドレスコーズとbetcover!!のツーマンライブが昨日5月19日に東京・渋谷CLUB QUATTROで開催された。
ドレスコーズが志磨遼平(Vo, G)のソロ体制になってから、初の主催ツーマン企画として実施された本公演。バンドにとって昨年8月に出演した「FUJI ROCK FESTIVAL '21」以来9カ月ぶりのライブとなった。
先鋒を務めたbetcover!!は、激しいセッションを繰り広げる「壁」で演奏をスタート。ヤナセジロウ(Vo, G, Sax)による指揮のもと、冒頭から緊張感あふれるムードを生み出していった。ヤナセは「回転・天使」「愛人」で穏やかなサウンドをバックに朗々と歌い込んだと思いきや、「超人」の後半ではおもむろにサックスを手にし、フリーキーにソロパートを演奏。楽曲ごとに目まぐるしく表情を変えることで、集まったオーディエンスを絶え間なく圧倒した。さらに「鉄に生まれたら」ではヤナセがその場を飛び跳ねたり、体を震わせたりしながら熱唱。ラストナンバー「卵」終盤にはメンバー全員でノイズ混じりの轟音をかき鳴らし、禍々しい様相のままステージを去った。
続くドレスコーズは志磨、田代祐也(G)、山中治雄(B)、ビートさとし(Dr / skillkills)、中村圭作(Key)の5人体制でパフォーマンスを披露。山中とビートさとしによる力強いリズムが厳かな雰囲気を演出する「ニューエラ」、田代のソリッドなギターソロが炸裂した「Trash」と、新旧織り交ぜたラインナップでライブが進行された。菅田将暉への提供曲「りびんぐでっど」、志磨が音楽制作を手がけた舞台「海王星」の劇中歌「恋の歌」といったナンバーを挟み、中村の奏でるオルガン風のシンセが特徴的な新曲「エロイーズ」も初披露。終盤恒例の1曲である「愛に気をつけてね」では、観客たちがコール&レスポンスの代わりに手拍子と手振りで反応し、その姿を見た志磨はサムズアップや投げキッスで感謝の思いを示した。
今回の主催企画について、「ライブハウスで自分が好きなアーティストと、バチバチの真っ向勝負のツーマンがしたかった」と語った志磨。今後もツーマン企画を続けていくことを宣言しつつ、かねてから好きだったというbetcover!!のパフォーマンスについて「あんなすごい演奏を見せられて燃えないバンドマンはいないですよ」と太鼓判を押した。そしてアンコールでは重厚なバンドサウンドを前面に押し出した「HEART OF GOLD」「ピーター・アイヴァース」を届け、ツーマン企画第1回をにぎやかに締めくくった。
ドレスコーズの新曲「エロイーズ」は本日5月20日から各サブスクリプションサービスにて配信中。また今回のツーマンのアーカイブ映像は、Streaming+にて5月25日23:59まで有料配信されている。
「ドレスコーズ+betcover!!」2022年5月19日 渋谷CLUB QUATTRO セットリスト
betcover!!
01. 壁
02. 幽霊
03. 回転・天使
04. 愛人
05. 超人
06. 鉄に生まれたら
07. 卵
ドレスコーズ
01. ニューエラ
02. Trash
03. Ghost
04. りびんぐでっど
05. 恋の歌
06. カーゴカルト
07. エロイーズ(新曲)
08. Mary Lou
09. ぼくをすきなきみ
10. 愛に気をつけてね
<アンコール>
11. HEART OF GOLD
12. ピーター・アイヴァース