寺島拓篤が6月18日に横浜・神奈川県民ホールでアニバーサリーライブ「10th ANNIVERSARY TAKUMA TERASHIMA LIVE 2022 EX STAGE -LAYERING- side EAST」を開催した。
今年の6月6日にアーティストデビュー10周年を迎えた寺島。彼は5月29日に大阪・大阪城音楽堂でアニバーサリーライブの“side WEST”公演、6月18日に“side EAST”公演を行い、異なるセットリストでオーディエンスを楽しませた。
ダンサーとバンドメンバーを引き連れてステージに立った寺島は「0+1」で華やかにライブをスタート。スラップベースを軸とした躍動感のあるバンドサウンドに合わせてダンサーとともに軽やかにステップを踏み、エネルギーに満ちた歌声を響かせた。跳ねるような鍵盤の音色で始まったのは「Special Day」。晴れやかなサウンドと弾むような歌声が溶け合い、幻想的で希望に満ちた空間が生み出されていく。「JUMBLE TOWN」では会場に色とりどりのペンライトやマラカスライトの光が揺れ、寺島もダンサーとともにマラカスライトを振って陽気にパフォーマンスを繰り広げた。寺島はダンサーたちによる傘を使ったダンスをバックに「sunlight avenue」をさわやかに歌い上げたあと、「10周年ですよ、皆さん! すごいですよね!」と話を切り出し、「10年前って言ったら僕のこと知らなかった人もいっぱいいるんじゃないの? 耳から僕のほうに注意を向けてくれて、そしてこうやってライブに来てくれて……」と感慨深げに述べる。「10年前から僕のライブにずっと来てる人ってどれくらいいます?」という質問に対して、多くの手が客席に上がると「うひょー!」と目を丸くさせた。
寺島は自身のこれまでについて「10年やってて、音楽のやり方やパフォーマンスでみんなにどんなエンタテインメントを届けられるかっていろいろ考えたときに、ダンスというものがあるんですよね。僕は作品でアイドルの役をやらせていただくことがあるので、ダンスと音楽に触れる機会がすごくあったんですよ。なので自分のライブでももっとダンスを盛り込んでいけないか。これやったら絶対ライブが楽しくなるよっていうことで、ほとんど未経験に近いダンス歴の寺島が『やらせてください』というところからダンスをやらせてもらって。いつの間にか当たり前のようにライブの中にダンスが入ってくるようになって、それもすごいですよね。自分で『よっしゃやってやるぜ! もっと高みを目指すぜ!』という感じではなかったんだけど、楽しいことをもっともっとやっていこうと思ったら、いつの間にか進化を重ねていたんだなというのが、10周年記念ライブをやるにあたって振り返った10年の寺島の軌跡の1つなんですよね」としみじみと述べ、「この10年で進化を重ねた寺島の音楽、今日はたっぷりとお見せしますので、最後まで付いて来てください!」とオーディエンスに呼びかけた。その後、寺島は重厚なロックナンバー「evolve」を熱唱。この曲の「進化の先へ」という歌詞の通り、10年の間に繰り返してきた進化とこれからに向けての思いを力強いパフォーマンスで体現していく。さらに寺島はその勢いを加速させていくようにアッパーチューン「カクシンボ」を披露したあと、「Buddy, steady, go!」を熱い眼差しでまっすぐに歌い上げた。寺島のライブでは恒例のマニュピレーター青木繁男によるDJタイムを経て、白い衣装にチェンジした寺島は、EDMナンバー「UNBREAKABLE」で一糸乱れぬキレのあるダンスを展開。続いて観客のハンドクラップを浴びながら「MONSTER」でパワフルなラップを交えた野性的なパフォーマンスを繰り広げた。
寺島がスタンドマイクの前に立ち、歌い始めたのは「colors of love」。切迫感のある切ない歌声とダンサーたちによるエモーショナルなダンスが感傷的な世界観を生み出していく。「深海より」では青いライトに染まったステージで寺島が華麗にステップを踏み、「ダンスナンバーを連続でお届けしました。やっぱりダンスって面白いね!」と声を弾ませた。「皆さんにとってこの夜がより素敵な夜になるようにこの曲をお届けしたいと思います」と寺島が話し、椅子に腰をかけて歌い始めたのはバラードナンバー「good night, good bye」。星空をバックに一筋のスポットライトの光を浴びながら寺島は優しくこの曲を歌い、「『アナタの声で 心の星に灯がともる』という歌詞がありまして。今こういうご時世になって、皆さんにライブでこの曲をお届けすることになって、僕の声で皆さんの心の星に灯がともる瞬間もあって、こうやってライブで皆さんの声で僕らはすごくたくさんのエネルギーをもらって心の星に灯がともっていたんだなって改めて実感しました。だから、早くみんなで声を出せる日が来たらいいよね」と前向きに語った。
ここで寺島はゲームアプリ「転生したらスライムだった件 魔王と竜の建国譚」の主題歌「ファントムライツ」を伸びやかに歌唱。さらにテレビアニメ「転生したらスライムだった件 第2期」のエンディングテーマ「Reincarnate」を続け、壮大なサウンドに乗せて光に向かって進んでいく意思を歌い上げた。そのあとには寺島はステージ端に置かれているマイクスタンドに気まずそうに目をやり、「この2曲で使うはずだったんですよ……」とスタンドを使い忘れてしまったことを告白する場面も。彼は「ごめんね、マイクスタンドちゃん……これも大切な仲間なのに。せっかくなので、次の曲で使おうかな」と発案し、スタンドを使いながら1stシングル曲「magic words」を生き生きと披露した。
ライブ終盤、寺島は「さあ皆さん、ここからまだまだ熱くなれますか?」とオーディエンスを煽り、ヘヴィなロックナンバー「SCARLET SIGN」を爽快にパフォーマンス。そして「光の在処」を力いっぱい歌い上げた。寺島は「みんなの光がすごく見えました。1人ひとりの心の中に自分だけの光の在処があって、それは誰かに指し示すものじゃなくて、自分を奮い立たせるために、自分が一歩進むためにある光なんだけど、でも僕を進ませてくれる光でもありました。光の在処は僕の中だけじゃなくて、ここにもありました。ありがとうございます」と優しい眼差しで会場を見渡す。そして「僕はもともと記念日とか疎い人なんですけど、『10周年です!』ってベストアルバムやライブをやると区切り感が出るよね。でも、これからも僕は当たり前のように皆さんへのありがとうを返していこうと思います。その中で音楽活動として曲を作って、ライブをやって、タイアップがあるときにはフェスとかに呼んでいただいて、また新しい仲間ができたりして。こうやってこれからもずっと続けていくんだろうなと思います」と未来に思いを馳せた。「これからもみんなと一緒に楽しい光を輝かせて、素晴らしい絵を作っていこうと思いました。これからも寺島拓篤のことを応援してくれますか?」という言葉に、会場には大きな拍手が鳴り響く。寺島はオーディエンスの気持ちを受けて「そんなみんなの拍手に見合うような人であり続けたいなと思います。これからも皆さんに楽しんでいただけるようにがんばっていきますので、よろしくお願いします」と真摯に述べた。ラストナンバーは5月にリリースされたベストアルバム「LAYERING」に収録されている新曲「GRATEFUL LAYERS」。この曲を通して、寺島はオーディエンスにありったけの感謝の思いを伝えてステージをあとにした。
アンコールを求める拍手に呼ばれ、寺島は「楽しい夜はまだまだ終わらないぜ!」と勢いよくステージに登場。ミラーボールに照らされながら彼がディスコチューン「ビビッドナイトフィーバー!」をにぎやかに披露すると、会場はたちまちにダンスフロアと化した。グッズ紹介を経て、予定にはないデビュー曲「Architect」のイントロが始まったところでステージ横から寺島にサプライズでアーティストデビュー10周年記念ケーキと、ファンからの寄せ書きメッセージがびっしりと詰まったボードが登場。寺島は突然イントロが止まってうろたえながらも、大喜びでファンの愛のこもったメッセージを読み上げた。温かな空気の中、寺島は「HERO」「WHAT A WONDERFUL WORLD!」をエネルギッシュにパフォーマンス。最後には「tiny adventure」でこれからの未来への希望を歌い、アーティストデビュー10周年のその先を指し示してアニバーサリーライブを笑顔で終えた。
寺島拓篤「10th ANNIVERSARY TAKUMA TERASHIMA LIVE 2022 EX STAGE -LAYERING- side EAST」2022年6月18日 神奈川県民ホール セットリスト
01. 0+1
02. Special Day
03. JUMBLE TOWN
04. sunlight avenue
05. evolve
06. カクシンボ
07. Buddy, steady, go!
08. UNBREAKABLE
09. MONSTER
10. colors of love
11. 深海より
12. good night, good bye
13. ファントムライツ
14. Reincarnate
15. magic words
16. SCARLET SIGN
17. 光の在処
18. GRATEFUL LAYERS
<アンコール>
19. ビビッドナイトフィーバー!
20. HERO
21. WHAT A WONDERFUL WORLD!
22. tiny adventure