川本真琴が7月8日に東京・Billboard Live TOKYOでライブツアー「密会」の最終公演を開催した。
このツアーは川本のデビュー25周年を記念し、東京、神奈川、大阪にあるBillboard Liveで行われたもの。川本は林正樹(Piano)、伊賀航(B)、山本達久(Dr)をバンドメンバーに迎え、新旧織り交ぜたオールタイムのセットリストで観客を楽しませた。
ライブは川本のヒット曲の1つで、長らく演奏されてこなかった「桜」でスタート。印象的なピアノリフが奏でられると、予想外の選曲に観客からは大きな拍手が巻き起こった。続いて初期ライブの定番曲「LOVE & LUNA」、1997年の1stツアーから約25年ぶりの披露となるバラード曲「1(いち)」が演奏され、会場は序盤から大盛り上がり。さらに川本は未発表の新曲「アロエ」、デビュー前にソニーミュージックのオーディションで演奏したという初期曲「人形」を連投し、長年の活動の始まりと現在を結ぶような遊び心のあるセットリストでライブを進めていく。
ライブ中盤にはシンガーソングライターの池間由布子をゲストに迎え、池間の楽曲「明るい窓」、川本の楽曲「ロードムービー」でコラボが実現。2人は池間のアコースティックギターの伴奏に乗せてデュエットし、美しいハーモニーを響かせた。ゲストコーナーのあとにバンドメンバーが再び定位置に着いてから、川本は未発表曲の「Universe」、YUKIに楽曲提供した「転校生になれたら」、2019年発表の最新アルバム「新しい友達」の表題曲を続けてパフォーマンス。この日のために急遽作ったという黒いドレスをまとった川本は、生き生きとしたダンスをしてみせ、観客の手拍子を誘った。
川本はMCで「先日、とてもひさしぶりに、小学校2年生くらいまで住んでいた古い家を見に行ったんです。でもその家も近所の家も新しく建て直されていて、道路も広く舗装されて、当時の面影がまったく残っていない場所になっていまして。40年という年月が変えてしまったものの大きさにとても驚いたんですが、帰ろうとしたとき、ふといつも遊んでいた空き地を見つけたんです。その場所だけ昔の記憶通りでして、何も変わっていなかったんです。そしてそこには、あの頃咲いていた花と同じ花が今も咲いていたんです。自然の力ってすごいなって感動しまして。皆さん……私たちも40年後にまたここでお会いしましょうね!」とコメント。観客は川本の気持ちのこもった言葉に盛大な拍手を送った。
その後、1996年発表のデビューシングル「愛の才能」のカップリング「早退」では、即興のフレーズが次々に繰り出された。照明が落とされ、ゆったりとしたピアノが奏でられると、岡村靖幸との共作曲で10分以上におよぶ大曲「FRAGILE」を披露した川本。彼女はオリジナルよりもテンポを落とし、1つひとつの言葉に祈りを捧げるように歌唱し、場内に張り詰めた雰囲気をもたらした。ラストはアップテンポなポップチューン「ゆらゆら」をダンサブルにパフォーマンスして、濃密なライブを締めくくった。
川本真琴 Billboard Live Tour 2022「密会」2022年7月8日 Billboard Live TOKYO セットリスト
01. 桜
02. LOVE&LUNA
03. 1
04. アロエ
05. 人形
06. 明るい窓(with 池間由布子)
07. ロードムービー(with 池間由布子)
08. Universe
09. 転校生になれたら
10. 新しい友達
12. 早退
13. FRAGILE
14. ゆらゆら