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26時のマスカレイド解散前にたどり着いた夢の舞台、最初で最後の武道館ワンマンを噛みしめる

1年以上前2022年09月21日 9:03

26時のマスカレイドが9月14日に東京・日本武道館でワンマンライブ「The Last Year 特別公演『26時のマスカレイド×日本武道館』」を開催した。

10月30日をもって解散することが決定している26時のマスカレイド、通称ニジマス。2016年9月に誕生し、もうすぐ結成6周年を迎える彼女たちにとってこの日本武道館公演はグループ史上最大規模のワンマンライブであり、かねてより憧れていた夢の舞台だ。解散直前に実現した念願のステージをしかと見届けようと、一度しかないこの瞬間をメンバーと共有しようと会場には多くのファンが来場し、日本武道館の客席をきらびやかなペンライトの光で染め上げた。

開演時刻を過ぎた頃、メンバーが日本武道館の前でその赤い看板を見上げるオープニングムービーが流れ始め、スクリーンに浮かび上がった「今なら言えるよ、夢は叶うと」というメッセージとともに早くも観客の心を打つ。そして映像が終わると同時に、シャンデリアや古代ギリシャ風の柱などの装飾が目を引くエレガントなステージにニジマスの5人が姿を現した。赤とベージュの衣装に身を包んだ彼女たちが日本武道館公演の1曲目に歌ったのは、6年前のデビューライブで初披露した記念すべき初オリジナル曲「B dash!」。「武道館、みんな楽しんでいくよ!」というかけ声を合図にグループの始まりの曲でライブの口火を切ったメンバーは、絢爛な照明や勢いよく噴出するCO2がステージを彩る中で、さらに初期の楽曲である「ハローハロー」「GoWay」を連発していく。最初のMCでは5人が大舞台ならではの独特な高揚感と、青のペンライトの光で満たされた客席を見渡し、感激の声を上げていた。

来栖りんの「始まっちゃったからには、もう一度はないので、最後まで1曲1曲噛み締めながら、皆さんと最高の時間を作っていけたらなと思っております!」という意気込みの言葉を経て、ライブは次のブロックへ。ステージ上ではないちもんめを繰り広げる振付が印象的な和ロックナンバー「ハナイチモンメ」ではハードなサウンドに呼応するように火柱が上がり、切なさに満ちた「ゼンキンセン」では5人がアリーナに伸びた花道を通ってセンターステージに移動。情感がたっぷりこもった歌声を全方位に向けて響かせた。その後も彼女たちは勢いを緩めることなく、ミュージカルのような世界観とビッグバンド風の軽快なサウンドが特徴の「仮面に隠れたセレナーデ」や、エモーショナルな空気感を帯びた「エンジェルナンバー」などを次々に披露し、観客のテンションをぐんぐんと引き上げていく。ウインターバラード「スノウメモリー」では、雪のようにきらめく白いペンライトの光が、感情を込めて歌い上げるメンバーを優しく包み込む。また江嶋綾恵梨が初めて作詞を手がけた「七色のツボミ」が始まると、会場にさわやかな空気が充満。そのムードは「マスカレイドは眠らない」でさらに晴れ晴れとしたものに変わり、ニジマスのライブには欠かせない魚型のグッズ“ニジマスくん”を振り回して盛り上がるメンバーの姿、森みはるの「皆さん、今日は夢のステージに連れて来てくれて本当にありがとうございます! 今、すごく、すごく、すごく幸せです!」という言葉が観客の心に刻まれた。

ライブが中盤を過ぎた頃、ニジマスは一旦ステージから退場。その間、会場のスクリーンには「Inter Movie」が映し出される。この「Inter Movie」は2020年6月に加入した中村果蓮がメンバーに向けて手紙を読み上げる様子を収めた映像で、日本武道館公演の1週間前に公開された新曲「未来へのハーモニー」のミュージックビデオにそのワンシーンが差し込まれていた。MVではその手紙がどんな内容なのかわからなかったが、そこにはグループに迎え入れてくれたことへの感謝の思いなどがつづられており、その言葉を受け取ったメンバーは思わず涙を流していた。会場が感動的な空気でいっぱいになる中、「Inter Movie」が終わると、5人はステージに再登場して「未来へのハーモニー」を歌唱。ライブのオープニングムービーにも使われた「頑張れば全部叶うわけじゃないけど 今なら言えるよ、夢は叶うと」という歌詞を歌う5人の声が、大きな説得力を持って響き渡った。

ここで来栖は「解散まであと半年でまさか武道館が決まるなんて思ってもいなかったですし、改めて武道館に今立っていることを考えると、なんという奇跡なんだろうかって。夢が叶ったことはニジマスになってからたくさんあったけど、こうして5人で、皆さんのおかげでつかみ取れたこの武道館というハコは、私たちにとってこの先も忘れない、すごくすごく大切な存在だと思います」と自身の胸の内を言葉に。江嶋は観客の数がまだ少なかった活動初期を振り返りながら、日本武道館のステージに立っているこの瞬間を噛み締め、「終わりたくないね」とメンバーに語りかける。森も「センターステージに布団を敷いたら、すごくいい景色の中で眠れると思うんですよ。ここに泊まっていきたい」と、ここから終盤へと差し掛かるライブを終えたくない思いを口にした。

5人は名残惜しい表情を浮かべつつも、ライブのラストスパートへ。現体制初シングルとして2020年に発表された「君は青のままで」、ポジティブな心境への変化を描いた「ダンデライオンに恋を」と、清々しいナンバーを連続で届けていく。本編のラストにはアイドルフェスを幾度も沸かせてきたキラーチューン「ハートサングラス」が披露され、ステージ上を舞うシャボン玉が日本武道館の景色をより一層特別なものにした。

アンコールに応え、黒のライブTシャツをアレンジしたワンピース衣装で再び観客の前に姿を見せたニジマスは、ライブの人気ナンバーである初期曲「ニジマスエモーション」でパフォーマンスを再開。客席のテンションを今一度引き上げると、会場のファンへ向け、それぞれが抱く思いを1人ずつ伝えていった。森は涙をこらえつつ、解散が決まったときのことを「いつかこういうときが来ることはわかってたんですけど、まだ夢も叶ってないのに、こういうふうになってしまったことがすごく悲しくて」と回想し、「解散っていうのがわかってても、この夢だけは諦めきれなくて。何回も武道館に立ちたいと言い続けてきました。あのときに悔しい気持ちを自分の中だけにしまって、言ってなかったら後悔してたと思うし、どれだけ心が折れたり、諦めかけたりしても、ちゃんと夢を忘れないでがんばってこれてよかったなと思います」と続ける。吉井美優は「解散を発表してから、私たちにくださる言葉は全部温かい言葉だらけで、ファンの方に支えられてここまで来れたんだなと改めて思いました」「こんな素敵な景色を見れて、アイドル最後の夢を一緒に叶えてくださって、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」とファンに対するあふれんばかりの思いを語った。

来栖は「私は解散が決まってから、無理な夢を口にすることで、まだ完全燃焼できてないんじゃないとか、まだ辞めたくなかったんじゃないかとか、いろんなことを思わせてしまうじゃないかと思って、武道館という夢を少し諦めてしまったんです。でも、やっぱ夢は夢だし、ずっと思ってたことは消えてくれなくて。武道館の発表があったときは本当にうれしくて。うれしいと思って泣いてる自分を客観的に見たときに、叶えたい夢がまだあったんだと改めて感じられて、アイドルをしっかりやってこれたんだな、愛を持ってグループにいれたんだなあと実感できました」と心の中を吐露。中村は「こうやって5人でライブをしていける回数も少なくなってきたけど、ニジマスとファンの方でまだまだ楽しい思い出を作っていきましょう」とファンに呼びかけ、リーダーである江嶋は「新曲(『未来へのハーモニー』)の歌詞にもある通り、がんばれば全部が報われるわけじゃないけど、日々努力をして、チャンスが来たときにそこにいかに飛びつけるかが大事なんだなってこのライブを通して思いました。たくさん大変なことがあったけど、こうやって武道館で、このメンバーで、笑顔でアイドルができていることが私にとっては誇りだし、努力してきたことは無駄じゃないなって思います」と顔に充足感をにじませながら挨拶した。

万感の思いを言葉に紡いだ5人はペンライトの色を白に変えるよう観客にお願いすると、来栖の「ありたっけの愛を込めて歌います」という曲振りをきっかけに「心から」を歌唱。客席の隅々にまで手を振りながら「君に逢えて良かった」と歌いかけた。そしてニジマスの最初で最後の日本武道館公演を締めくくったのは、弾けるようなサマーチューン「ちゅるサマ!」。この瞬間を祝福するように、ステージからは勢いよく銀テープが放たれた。メンバーはファンと一緒になって元気いっぱいにジャンプし、日本武道館に心地よい一体感を作り出していた。

26時のマスカレイド「The Last Year 特別公演『26時のマスカレイド×日本武道館』」2022年9月14日 日本武道館 セットリスト

01. B dash!
02. ハローハロー
03. GoWay
04. チャプチャパ
05. ハナイチモンメ
06. ゼンキンセン
07. 二人だけの初めてをもっと
08. 仮面に隠れたセレナーデ
09. エンジェルナンバー
10. スノウメモリー
11. 妄想シンドローム
12. 七色のツボミ
13. マスカレイドは眠らない
14. 未来へのハーモニー
15. 君は青のままで
16. ダンデライオンに恋を
17. ハートサングラス
<アンコール>
18. ニジマスエモーション
19. 心から
20. ちゅるサマ!

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