私立恵比寿中学の柏木ひなたプロデュースによるライブ「私立恵比寿中学 柏木ひなたプロデュース企画『101112~平成いそきんトリオ集結~』」が、10月30日に千葉・市川市文化会館にて開催された。
12月16日に千葉・幕張メッセ 幕張イベントホールで行われるライブをもって、エビ中から“転校”(脱退)することが決定している柏木。本公演は転校を控えた柏木が4公演にわたってプロデュースするライブの第2弾で、2016年12月22、23日に東京・国立代々木競技場第一体育館で開催したワンマンライブ「私立恵比寿中学 クリスマス大学芸会2016『エビ中のオーシャンズガイド』」で披露されたユニット・平成いそきんトリオのメンバーである柏木、小林歌穂、中山莉子が出演した。会場に集まった大勢のエビ中ファミリー(私立恵比寿中学ファンの呼称)のみならず、生配信を通して全国のファミリーが約6年ぶりのいそきんトリオ集結のステージをリアルタイムで見届けた。
エビ中のライブでお馴染みのSE「ebiture」が流れると、ステージの左右から柏木と中山が華麗な側転を決めて登場。小林は「やってきましたー! いそきんトリオ集結!」と叫びながらステージに現れた。驚きの登場シーンを経て、3人はエビ中結成当時からのレパートリー「ダイビング」でライブをスタートさせる。そのまま小林と中山がエビ中に加入して最初にリリースされたシングル曲「バタフライエフェクト」をクールにパフォーマンスし、オーディエンスの視線を釘付けにした。ロングバージョンで行われた自己紹介では、小林が「平成いそきんの左触手担当です」と自身を紹介。“担当触手”があったことを知らなかった2人は驚き、自分の担当がどこの部位であるかを確認した。それぞれが身にまとうスポーティな衣装には3人のメンバーカラーがちりばめられていることに柏木が気付くも、中山の衣装には小林のメンバーカラーである黄色が入っていないことが発覚。それを悲しんだ小林が「今日はもう莉子ちゃんって呼ばないよ。右いそきんって呼ぶから」と言葉を投げると、中山は「呼びやがれ」と返してエビ中ファミリーの笑いを誘った。
「青い青い星の名前」でライブを再開させたメンバーは伸び伸びとした歌声を響かせ、「I'm your MANAGER!!!」「テブラデスキー~青春リバティ~」と長らく披露されていなかった楽曲を次々に披露した。大きなステージを縦横無尽に使用し、元気いっぱいな姿を見せる3人。怒涛の展開に会場内の熱気は曲を追うごとに増していく。「ちちんぷい」ではコロナ禍前に、曲のイントロ部分で観客がコールしていた“ダンソンMIX”を、声が出せないファミリーに代わって柏木が筆頭となり3人でコールするなど、コミカルな面でも全力のパフォーマンスを見せた。
「すっごいブロックでした」と語るいそきんトリオに、客席からは大きな拍手が送られた。中山はエビ中加入前から「I'm your MANAGER!!!」が大好きで、この日のセットリストにどうしても取り入れたかったと話しつつも、同じく大好きな楽曲「踊るガリ勉中学生」も取り入れたらよかったと悔しそうに顔をしかめる。そして中山は唐突に体力の限界を訴え、ステージの外へ。取り残された柏木と小林は「まだ6曲しかやってないのに」「自分の好きな曲やれたから安心しちゃったんじゃない?」と話し、「じゃあ2人で歌っちゃおう!」とユニットパートへ突入した。2人がデュエットしたのは、小林が大好きだという「リフレインが、ずっと」。丁寧にしっとりとこの曲を歌い上げ、会場をムーディな雰囲気に包んだ。再び中山が加わると、続いては「でかどんでん」へ。ここでは小林が冒頭パートのみでステージを去り、柏木と中山が2人だけでパワフルに弾けるパフォーマンスを披露した。
前半戦を怒涛の勢いで駆け抜けたいそきんトリオは、ここからはゆったりとした曲を歌っていくと宣言。その言葉通りに3人は「お願いジーザス」「宇宙は砂時計」とバラードソングでゆったりとおおらかな歌声を響かせ、さらに「結ばれた想い」を繊細に歌い上げた。続く「23回目のサマーナイト」を歌い終えたところで、柏木は次が最後のブロックであることを客席に告げる。楽しい時間があっという間に過ぎていくことに3人は寂しさを見せつつ、この公演でどうしてもやりたかった曲がこのあと控えていると気を取り直し、ラストブロックへ。中山の「曲が流れ出したらすっごいザワザワしそうな気がする……」という言葉に、ファミリーは期待を募らせながら暗転したステージを見つめた。
小林の熱望で選ばれたという「チュパカブラ」のイントロが流れ出すと、中山の予想通り会場にはどよめきが。3人は会場にいる誰よりも楽しそうな様子で、ときに笑い声混じりに天真爛漫なパフォーマンスを披露した。これまたレアな「フォーエバー中坊」でファミリーをさらに熱狂の渦に巻き込んだいそきんトリオは、最後にユニット結成のきっかけとなった曲「たまげた恋のエルニーニョ」をアクティブに歌い上げた。その後3人はメンバーの直筆サイン入りTシャツを来場者にプレゼントする抽選企画を行い、真ん中に立った柏木は2人を代弁して感謝の気持ちを告げる。深々と頭を下げる柏木にならい小林も頭を深く下げたが、中山はそんな2人の様子に気が付かず端の方で客席に手を振る。2人が頭を下げて挨拶していたことに気が付いた中山は「あっ!」と声を漏らし、慌てて深く頭を下げ、最後までにぎやかなムードでライブを締めくくった。
スクリーンに流れていた3人の生写真撮影のメイキング映像が終わると、これまでのエビ中のライブで時折使われていたSE「matsuriture」が響く。それに合わせて真山りかが勢いよく飛び出してくると、続けて安本彩花、星名美怜が元気いっぱいに現れ、柏木、小林、中山も笑顔でステージに再登場した。ファミリーはサプライズゲストの登場に驚くも、手に握ったサイリウムを大きく振り喜びを露わに。6人は「シンガロン・シンガソン」で明るくアンコールをスタートさせた。「シンガロン・シンガソン」は、6人体制になる直前の2017年11月にリリースされた楽曲。柏木はこのプロデュース公演でやってほしいことをSNSを通じてエビ中ファミリーに問いかけた際、自身のソロ曲「Fantastic Baby Love」に次ぐ勢いで「6人のライブを最後にもう一度観たい」という声が挙がっていたと話し、急遽本公演のゲストに真山、安本、星名を招いたと語った。
真山の「6人の過去、そしてエビ中のこれからに道連れしちゃうぞ」という曲振りから、6人は「自由へ道連れ」をパワフルに歌唱。メンバー自ら作詞した「HISTORY」では思いのこもった歌声を高らかに響かせた。安本の曲振りから「星の数え方」で透明感のあふれる歌声を会場の隅から隅まで響かせ、エビ中屈指のエモーショナルなナンバー「ジャンプ」では力強いパフォーマンスを見せる。畳みかけるように歌い上げられた「響」では、ポジティブなムードに満ちたメロディに乗せて晴れやかな表情を見せた。涙ながらに6人時代の思い出を振り返った柏木の「本日ラストの曲です」という言葉に続いて歌われたのは「イッショウトモダチ」。友人との別れを歌うこの選曲で、場内には温かくも寂しい空気が漂う。最後は青色の銀テープが彼女たちの心に寄り添うように降り注いだ。
6人での挨拶を終えると、ゲストで登場した真山、安本、星名は先にステージをあとに。残った3人は改めていそきんトリオでの公演を振り返る。小林はとにかく「チュパカブラ」をやれたことを喜び、中山は「ひなたちゃんがいるとすごく頼もしい」と思いを語った。柏木は自身にとって初めての後輩である2人のお陰で人として成長できたとしみじみと話し、小林と中山に感謝の思いを告げた。予想外のゲストの参戦にも温かい眼差しを向けてくれたファミリーに感謝の気持ちを伝えた3人は笑顔でステージをあとに。終演後のスクリーンには3人の写真と、柏木の「かほちゃん りこちゃん 8年間ありがとうね♡」という直筆のメッセージが映し出され、ライブのエンディングを飾った。
「私立恵比寿中学 柏木ひなたプロデュース企画『101112~平成いそきんトリオ集結~』」2022年10月30日 市川市文化会館 セットリスト
01. ダイビング
02. バタフライエフェクト
03. 青い青い星の名前
04. I'm your MANAGER!!!
05. テブラデスキー~青春リバティ~
06. ちちんぷい
07. リフレインが、ずっと
08. でかどんでん
09. お願いジーザス
10. 宇宙は砂時計
11. 結ばれた想い
12. 23回目のサマーナイト
13. チュパカブラ
14. フォーエバー中坊
15. たまげた恋のエルニーニョ
<アンコール>
16. シンガロン・シンガソン
17. 自由へ道連れ
18. HISTORY
19. 星の数え方
20. ジャンプ
21. 響
22. イッショウトモダチ
私立恵比寿中学 柏木ひなたプロデュース公演「10131415~BOSSと子分たち~」
2022年11月12日(土)東京都 立川ステージガーデン
<出演者>
柏木ひなた / 桜木心菜 / 小久保柚乃 / 風見和香
私立恵比寿中学 柏木ひなたプロデュース公演「柏木ひなた EBICHU 12th Anniversary Live Let's laugh together forever!!!!!!!!!!」
2022年11月28日(月)東京都 中野サンプラザホール
<出演者>
柏木ひなた
※記事初出時より写真を1枚削除しました。