WONKの長塚健斗(Vo)が開発に参加したチーズケーキ「CHEESE WONDER BLACK meets EPISTROPH」のメディア向け発表会が東京・渋谷スクランブルスクエアで行われた。
CHEESE WONDERはザクザクとした食感のクッキー生地、生チーズムース、生チーズスフレを組み合わせたユートピアアグリカルチャーによるチーズケーキ。昨年も冬季限定フレーバーとしてCHEESE WONDER BLACKが販売された。12月2日より販売される今回のコラボ商品はショコラがテーマで、ユートピアアグリカルチャーの牧場で採れる牛乳や卵を使ったチーズケーキに、長塚がセレクトした金沢のビーントゥーバーチョコレート専門店・ FILFILのチョコレートをふんだんにトッピングしたチョコレートチーズケーキに仕上がっている。
商品名に冠されているEPISTROPHはWONKが所属しているクリエイティブレーベル。音楽事業のほか、アパレルブランド、オリジナルブレンドコーヒーシリーズ、フレグランス、調理道具などのプロデュースも行っている。長塚はこのレーベルについて「WONKメンバーで立ち上げて運営しておりまして、僕が元料理人と言うこともあって、食には力を入れています。先日、馬喰町にあるDDD HOTELというホテル内にphaseというラウンジバーもオープンすることができました」と直近の事業内容を説明した。
CHEESE WONDER BLACKとのコラボ依頼を受けた際のエピソードについては、「ここ数年、チーズケーキが流行っていたり、コロナ禍でいろんなレストランさんが店舗以外の場所でどうやって店の味を届けることができるかを悩んでいたりする時期で。そんな中で自分は、ミシュランで星を獲得しているような店が販売しているワンホール何千円のケーキを食べ比べて、コーヒーのペアリングなどを研究していたタイミングでコラボのお声がけをいただいたんですよ」と語り、普段から食の研究に余念がない様子。続けてCHEESE WONDERについて「普段はあまり甘いものは食べないんですけど、チーズケーキは好きな部類なんです。でもお話をいただいた当時、CHEESE WONDERは食べたことがなくて。人気すぎてそもそも手に入らないんですよね(笑)。初めて食べたときは『こんなにおいしいんだ』と衝撃を受けました。ムースやスフレももちろんおいしいんですけど、何よりクッキー生地がおいしい。クオリティが高くて、どうやって作ってるんだろうと気になって調べました。そしたら牛を育てるところからやっていると知って、安心できるというか、信頼を置けるなと思いました。原材料を作るところから始める人って行き着くところまで行き着いたみたいな感じがするというか、狭い部屋なのに大きいアナログシンセ買っちゃう人みたいな感じがして」と語った。
CHEESE WONDER BLACK meets EPISTROPHの監修について「まずどの部分を僕がいじって大丈夫なのかというところからスタートして。ベースはすでに決まっていて、上にかけるチョコレートの品種やほかに何かできる施策があるのではというところを考えました。そもそも中身のクオリティが高すぎていじるポイントがないんですよ(笑)。だからチーズケーキやクッキー生地の食感や香りに寄り添ってくれて、かつ驚きもあるようなチョコレートを探すことが僕のやるべきところだなと。それで僕の好きなチョコレートのお店を数店舗ピックアップして、その結果FILFILさんのチョコレートが一番マッチするなと思ったんです」と熱弁した。
フランス料理のシェフ経験がある長塚。彼はFILFILを選んだ理由について、「そもそもFILFILは、ワンオペでやっている金沢のフレンチレストラン・フィルドールのシェフがやっているブランドで。僕、彼の料理がすごく大好きなんですよ。よく一緒に飲んだりもする仲で、本人からいろいろ話を聞けたこともあってここに決めました」と自身のルーツと親和性のあるシェフと会話を重ねたことが決め手になったと明かす。さらに「キャッチーな味であることが大事だと伺っていたので、難しい味わいのチョコレートではなく、チョコレートらしいビター感やまろやかさ、ベトナムの品種らしいベリー感がCHEESE WONDER BLACKにマッチしたのではないかと思います」と自信を覗かせた。
phaseでは12月2日から12月25日にかけて、CHEESE WONDER BLACK meets EPISTROPHと長塚が考案したドリンクとのペアリングセットを提供する。長塚はこのドリンクについて「チーズケーキに力強く寄り添えるような、コーヒーや紅茶のように少し苦味があるものがよくて。でもシンプルにコーヒーや紅茶がゴリっと効いているだけでは面白くないなと思ったんです。カクテルって甘く作ることが多いと思うんですけど、ワインベースのシロップを使って、ベリー感、適度なビター感や酸味が効いたショートカクテルを用意しました。ぜひCHEESE WONDER BLACKを食べに来て、phaseで2杯目3杯目も飲んでほしいですね」とアピールした。
CHEESE WONDER BLACKとのコラボをWONKメンバーに伝えた際のエピソードを問われると、長塚は「『うまいんだよー』と伝えたら、メンバーからは『いやまだ食べてないからなんも言えないわ俺ら。いいから食わせろ!』とめっちゃ言われました(笑)」と笑顔を見せる。さらに普段食について話をするアーティスト仲間がいるかを聞かれ、「いますよ! 休日課長(ゲスの極み乙女。、DADARAY、ichikoro)さんとか。けっこう周りで料理をやっているミュージシャンって多くて。蔦谷好位置さんとか、清塚信也さんとか。こういう方々にも(phaseに)絶対食べに来てねと言ってます」と語った。
長塚は最後に音楽と料理の共通点について「素材選びと音選びって近いんです。料理を作って1皿に盛り付けるのは1曲を作るのと同じだし、コースはアルバム。脳みその使い方は一緒だなと思います。今回僕がチョコレートを選ぶ基準にしたのは、素材のストーリーや背景があったうえでどういう味わいなのかというところ。そういう優先順位の付け方も音楽における考え方と近しいので、音楽を作るうえで大事にしている部分が食にも現れていると思いますね」と述べた。