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これのドラムを聞け!5秒だけでもいい Vol. 2 komakiの音楽遍歴がわかる6曲

komaki
約1年前2023年02月22日 3:03

楽曲のリズムやノリを作り出すうえでの屋台骨として非常に重要なドラムだけど、ひと叩きで楽曲の世界観に引き込むイントロや、サビ前にアクセントを付けるフィルインも聴きどころの1つ。そこで、この連載ではドラマーとして活躍するミュージシャンに、「この部分のドラムをぜひ聴いてほしい!」と思う曲を教えてもらいます。第2回は、tricotの元ドラマーで、現在はSUGIZOや日食なつこ、清春といったアーティストのサポートを務めるkomakiさんに、オススメの楽曲を挙げてもらいました。

構成 / 丸澤嘉明

ドラムフレーズが好きな曲とその理由

Van Halen「hot for Teacher」

中学生のときに吹奏楽部の顧問が貸してくれたCDで、もっとも衝撃を受けたイントロです。
初めはイントロの音がドラムかどうかもわからなかったですし、音数がすごくて5人くらいで叩いているのだと思っていました。当時はネットもない時代だったので、このフレーズを1人で叩けるのだと知ったのは大人になってからでした(笑)。

Dream Theater「instrumedley」

そんな音数のカッコよさに魅了された中学時代を過ごした僕は、高校生になると曲自体の複雑さや、多点キット(シンバルやタムがたくさん)にも憧れるようになりました。そんなとき「Modern drummer festival 2003」のDVDに収録されているマイク・ポートノイのプレイと、巨大なドラムセットに圧倒されました。さらに、楽曲は単に複雑なだけでなく、オーケストラの交響曲をも彷彿とさせる表現の幅広さに驚かされました。この曲はライブ版がリリースされているので、ぜひ映像でも観ていただきたい1曲です!

MISIA「everything」

高校を卒業してライブハウスでアルバイトをしていたときに、ドラマーの先輩とこの曲のライブ映像を一緒に観る機会がありました。当時は若かったこともあり「手数こそが正義」だと思っていた僕の心に、初めてシンプルなフレーズが心に刺さった瞬間でした。この曲を機に自分の表現の幅をもっと広げたいと思うようになりました。

フィルインやキメはもちろんどこをとっても素晴らしいのですが、それ以外のシンプルな8ビートをぜひ堪能していただきたいです。

tricot「99.974℃」

ここからは僕の楽曲の紹介をさせてください。

そんなシンプルなフレーズにも憧れていた僕ですが、やはり複雑で手数が多いことがやりたいという初期衝動を抑えることはできず、己の感性と欲望のすべてを注ぎ込んだ楽曲です(笑)。
20代後半で得た知性と、隠しきれない攻撃性が1つになったライブ映像です。

2:13~の、サビに入る直前の「タメ」が好きです。

日食なつこ「水流のロック」

自身のバンド活動を終え、上京をしてから初めてのレコーディングがこの曲でした。

編成は「歌とピアノとドラムだけ」。ドラムは複雑すぎると邪魔になるし、シンプルすぎても味気なくなってしまうという状況でしたが、今まで影響を受けてきた楽曲や、バンドで経験してきたことを絶妙なバランスで融合させることができたこれまでの人生の集大成とも言える1曲です。

リリースから8年以上が経ちますが、今でも僕の代表曲であり続けています。
1:17~のフレーズが自他共に認める絶妙なフレーズです(笑)。

SUGIZO feat. 清春「VOICE」

上京からしばらくして、SUGIZOさんのソロ活動に参加するという夢のような機会が訪れました。
何を隠そう、1986年生まれの僕の思春期はヴィジュアルシーン全盛期。影響を受けないわけがありません。そんな天にも昇る気持ちに畳みかけるように、アルバムレコーディングで清春さんともご一緒することになりました。そしてこの曲がきっかけで、今では清春さんのソロ活動にも参加させていただくことになり、僕のドラマー人生にとって大切な曲になりました。

そして、この曲をおすすめしたい理由はレコーディング方法にもあります。
本来ドラムとはたくさんの楽器を両手足で同時に演奏しますが、このレコーディングではスネア、ハイハット、バスドラ、シンバル、その他タム類を別々に演奏しました。

このようなレコーディング方法は初めてでとても苦戦しましたが、分離感のある音像や、本来なら再現できないフレーズを収録できたりと、新しい発見がたくさんありました。

できれば、少しでもいいスピーカーやヘッドフォンで聴いていただけると、余すことなく楽しんでいただけると思います。

自身でドラムフレーズをプレイする際に意識していること

一緒に演奏するアーティストや楽曲によって、komakiを表現するのか、アーティストを引き立たせるのかなどの抜き差しのバランスを大切にしています。それはライブでもレコーディングでのフレーズ作りでも同じですね。

今現在気になっているドラマー

今僕が目指している理想に一番近いところにいるのがベニー・グレブです。
彼の表現の手法と深さを僕もいつか手に入れたいです。

komaki

1986年生まれ、京都出身のドラマー。中学時代に吹奏楽で音楽活動をスタートする。SONYのオーディションに合格後、さまざまなアーティストのサポートを経て、2011年にtricotに加入。自主レーベルの立ち上げや海外ツアーなど、精力的に活動する。脱退後は東京に拠点を移し、現在はSUGIZO、日食なつこ、清春、空白ごっこ、女王蜂といったアーティストのサポートを務めている。
komaki official
komaki_drums_Japan (@komaki1986) / Twitter

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