鈴木絢音(乃木坂46)の書籍「言葉の海をさまよう」の刊行を記念した囲み取材が東京・紀伊國屋書店新宿本店で行われた。
3月7日に発売された「言葉の海をさまよう」は辞書が好きな鈴木が辞書作りに携わる人々と対談してきた、「小説幻冬」の連載企画を1冊にまとめたもの。辞書や教科書の出版社で知られる三省堂のバックアップのもと、鈴木が辞書の編纂者、編集者、校正者、印刷会社社員、デザイナーなどに話を聞く様子が掲載されている。さらに本作には、鈴木が辞書への愛を語る書き下ろしエッセイや、彼女の1st写真集「光の角度」で撮影を担当した写真家・新津保建秀が「文学少女の休日」をテーマに撮り下ろした16ページ分のカットも収められている。
鈴木は「辞書……大好きです」と改めて辞書への愛を言葉にしつつも少し歯切れが悪い。その理由について「辞書に関わるいろんな人たちと対談して、私なんかが好きと言っていいのかと自信を持てなくなってしまったところはあります」と本音を明かしつつ、対談を振り返って「もともと辞書の中身が好きだったんですけど、印刷所の方とか外側を作るような人たちにもお話をうかがって物としての辞書を好きになりました。カバーだったり文字の配列だったりそういう細かいところにも美しさを見出だせるようになりました。大きい声では言えないですけど(辞書が)もっと大好きになりました」と語った。
普段、読書感覚で辞書に目を通しているという鈴木は、「辞書は毎晩読ませていただいています。言葉を調べるために辞書を開くこともあるけど、最近はどちらかと言うと読み物として見ていますね」と話しつつ、「よく『辞書は家族以上の存在』って言うんですけど、そうすると『家族に失礼』と言われるので……誰かに相談するのが恥ずかしいときに相談できる相手、もはや友達だなと思っています」と柔らかな表情で述べた。
また鈴木は3月28日に乃木坂46を卒業する心境について「寂しいなと思う部分もありつつ、自分自身と乃木坂がどう進んでいくのか、未来を楽しみに思うようになりました」と語り、乃木坂46での日々を思い返し「ホントに楽しい10年だったなと思います。1人でいることに対して寂しいと感じない強い人間だったんですけど、グループに入ってたくさんの方の優しさに触れたからこそ、『孤独感ってこういうことなんだな』と気付けて、ちょっとだけ人間らしくなったなと思います。たくさんの方から愛をもらった証拠です」とメンバーへの惜しみない愛情も言葉にした。