パンダドラゴンのホールツアー「THE PARAGON KITCHEN」のファイナル公演が、4月22日に東京・パルテノン多摩で開催された。
「THE PARAGON KITCHEN」はパンダドラゴンにとって初のホールツアー。1部がトークメイン、2部がライブメインの構成で全国4都市にて展開された。グループ結成5周年の当日に開催されたファイナル公演は両部ともにチケット完売。ライブの模様はStreaming+で生中継も行われ、会場に集まった多くのヴィーナスとゼウス(パンダドラゴンファンの呼称)のみならず、全国各地のファンがリアルタイムで6人のステージを見届けた。この記事では第2部の模様をレポートする。
ツアータイトルに「KITCHEN」とある通り、このツアーは“料理”がコンセプト。なるき、ようた、なぎ、ぱっち、たいが、あづの6人はシェフとなり、キッチン風のステージで“コース料理”を振る舞っていく。玉屋2060%(Wienners)提供のアッパーチューン「パLIFE!パLIKE!パLOUGH!パLOVE!」で元気いっぱいにライブをスタートさせた6人は、何ができあがるかはわからない“料理”をこれから作り上げていくうえで大切な“火加減”がヴィーナスとゼウスの声援にかかっていると伝え、「レッツ?」「クッキング!」というコール&レスポンスから「エビバデDASH!!」「NEO TRAVELER」「(超)あいどる道中膝栗毛」とアップテンポなナンバーを3曲連続で畳みかける。「(超)あいどる道中膝栗毛」の曲中にはメンバーによる寸劇も行われ、ぱっちは1品目のタコさんフライ返しを完成させた。バックバンド・わんちゃんわんわんねこにゃんにゃんによるパワフルな演奏とユーモアあふれるパフォーマンスで、ライブは冒頭からパラゴンらしいにぎやかな盛り上がりを見せた。
6人はここで一旦バンドメンバーを見送り、「続いては産地直送で新鮮なこちらをお届けしたいと思います」と、あづの作詞で等身大の葛藤を描いた「SPEECH」をエモーショナルに歌唱。レーザー光線が場内を飛び交う中で披露された「熱血!ドラゴン・ブートキャンプ」では、客席のヴィーナスとゼウスもメンバーと同じ勢いで手に持ったペンライトを振り、一体感のあふれる光景が広がった。全力のパフォーマンスでメンバーは息も絶え絶え。ぱっちが「ステージのボルテージも上がっていれば、メンバーの息も相当上がっておりますけど……」と話すと、あづは座り込みながらも「盛り上がってくれてありがとう!」とファンへの感謝を叫んだ。声援に応えて立ち上がった6人は「輪舞曲~Black out~」を妖艶に歌い、セクシーな一面も見せつける。続けて「恋はバンジージャンプ」「ぽっぴんLOVE☆」「幸せならOKです!」とバラエティに富んだラブソング3曲を弾けるように歌い、ここまで7曲の“料理”で完成した2品目をステージに運び込む。クローシュの蓋を開けてメンバーが取り出したのは、2月に発売された3rdアルバム「FEBRUARY」。このブロックがアルバムの収録曲から構成されていたことを説明し、なるきが「料理を作るつもりがCDできちゃったねー」と和やかに2品目への感想を話すと、大きな笑い声で満ちた。
ステージに再びバックバンドが登場したところで、6人は「7曲も連続で踊ってお腹すいちゃったね」と顔を見合わせる。そして「そろそろメインディッシュに行こう!」と、冒頭でも行った「レッツ?」「クッキング!」というコール&レスポンスを再度決めて「サファリズム DE ね~しょん!!」をパワフルに歌い踊った。続く「VIVA! チャイナ」では曲中、ステージに運び込まれた銅鑼をなぎが豪快に打ち鳴らす。コースの3、4品目として運ばれてきたのは坦々麺とナポリタン。さらに6人は、なぎの「気分変わっちゃった……」「スイーツが食べたい!」という言葉からスイーツ作りへ。生クリーム、いちご、ハチミツと必要な材料を上げていると、ステージ袖に消えていたたいがが蜂のカチューシャを頭に付け、童謡「ぶんぶんぶん」の替え歌を口ずさみながらステージの中央に現れる。たいが改め“たいびー”が「あなたたち、ときめきが足りてないわ!」とメンバーに蜂のカチューシャを手渡すと、6人は「“パンダドラビー”はハチミツを探すための旅に出ます!」と「ハニーピエロ」をパフォーマンス。さらにカチューシャを外した彼らは、あふれる愛を歌う「ダイスキ☆シンドローム」、バレンタインをテーマにした「決戦!ヴァレンティーノ」で思いを込めた歌声を届けた。この3曲の“冒険”で無事にハチミツを手に入れてできあがったのはホールケーキ。ぱっちは「これにて『THE PARAGON KITCHEN』のフルコースは完成しました!」と晴れやかに宣言した。
これでライブは大団円と思われたが、たいがが「あのさー? まだ『ごちそうさま』が聞こえてなくなくない?」と割り込み、6人はフルコースに追加してもう1品作り上げることに。わんちゃんわんわんねこにゃんにゃんが本ツアーのために提供した新曲「Cookin'ぐーぐー」を最後に歌い、「ごちそうさまでした!」というヴィーナスとゼウスの声に「おそまつさまでした!」と返してライブを締めくくった。
「アンコール!」の大歓声を受けて再びステージに上がったパラゴンは、これまで彼らの楽曲を数多く手がけてきた阿久津健太郎をスペシャルゲストとして招き入れる。そのまま阿久津の弾き語りをバックに「恋、サクラ前線。」を披露し、6人は柔らかな歌声で場内を包み込んだ。阿久津とのコラボをひとしきり喜んだ彼らは、さらにわんちゃんわんわんねこにゃんにゃんを呼び込み、出演者全員で「桜Ambitious」をパフォーマンスした。
阿久津とバックバンドを見送ったメンバーは、1人ひとり公演を振り返る。あづは「パンダドラゴンでいれることが本当に支えだし、まだまだ叶えたい夢がたくさん出てきて、僕はどんどん欲が出てしまうので、できる限りの人を幸せにしたいなって思ってしまうんですね。だからこれからもパンダドラゴンと関わってくれてる、すべての人が幸せであってくれたらうれしい」と涙ながらに思いを語った。周年ライブを迎えるごとに上京してきたことを思い出すというなるきは、「5年前に僕が感じていたことは今も変わらないなって、すごくこのツアー中を通して感じたんですよね。自分を変えたい!って上京してアイドルになって、変わったところもいっぱいあるとは思うんですけど、自分のアイドルの中の考え、誰かの元気の源になれるようなるアイドルになる!と思って上京してきた、その気持ちはずっと変わらず5年間やれてこれてるんです」と話し、それを感じたのはファンのおかげだと感謝の思いを伝えた。
ようたは「ファイナルまで全員で駆け抜けたぞー!」と高々と拳を掲げて陽気に話を始めるも、あまり弱みを人に見せるのが好きじゃなかったこと、もともと教職に就いていたこと、リーダーという立場から「自分がしっかりしなきゃ!」と思っていたと内に秘めていた思いを明かす。頼もしいメンバーのおかげで秘めた感情を曝け出せるようになったという彼は、「これからもポンコツは出ちゃうかもしれないけど、自分らしさを忘れずにがんばっていきたいなと思います」と前向きな思いを語った。
それぞれの言葉でメッセージを伝えた6人は、ヴィーナスとゼウスへのうれしいお知らせとして、7月に8thシングル「愉快痛快!ホアロハ!」の発売が決定したことを報告。7thシングル「万国みゅ~じっく」でセンターを務めたなぎから引き継ぎが行われ、ニューシングルのセンターをようたが務めることが明らかになると、ヴィーナスとゼウスはようたに大きな歓声を送った。そしてパラゴンは最後にもう1曲、阿久津がプロデュースし槙田紗子が振付を手がけたニューシングルの表題曲「愉快痛快!ホアロハ!」をパフォーマンス。さわやかな笑顔でステージを終えた。
なお当日Streaming+で生配信されたこの日のライブの映像は、4月28日23:59までアーカイブされている。
パンダドラゴン「THE PARAGON KITCHEN」2023年4月22日 パルテノン多摩 セットリスト
01. パLIFE!パLIKE!パLOUGH!パLOVE!
02. エビバデDASH!!
03. NEO TRAVELER
04. (超)あいどる道中膝栗毛
05. SPEECH
06. ない♡Night
07. 熱血!ドラゴン・ブートキャンプ
08. 輪舞曲~Black out~
09. 恋はバンジージャンプ
10. ぽっぴんLOVE☆
11. 幸せならOKです!
12. サファリズム DE ね~しょん!!
13. VIVA! チャイナ
14. ハニーピエロ
15. ダイスキ☆シンドローム
16. 決戦!ヴァレンティーノ
17. Cookin'ぐーぐー
<アンコール>
18. 恋、サクラ前線。
19. 桜Ambitious
20. 愉快痛快!ホアロハ!