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amazarashi、感動を誘ったアコースティックライブ「騒々しい無人」

amazarashi「騒々しい無人」の様子。(Photo by Victor Nomoto)
1年以上前2023年06月12日 9:01

amazarashiが6月8日に東京・東京ガーデンシアターで弾き語りライブ「amazarashi Acoustic Live『騒々しい無人』」を開催した。

amazarashiの中心人物である秋田ひろむが弾き語りライブを行うのは、2020年12月に開催された配信ライブ「末法独唱 雨天決行」以来約2年半ぶりのこと。有観客での開催は2017年12月に千葉・舞浜アンフィシアターで行われた「理論武装解除」以来、実に約5年半ぶりとなった。

梅雨入りしたばかりの東京で小雨がぱらつく中、世代や性別を問わず多くのファンが東京ガーデンシアターに集結。開演前の場内ではアリーナエリアから1~3階席まで満員の光景が広がった。通常のバンド編成とは異なる弾き語りライブでどんな楽曲が披露されるのか、そんな期待を抱いたファンは、静かにライブのスタートを待った。場内が暗転すると、ステージ中央に薄暗いスポットライトが落とされ、つばの大きなハットを被った秋田ひろむの姿が。多くのファンから拍手を浴びる彼は、アコースティックギターを抱えてまず「ジュブナイル」を届け、「ありがとうございます。amazarashiの秋田ひろむです」と挨拶した。ステージ後方に巨大なスクリーンがあり、薄い紗幕が秋田を囲むように張られている。スクリーンや紗幕には歌詞のタイポグラフィや、楽曲の世界観に寄り添う映像が映し出され、秋田の演奏が彩られた。

秋田は2曲目の「たられば」を歌い終えたあと、この公演のために古い曲もやろうと考えていたと語る。彼は時間が経つとあまり好きでなかった曲も受け止め方が変わることがあるといった思いを述べてから「そんな曲です」と紹介し、「隅田川」を披露。スクリーンには次々に打ち上がる色とりどりの大きな花火が映し出された。「リビングデッド」では、大きな鎖の映像と歌詞のタイポグラフィが踊り、さらに「死」にまつわる等身大の思いを歌う「僕が死のうと思ったのは」では秋田の左右で映像演出ではない本物の炎がゆらゆらと揺れた。

「季節は次々死んでいく」などを1人で演奏し続けた秋田だったが、10曲目「ひろ」では突然ピアノの伴奏が流れ、薄暗いスポットライトが豊川真奈美(Key)に当たる。秋田はピアノの音色に乗せて、19歳で亡くなった友人に捧げる同曲を力強く歌い上げた。続く「帰ってこいよ」ではスクリーンに秋田の地元である青森の街並みが次々に映し出され、郷愁を誘った。その後、秋田は路上ライブを行っていた時期を経て、挫折を経験した東京での思い出をつづった「さくら」の演奏前、「あの頃の夢を今、生きています」と述懐。この曲の演奏中、多くの観客が秋田の歌声を味わいながら、スクリーンで咲き乱れる満開の桜を眺めた。

ライブ終盤、「馬鹿騒ぎはもう終わり」ではほかのバンドメンバーも加わり、アコースティックバンドへと編成が変わる。秋田は信頼するメンバーたちの演奏をバックに、丁寧に言葉を紡いでいく。「スワイプ」「夕立旅立ち」を披露したあと、最後には再び1人になった秋田は、「皆さんにとってamazarashiは、たくさんいる中のいちアーティストかもしれないですけど、わいにとってはもちろん人生で。皆さんの人生とわいの人生がたまに交わるのがライブだと思っています。『また次』と言っても、今年じゃなくても、来年じゃなくても、10年後でも、20年後でも全然いいんで、また会えることを楽しみにしています。それまで生き延びてください」と話し、ステージ後方に現れた無機質なセットをバックに「アンチノミー」を披露。秋田は最後に「ありがとうございました。amazarashiでした」と挨拶し、ゆっくりとステージを去った。終演後、来場者にはこの日のセットリストが記載されたポストカードが配布された。

なお7月5日にはamazarashiが昨年開催したホールツアー「amazarashi LIVE TOUR 2022『ロストボーイズ』」の模様を収録したライブBlu-ry / DVDがリリースされる。

amazarashi Acoustic Live「騒々しい無人」2023年6月8日 東京ガーデンシアター セットリスト

01. ジュブナイル
02. たられば
03. 隅田川
04. ロストボーイズ
05. リビングデッド
06. 僕が死のうと思ったのは
07. 季節は次々死んでいく
08. カシオピア係留所
09. そういう人になりたいぜ
10. ひろ
11. 帰ってこいよ
12. さくら
13. 馬鹿騒ぎはもう終わり
14. スワイプ
15. 夕立旅立ち
16. アンチノミー

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