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ano初ツアーで新曲次々に披露、声を震わせ「これはずっと僕が見てほしかった姿」

「SWEETSIDE SUICIDE」を歌うano。(撮影:鳥居洋介)
4か月前2023年07月29日 14:06

anoの全国ツアー「トキメキ偏愛♡復讐ツアー」が7月29日の大阪・梅田Shangri-La公演をもって閉幕した。これまでもI'sとしてツアーを行ったことはある彼女だが、ano名義でのツアーはこれが初。5都市のライブハウスを巡回し、各地で盛況を博してきた。この記事では、7月26日に行われCSテレ朝チャンネル1にて生中継された、東京・LIQUIDROOM公演の模様をレポートする。

このツアーではバックバンドとして、anoの多くの曲の制作に関わってきたTAKU INOUEがギター、「ちゅ、多様性。」のレコーディングメンバーである西浦謙助がドラムを担当。2人が勢いよくanoのソロデビュー曲「デリート」を演奏し始めると、彼女がステージに姿を現し、チケットが即完となってパンパンに埋まった会場に大歓声が湧き上がった。鬱々とつぶやくようなAメロから、一転して叫ぶように歌うエモーショナルなサビに突入すると、anoは力強く腕を突き上げながら満員のオーディエンスに声を届ける。さらにロックチューン「ンーィテンブセ」に続き、anoは全身で感情を発散するようなステージングを展開。「アパシー」を経て「Peek a boo」が始まると、2人の女性ダンサーもステージ上でパフォーマンスに参加し、この曲の持つ独特の世界観を表現した。

このツアーでは複数の新曲が披露されており、5曲目の「涙くん、今日もおはようっ」もその1つ。これは聴く者を励ましてくれるようなポップなロックナンバーで、間奏でanoはフロアに向けて「恵比寿! おはようっ!」とうれしそうに笑顔で声をかけていた。「普変」では最前列の柵の上に立ったanoが、フロアから伸びるたくさんの手につかまりながら観客を煽り、「AIDA」ではTAKU INOUEが奏でる美しいノイズの中で、anoが渾身の力を込めて歌い上げた。

ここでanoはステージを去り、ダンサーたちによるパフォーマンスがスタート。彼女たちがマクドナルドのマークが描かれた巨大な紙袋を舞台に持ち込むと、その紙を突き破って、衣装チェンジしたanoが再び現れた。ここまで比較的ロック色の強いセットリストでライブが進んできたが、ダンスチューン「スマイルあげない」を皮切りにポップな面を打ち出すような選曲に。音源化されていなかった「イート・スリープ・エスケープ」や、初披露の「コミュ賞センセーション」といった新曲を連発し、「コミュ賞センセーション」を歌う前には「適当なことをペラペラしゃべることはできるんですが、面と向かって本音でコミュニケーションを取るのはすごく苦手で、『ありがとう』というひと言ですら喉が詰まるような気持ちになります。でもだからこそ、ライブでこうやって直接気持ちを共有できるのはうれしいです。やっぱり僕はライブで表現することでしかいろんな気持ちを伝えられないので、これからもライブができたらいいなと思います」と、この新曲に込めた思いを明かした。

ライブ終盤には「絶対小悪魔コーデ」「ちゅ、多様性。」と人気曲が立て続けに披露され、フロアは熱狂の渦に。盛り上がりが絶頂を迎える中で、本編最後の曲として披露されたのは「F Wonderful World」だった。コール&レスポンスをするように多くの観客がanoとともに歌に参加し、anoは沸き上がるフロア目がけて勢いよくダイブ。会場がカオティックな雰囲気で包まれる中、ライブは一旦終了した。

熱烈なアンコールの声に応えてステージに戻ったanoは、「この1年くらいで自分の環境が変わって『僕はファンの人に向き合えてるのかな?』『音楽に向き合えてるのかな?』と思ってしまうことがすごくあって……」と語り始めた。そして1つひとつ言葉を選ぶようにゆっくりと「向き合えてるのかなっていう疑問で1日が終わるのがすごく嫌だった。それでも仕事はやってくるし、夜は暗い部屋で1人で寝れなくて」「こうやってライブをしてツアーをしてみんなに会いに行けて。これはずっと僕が見てほしかった姿だった。画面の中だけにいるのは苦しかった。もちろんそういうところで伝えられることもあるんだけど」「全部1人でやってる気持ちが強くて、本当に孤独に感じちゃってたんだけど、ライブでこうやって『みんながいるんだ』って思えたから、めげなくてよかったなって思います」と吐露。anoは止めどなくあふれる感情を言葉に変え、観客はしんと静まり返って彼女の震えた声にじっと耳を傾けていた。

そして最後に「僕のことを忘れたとしても、今日のこの空間のことを忘れないでいてほしいし、死にたくなっても今日のことを思い出して『あのとき死ななくてよかったな』と思ってもらえたらうれしいです」と語ったanoは、自ら作詞作曲した「SWEETSIDE SUICIDE」をアコースティックギターを弾きながら歌唱。目の前の1人ひとりに語りかけるように優しく繊細な声で歌い、曲が終わると「センキューベリベリanoでした! バイバイ!」と陽気に挨拶をしてステージを去った。ano名義での持ち歌すべてと新曲の計14曲を披露したこの初ツアー。お茶の間の人気者となったタレント“あのちゃん”とは違う、表現者“ano”としての魅力を短い時間の中で存分に盛り込んだ内容となった。

なお、このツアーの追加公演として、9月29日に大阪・GORILLA HALL OSAKA、10月1日に神奈川・KT Zepp Yokohamaにて「ano 1st TOUR追加公演『お手お座りでハイ♡報酬』」が開催されることが決定している。

ano 1st TOUR「トキメキ偏愛♡復讐ツアー」2023年7月26日 LIQUIDROOM セットリスト

01. デリート
02. ンーィテンブセ
03. アバシー
04. Peek a boo
05. 涙くん、今日もおはようっ
06. 普変
07. AIDA
08. スマイルあげない
09. イート・スリープ・エスケープ
10. コミュ賞センセーション
11. 絶対小悪魔コーデ
12. ちゅ、多様性。
13. F Wonderful World
<アンコール>
14. SWEETSIDE SUICIDE

ano 1st TOUR追加公演「お手お座りでハイ♡報酬」

2023年9月29日(金)大阪府 GORILLA HALL OSAKA
2023年10月1日(日)神奈川県 KT Zepp Yokohama

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