「KCON LA 2023」が、アメリカ・ロサンゼルスのCrypto.com Arenaとロサンゼルス・コンベンションセンターにて現地時間8月18日から20日にかけて開催された。本稿では、最終日である20日公演の模様をレポートする。DAY1、DAY2のレポートに引き続きお届けするこの記事にはネタバレが含まれているため、KCONオフィシャルYouTubeチャンネルでアーカイブの視聴を予定している人はご注意を。
DAY3公演には、EVERGLOW、(G)I-DLE、ITZY、JO1、Lapillus、Stray Kids、THE BOYZの7組が出演した。司会は昨年開催の「KCON LA 2022」でも進行役を務めたStray Kidsのリーダー・バンチャン。彼は晴れやかな表情で「美しいKCON-ers(KCONファンの呼称)の皆さんに会うためにLAに帰ってきました!」と客席を一望したのち、「皆さんは、ここで音楽の“真価”を見ることができるでしょう」というロマンチックな言葉を挨拶に代えた。
JO1
昨年8月、メンバー複数名の新型コロナウイルス陽性を受けて「KCON LA」出演キャンセルという苦渋の選択を強いられたJO1。そうした背景もあり、「KCON LA」は彼らにとって夢の舞台であると同時に、リベンジの場でもあった。JO1は、この“勝負の舞台”に新曲「RadioVision」と「Trigger」を携えステージへ。曲間のMCでは「Oh my gosh!!」などとメンバーは口々に感嘆の声を上げ、リーダー・與那城奨は客席の後方を見渡しながら英語で「見えてますよ! 会いたかったです!」と噛み締めるようにメッセージを送っていた。
公演の後半には、11人にとってのロールモデルであるSEVENTEENの「Super」をカバーするスペシャルステージも。JO1は前出楽曲から一転、「Super」では殺気にも似たただならぬ風格をただよわせ再び観客の前へ。リフトをはじめとしたパワーを要するダイナミックな振付、そして各メンバーの強みや声質を考慮したパート割でこの曲を披露し、「困難や挫折を乗り越えながら無限に成長し続ける」というメッセージを全身全霊で体現する、燃えたぎるような凄みを放つパフォーマンスで会場を圧倒した。
Lapillus
2022年6月デビューした6人組ガールズグループ・Lapillus。8月には日本デビューを果たしたことも記憶に新しい。彼女たちは「Who's Next」のパフォーマンス後、「『ROAD TO KCON』を通じて皆さんの愛を実感できて本当にうれしかったです。これから前へ進んでいくための力をもらいました」と真摯な眼差しで感謝を述べる。そして「これからも私たちへの応援と関心をよろしくおねがいします!」とKCON-ersに弾ける笑顔で呼びかけ、「HIT YA!」で初の「KCON」のステージを締めくくった。
EVERGLOW
EVERGLOWのステージは、2日前にリリースされたばかりの1年8カ月ぶりのカムバック曲「SLAY」で幕開けした。ミアが「最後に『Hello』と言ってから間が空いてしまいましたね」、アシャが「『KCON LA 2023』には絶対に出たいと思っていたんですが……やっと皆さんに会えました!」と語るなど、トークパートに突入するやいなやファンとの再会を喜んだ6人。最後にオンダが「LAだけでなく、ほかの都市にいる多くのFOREVER(EVERGLOWファンの呼称)の皆さんにたくさん会えるようにがんばります!」と今後の活動への意気込みを述べ、代表曲「DUN DUN」「LA DI DA」をラストに歌い届けた。
ITZY
「KCON LA」に登場したITZYは、体が泳ぐサイズ感のホワイトのロングパンツに白のノースリーブという彼女たちらしいヘルシーな装いでステージへ。「CAKE」「None of My Business」というチルでリラクシーなパフォーマンスを披露したのち、「SNEAKERS」ではZ字状のステージのあちこちに移動。サビの「Put my sneakers on」というパートでは観客とともに大合唱をし、会場の一体感を醸成した。KCON-ersとともにステージに立つ「Dream Stage」の際には、ダンスの最中に参加者を鼓舞するためにメンバーが明るく声がけをするなど、彼女たちはフレンドリーなムードでLAのKCON-ersとコミュニケーションも楽しんだ。
THE BOYZ
「KCON LA」のための出国直前までカムバック活動をこなすなど、ハードスケジュールの最中での訪米となったTHE BOYZ。一部ファンからは心配の声も上がったが、それらを吹き飛ばすかのように、エネルギーに満ちた「LIP GLOSS」「THRILL RIDE」のステージをオーディエンスに届けた。
“エンディング妖精”の時間を勝ち取るべく、観客とともに力を合わせて挑戦する「Dance Dance」ゲームの際、ジュヨンが「僕たちのハンサムな顔を間近で見たい方はぜひがんばってください!」と明るく呼びかけるなど、メンバーはパフォーマンス以外のシーンでも陽気な振る舞いで場を盛り上げる。またMC中には、ケビンが「練習生になったその日から、僕は故郷であるLAでライブをすることを夢見ていました。そして今日、初めてLAのステージに立っています! 僕の夢を叶えてくれて本当にありがとうございます」と凱旋の感慨を語るひと幕もあった。なお本公演では、ヨンフン、ヒョンジェ、ジュヨン、Q、ソヌの5人によるユニット曲「Passion Fruit」も披露された。
G)I-DLE
(G)I-DLEは北米ツアーを締めくくるシカゴ公演を今月17日に終え、そのままLAでの「KCON」に参加。ステージパフォーマンス時はもちろんのこと、公演前半のトークコーナーにほんの数分だけ出演した際にも客席から大きな歓声が上がり、昨今のK-POPシーンを牽引する人気ぶりを証明してみせた。
そんな彼女たちが「KCON LA 2023」のために用意したのは、「Queencard」「MY BAG」「TOMBOY」の3曲だった。「Queencard」ではサビや「Take a photo」といった歌詞などで何度も合唱が沸き起こり、音源で“ピー音”が施された、「TOMBOY」の「Yeah, I'm fu- tomboy」のパートでは観客がこのフレーズをシャウトするなど、会場は終始大盛り上がり。オーディエンスは「これから披露する曲がわかる人は、私たちと一緒に歌って踊ってくださいね?」と呼びかけたウギ自身も驚きを見せるほどの熱狂で、彼女たちのパフォーマンスに呼応した。
Stray Kids
DAY3および「KCON LA 2023」の大トリという大役を担ったのは、世界人気を席巻するStray Kids。彼らの出番が開始すると、どこからともなくヘリコプターの旋回音が。荘厳な音楽が場内に鳴り響くと、ステージ中央に設置された円柱状のステージ装置がゆっくりと上昇し、メンバー全員がお目見えした。客席から「WOOF WOOF WOOF」と彼らを歓迎するコールが送られると、フィリックスが不適な笑みを浮かべて口笛を吹き「S-Class」でステージがスタート。「God's Menu」ではヒョンジンが自身のキリングパート「네 손님(はい、お客様)」を、ドスの効かせた低音の語尾を伸ばすように歌唱して、この日一番の歓声が引き出した。
Stray KidsはDAY2のATEEZに続き、「KCON」出演アーティストの“原点”を辿るパフォーマンス企画「Hi-My First」に参加しデビュー曲「District 9」を披露。そして最後に投下した「TOPLINE」では、客席に降りてSTAY(Stray Kidsファンの呼称)のもとへ。全5曲を終え、「KCON LA 2023」がエンディングに突入しつつある中、彼らはオーディエンスとともに「Stray!」「Kids!」、「TOP!」「LINE!」、「L!」「A!」と、ノンストップでのコールアンドレスポンスで会場を1つにし、ライブを締めくくった。
「KCON LA 2023『DAY3』」2023年8月20日 Crypto.com Arena セットリスト
オープニング
01. Opening Performance / EVERGLOW × Lapillus
JO1
02. RadioVision - KOR ver -
03. Trigger
Lapillus
04. Who's Next
05. HIT YA!
スペシャルステージ
06. Tomboy / デスティニー・ロジャース
07. Passion Fruit / THE BOYZ Special Unit
EVERGLOW
08. SLAY
09. DUN DUN + LA DI DA
ITZY
10. CAKE
11. None of My Business
12. SNEAKERS
THE BOYZ
13. LIP GLOSS
14. THRILL RIDE
Z世代 POP スペシャル
15. Super(原曲:SEVENTEEN) / JO1
(G)I-DLE
16. Queencard
17. MY BAG
18. TOMBOY
DREAM STAGE
19. WANNABE / ITZY
Stray Kids
20. S-Class
21. District 9
22. Super Bowl
23. God's Menu
24. TOPLINE
エンディング
25. Signature Song