八木海莉が21歳の誕生日当日である9月5日に、東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて単独公演「八木海莉 Birthday Live -21-」を開催した。
ちょうど1年前に同じ会場でキャリア初のワンマンライブを行い、20歳のスタートを切った八木。今年もまた新たな1年の幕開けをファンとともに祝いながら、アーティストとしての成長をステージ上で証明した。
開演時間を迎え、静かにフロアの明かりが落ちる中で現れた八木は、サポートメンバーである西野恵未(Key)、ひぐちけい(G)、カワノアキ(B)、岡本啓佑(Dr)とアイコンタクトを取ると、ゆっくりとマイクを口元へ近付ける。そして、21歳初ライブをインディーズ時代の楽曲「お茶でも飲んで」でスタートさせ、清涼感のある歌声でドリーミーな世界へと誘った。透き通るような天色に染まった舞台とリンクした「海が乾く頃」を情感たっぷりに歌い上げたのち、八木は「会えてうれしいです。最後まで楽しんでください」と心のこもった挨拶で観客を歓迎。しっとりとした空気を塗り替えるように、ギアを少し上げて「僕らの永夜」「刺激による彼ら」「ダダリラ」といったアップテンポなナンバーでアグレッシブな一面を披露した。
その後、「今日21歳になりました!」と少し照れ臭そうに年を重ねたことを報告した八木は、ステージを斜めに横切るレッドカーペットが「メタモルフォーゼ」のミュージックビデオの演出を踏襲したものであることを説明する。ライブの折り返しでは、そんな華やかな舞台の上で西野の奏でるピアノとデュエットをするようにデビュー曲である「Ripe Aster」をパフォーマンス。さらに、YouTubeで公開していた弾き語りカバー動画で八木海莉というアーティストを知ってくれた人も多いことに触れてからキタニタツヤの「ナイトルーティーン」を歌唱したり、“眠っているときに見る夢”をテーマにした新曲「脳内シネマ」をエレキギターを弾きながら初披露したり、バースデーライブにふさわしい特別な演出でファンを楽しませた。さらに11月15日にニューシングル「know me…」、12月に東名阪ツアーを開催することを告知して、ファンを大いに沸かせた。
会場の祝福ムードに包まれながら八木は、ライブのクライマックスに向けて「メタモルフォーゼ」「君への戦」というロックな表情を見せるナンバーを連投。ハンドマイクでステージを移動しながら、ファンに手を振り、フロアから響くクラップに身を委ね、ライブを楽しんでいる様子を見せた。自身が上京を決意した際の心情をつづったポップチューン「さらば、私の星」で軽やかな空気を紡いだあとは、「次会えるときまで、健やかでいてくださいね」という言葉とともに「健やかDE居たい」へ。1年前にお披露目して以降、ライブで歌いつないできた1曲を別れの挨拶代わりに届けた。全16曲のパフォーマンスを終えた八木は「楽しかった……」と噛み締めるようにひと言。その顔に浮かぶ充実感にあふれた笑みが、ライブの手応えを物語っていた。
八木海莉「八木海莉 Birthday Live -21-」2023年9月5日 渋谷duo MUSIC EXCHANGE セットリスト
01. お茶でも飲んで
02. 海が乾く頃
03. 僕らの永夜
04. 刺激による彼ら
05. ダダリラ
06. Sugar morning
07. ゾートロープ
08. セレナーデ
09. Ripe Aster
10. ナイトルーティーン
11. 脳内シネマ
12. のうのうた
13. メタモルフォーゼ
14. 君への戦
15. さらば、私の星
16. 健やかDE居たい