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DEZERTが渋公リベンジ完遂 メジャーデビュー&武道館ワンマンにファン驚愕

DEZERT(撮影:西槇太一)
1年以上前2023年09月25日 11:01

DEZERTが9月23日に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でワンマンライブ「DEZERT SPECIAL LIVE 2023 -DEZERT-」を開催した。

2020年に初めてLINE CUBE SHIBUYAのステージに立った際は、コロナ禍の影響で動員を半分にせざるを得ず苦渋をなめたDEZERT。ある意味でリベンジとも言えるこの日のライブチケットは完売し、客席は各地から集まったファンで埋め尽くされた。

「SPECIAL LIVE」のタイトルにふさわしく、ライブは歴代のバンドロゴをスクリーンに映し出すドラマチックな演出で幕を開ける。スモークが覆う幻想的なステージにメンバーが順番に足を踏み入れ、最後に現れた千秋(Vo)が「準備はいいか東京?」と問いかけたことを合図に、Miyako(G)のギターが唸りを上げ「君の脊髄が踊る頃に」がスタート。千秋の凶暴なシャウトと、楽器隊の奏でる轟音がホールにこだまするや否や、会場のあちこちでヘッドバンギングが巻き起こり、ホールはたちまち狂乱の空間へと化する。続いて「再教育」「胃潰瘍とルソーの錯覚」といった激しい楽曲が投下されると、オーディエンスの熱狂はさらに加速した。

苛烈なロックチューンでスタートダッシュを決めたところで、千秋がおもむろに「たくさん別れもありたくさん出会いもあり……」と結成からこれまでの日々を振り返り始める。「いろんな感情があって……時間を重ねるのは大事やなって」と口にし、ギターを弾きながら「ともだちの詩」を歌い上げ、穏やかなひとときを紡いだ。しかし、Sacchan(B)が奏でる歪んだベースと、SORA(Dr)が刻むタイトなビートが生み出す不可思議なグルーヴに乗せて、千秋がラップをする「モンテーニュの黒い朝食」で会場のムードは再び緊迫していく。Miyakoの鋭利なギターリフが耳に残る「infection」では、目も眩むような激しい照明を浴びながらメンバーが存分に躍動した。またオーディエンスの美しいシンガロングが響いた「『遺書。』」では、千秋がスマホで観客が自分自身を撮影することを許可。自らもスマホを手にするとカメラを客席に向け、会場の様子を記録したのち親指を力強く掲げた。

「DEZERTの音楽を通して人生がちょっとだけ変わればいいと思う。そうしたら俺たちが音楽をやってる意味がある」「居場所がある人はそれを大切にして、ない人はここが居場所になればいい」。千秋がそんな言葉を放ったのち、4人は「僕等の夜について」を凛とした表情で届け、ホールを温かな空気で包み込む。そして、2020年のLINE CUBE SHIBUYA公演で初披露した「ミザリィレインボウ」を観客とともに歌い、「これからもドキドキさせるので乞うご期待を!」と予告してステージをあとにした。

熱烈なアンコールに応えて戻ってきたメンバーたちは、前回のLINE CUBE SHIBUYA公演で叶えられなかったチケット完売を実現できたことを喜んだり、大正製薬に勤めるSacchanの友人の計らいで終演後に「リポビタンD」が配布されることを明かしたり、千秋プロデュースのグッズ「千秋格言・飾り駒」の受注状況が芳しくないことを告白したりと、とりとめのないトークを展開。そんな中、千秋が何の前触れもなく「日本クラウンから、メジャーデビューします」と口にした瞬間、ファンは「えっ?」とざわめく。突然の発表に戸惑うファンに向けて、千秋は「12年もやってるんすよ。 俺らどっちかと言ったらメジャー寄りやろ! テレビ出たら『殺意』歌うからな!」と彼らしい言葉で意気込み、本編最後に放った「これからもドキドキさせる」という言葉を早くも実現してみせた。

大きなニュースを届けたところで4人が披露したのは、「この場所があなたの居場所になりますように」と歌う壮大なミディアムチューンの新曲「The Heart Tree」。観客は熱のこもった表情でステージを見つめ、DEZERTのまっすぐな思いが込められた1曲をじっくりと噛み締める。穏やかなサウンドにホール内の空気がやわらぐも、ここで終了とはいかないのがDEZERT。彼らが次に披露したのは「殺意」を連呼し、攻撃性をひたすらあらわにする「『殺意』」だった。一筋縄ではいかないバンドの性格を表したような展開がオーディエンスを煽り立てた。

いよいよライブはクライマックスというとき、千秋は「必ず近い将来武道館ワンマンライブをしようと思ってます。そこを出発点にしようと目指してます。そのときにこの曲で『最高の1つになろう』というのをやるから……今日はその前哨戦」と宣言。その言葉を引き金にメンバーは獰猛でカオティックなロックチューン「『切断』」を叩き込む。最後に、千秋はグロウルを轟かせステージにも観客の脳裏にも鮮烈な爪痕を残した。メンバーが順番に去り、SORAが「進むぞ、DEZERT」と意気揚々と述べてライブは幕引き……と思われたとき、スクリーンに映し出されたのは「2024年 日本武道館」の文字。この日一番の歓声が沸き起こる中で、「DEZERT SPECIAL LIVE 2023 -DEZERT-」は終わりを告げた。

セットリスト

DEZERT「DEZERT SPECIAL LIVE 2023 -DEZERT-」2023年9月23日 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

01. 君の脊髄が踊る頃に
02. 再教育
03. 胃潰瘍とルソーの錯覚
04. Sister
05. ともだちの詩
06. モンテーニュの黒い朝食
07. infection
08. Dark In Black Hole
09. 眩暈
10. 感染少女
11. 肋骨少女
12. 「君の子宮を触る」
13. 「遺書。」
14. 僕等の夜について
15. ミザリィレインボウ
<アンコール>
16. The Heart Tree
17. 「殺意」
18. 「秘密」
19. TODAY
20. 「切断」

※本文中の 「『遺書。』」 「『切断』」 「『殺意』」の『』は一重カッコが正式表記。

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