23歳のR&Bシンガー・Nephewの新曲「nYc」のミュージックビデオがYouTubeで公開された。
ニューヨーク・ブルックリンにあるヒップホップクルー・Zulu Nationのジャジー・ジェイが運営する“ミュージックハウス”でルームシェアしながら生活しているNephew。彼は10月4日に自身初の配信シングル「nYc」をリリースした。「nYc」はDJ Jazzy Jayの息子で、ブルックリンを拠点に活動するPhony PPLのマフュー・バイヤスがサウンドプロデュースを担当。R&Bサウンドに乗せて、Nephewが軽やかに歌い上げている。
この曲について日本のR&Bシーンを牽引してきた音楽プロデューサー・松尾潔は「This is R&B.ピュアR&Bと言いきってもいい。詳しい前情報もなく放たれたこの作品集で、Nephewは、ドレイク、フランク・オーシャン以降のR&Bシーンのスタンダードである、浮遊感に満ちたボーカルフロウを難なく披露している。その佇まいは自然である」とコメントしている。MVの舞台はNephewが住むニューヨークで、彼のパフォーマンスシーンで構成されている。監督は丸山雄大が務めた。
松尾潔 コメント
This is R&B.ピュアR&Bと言いきってもいい。
詳しい前情報もなく放たれたこの作品集で、Nephewは、ドレイク、フランク・オーシャン以降のR&Bシーンのスタンダードである、浮遊感に満ちたボーカルフロウを難なく披露している。その佇まいは自然である。あまりの自然さゆえ、鼻歌のような印象さえあたえるかもしれない。だが試しに歌ってみれば、彼のように軽やかに歌うのがいかにむずかしいことなのか、容易に理解できるはずだ。つまり、一見そうとはわからぬ超絶技巧がそこにはあるということだ。世に出てきたころのディアンジェロが、あるいはダニエル・シーザーがそうであったように、Nephewの歌声もどこか水を思わせる。この水は聴く者の心の細かいところまで沁みわたり、ときに温め、ときに冷まし、ときに渇きを癒してくれるだろう。