小田和正の幼少期から現在までの音楽人生を解き明かす評伝「空と風と時と 小田和正の世界」が、11月22日に文藝春秋より刊行される。
小田は1970年にオフコースの一員としてデビュー。20年にわたる活動を経てソロアーティストとなり、数多くのヒット曲を世に送り出してきた。今年8月には史上最年長アリーナツアーの自己記録を更新するなど、76歳となった現在も音楽シーンの第一線で走り続けている。
今回発売される評伝では、著者の追分日出子が約20年をかけて小田本人のほか親族や友人、音楽関係者へのインタビューを行い、その証言を60曲におよぶ楽曲とともに紹介する。この中では元オフコースのメンバーである鈴木康博、清水仁、大間ジロー、松尾一彦や、小田の盟友・吉田拓郎、初期のファンクラブ会員だった作家の川上弘美らも取材に応えている。
このほか本書には2022年から2023年の全国アリーナツアーに全行程随行した記録集、21ページにおよぶ「小田和正バイオグラフィ」を収録。直筆の楽譜や、東北大学時代の卒論にあたる「卒業設計」も掲載しており、多角的な面から小田の音楽と人間性に迫っている。
追分日出子 コメント
小田さんには2005年以降、繰り返しお話を伺ってきました。この約20年間の小田さんの言葉がずっしり入っています。さらに、親族、友人、音楽関係者、スタッフなど、50人を軽く超える方々に話を伺いました。とくにオフコースのメンバー全員と、一人ずつお会いし、じっくりお話を伺うことができたのは貴重でした。オフコースの<光と影の歴史>について、当事者たちが語る初めての本になりました。また1970年代、音楽の世界が大きく変わっていく現場にいた人々の貴重な証言など、<時代の中の小田和正>を意識しました。 さらに2022年2023年の全国ツアーにはスタッフとしてすべて同行、ツアーコラムを評伝の間にはさみました。多くの楽曲について、その背景を知ったうえで、改めて味わって頂こうと、結果的に、60曲もの歌詞を引用しました。小田さんの歌詞は、ご自身の心のなかを見つめ、それを言葉にしています。改めて、小田さんの音楽人生とその歌詞を味わって頂けたらと思います。