永瀬廉(King & Prince)が主演を務め、北村匠海(DISH//)が出演する映画「法廷遊戯」の公開記念舞台挨拶が本日11月10日に東京・丸の内TOEIで開催された。
本日11月10日より全国公開中の「法廷遊戯」は五十嵐律人による同名のミステリー小説を原作とした映画。永瀬は法曹の道を目指す主人公のセイギこと久我清義、杉咲花がセイギの幼馴染で同じく法律を学ぶ織本美鈴、北村は“無辜ゲーム”と呼ばれる模擬裁判を司る天才・結城馨に扮する。劇中では裁判ゲームで実際に起こった殺人事件をきっかけに、3人の仮面の裏に隠された真実が暴かれていく。
永瀬廉になりきる北村匠海
映画上映後に行われた初日の舞台挨拶には永瀬、北村、杉咲、深川栄洋監督が登壇。北村が舞台に現れるなり、「いい曲流れてましたね」と本作のエンディングを彩ったKing & Princeの主題歌「愛し生きること」に触れると、永瀬は「よくお気付きで。我々が歌わせていたいています」と誇らしげに胸を張った。
映画公開初日を迎え、永瀬は「やっとって感じじゃない? 1年以上前から準備して、ようやくこの日を迎えられたことが素直に今はただただうれしいです」と感慨深げに語った。撮影に参加したのが5日間のみだったという北村は「僕自身は撮影日数が短かったんですけど……」と切り出し、「今笑ったね? 少ししか一緒にいなかったのに、この場に堂々といる俺に対して」と永瀬の反応を指摘。永瀬は「撮影は5日間だったけど、そういう感じがなかったよ」と北村をフォローし、イベント序盤から仲のいい軽快なトークを繰り広げた。
永瀬は自身の役どころについて「過去のことを抱えているキャラでもあるので、物語が進んでいくにつれて2人との距離感が大事になってくるなと思って撮影しました。最初から最後まで正義感があった。もがきながらも信念をちゃんと持って、愛のある選択をしたキャラだなと思います」と話した。その後、永瀬が汗をふきに一度舞台を去ると、北村が「俺が永瀬廉になります」と永瀬の立ち位置へ。杉咲がセイギの幼馴染である美鈴について「とにかくピュアにセイギのことを思い続けているという、そこだけを大切に感じられたらと思って演じました」と語ると、北村は「セイギとしてもそれを感じましたね」と永瀬になりきって頷いた。
繰り広げられる“北村劇場”
北村は自身が演じる馨について「ちょっと異質で、学校内でも突出している存在。その異様な感じを演出しすぎるのではなく、この時間に起こってること、これから起こることを楽しみ、ほくそ笑んでいる。セイギとは表裏のような存在であるのと同時に常に横にいるような。彼の影でもあり、光でもあるような、絶妙なところを取れればなと思っていました」と説明した。深川監督は「北村くんが5日間しかいなかったわりには、この映画はずっと北村くんを感じながら進んでいた。すごく費用対効果が高い」と北村の存在感を絶賛。永瀬も「美玲と同じくらい馨は僕の中で存在が大きい人だったので、そういう意味では常にその存在を感じてはいましたね」と撮影を振り返った。
同年代たちとの共演を振り返り、永瀬は「映画ではワイワイという感じではないけど、裏ではワイワイ系でほのぼの会話してたよね」と話す。北村が「そうですか? 僕はピリッとしてたイメージが」と首を傾げると、永瀬は「一番わけわからん話してたよ。宇宙がどうのとか」とすかさずツッコむ。杉咲も「博学な方なので、お話が次から次へと派生していって、気付いたら北村劇場が……」と応戦。「僕は空気を変えてはいけないと思って、極力話さないようにしていましたよ」とすっとぼける北村に、永瀬は「5日間とは思えへんくらいしゃべってたよ。自覚持って」と笑いながら呆れていた。
坊主で踊ってたらすごいぞ!
同級生3人の秘密が暴かれていく物語にちなんで、イベントでは深川監督がキャスト3人の撮影中の知られざるエピソードを明かす場面も。そのエピソードに対して、3人はそれぞれ「異議あり」「異議なし」の札を挙げた。これまで「にじいろカルテ」「星降る夜に」といった作品で北村と一緒に撮影を行ってきた深川監督は「北村さんが2人に僕がどんな演出をするのかをなんとなく先に話している気がして、とてもやりにくかった。僕が永瀬さん、杉咲さんにお芝居について『こうやってみようか』と言って、振り返るとそこにニマニマしている北村さんがいた。昔やった演出をやってしまったときも、北村さんに『出た!』と言われて。監督潰しだなと思った」と北村のエピソードを挙げるが、北村は「異議あり」の札を掲げ、「それは深川さんへの愛ですからね」と監督潰しを否定。しかし北村は「馨としても北村匠海としても、現場でニマニマしていよう、常に面白いことをしようというのは思ってました。まあ……確かに監督がやりづらそうだなって思いながらやってた節はあります」と一理あることを認めた。
その後深川監督は、永瀬が高校1年生の役を演じたシーンに言及。「大体そういうシーンは髪の長いウイッグを付けることが多いんですが、今回はちょっと逆をいってみたいなと思って。髪の短いカツラを用意してフィッティングしたんですけど、被る瞬間、すごく嫌そうだった」と永瀬の様子を明かした。永瀬が「人生であそこまで前髪を短くすることがないので。メガネもかけてたりもしたので、つい自撮りしちゃいました」と振り返ると、深川監督は「すごく似合ってるなって。絶対お坊さんの役とか似合うんだろうね」と想像を膨らませる。北村は「ぜひやってほしいですね。坊主で踊ってたらすごいぞ! めちゃくちゃ面白いぞ」と勧めたうえで「僕も髪の短い永瀬廉を見たときに『似合ってるな』って。カツラとは思いませんでしたよ」とボケ倒し、「思うやろ、どう考えても!」と永瀬にツッコまれていた。
最後には永瀬が「普段考えなかったこと、身近すぎて焦点の当たらなかったことに気付いて、自分を見つめ直すきっかけとなった作品だなと思っていて。この作品を見た方々にとっても身近なところに目を向けるきっかけになると思います」と述べ、「永瀬廉個人としても素晴らしい作品に携わらせてもらいました。今日からたくさんの方々にこの作品が届けばいいなと思っています」と作品をアピールしてイベントを締めくくった。
(c)五十嵐律人 / 講談社 (c)2023「法廷遊戯」製作委員会