Bialystocksの甫木元空(Vo)が監督する新作「BAUS 映画から船出した映画館」の製作が決定した。
本作はboidから2014年に発売された書籍「吉祥寺バウスシアター 映画から船出した映画館」と、2018年に発売された本田拓夫の著書「吉祥寺に育てられた映画館 イノカン・MEG・バウス 吉祥寺っ子映画館三代記」を原作に、2022年に亡くなった青山真治が温めていた脚本を甫木元が引き継ぐ形で執筆した作品。2014年に閉館した東京・吉祥寺のミニシアター、吉祥寺バウスシアターとともに長い道のりを歩んだ家族の物語だ。映画は2025年の公開を目指して製作される。
青山に見い出され、2016年に映画監督デビューを果たした甫木元は、本作について「かすかな自由と幸福を見つけようと懸命に生きたこの家族の思いが、空想と共にささやかな一本の映画となって、世界の人々に映画館の存在を改めて説いてくれる。そんな願いを込めて本作を作れたらと思っています」とコメントしている。
映画製作に伴い「“あの頃”吉祥寺の映画館では何が起きていたのか?」と銘打ち、劇中で使用する写真や映像を公募する企画がスタート。1925年に吉祥寺初の映画館として歴史が始まった井の頭会館や、1951年に開館し、のちにバウスシアターへと改築されるムサシノ映画劇場、そして吉祥寺バウスシアターという、約90年の時の中でさまざまな表情を見せる映画館や街との思い出がboidにて2月29日まで募集されている。
甫木元空 コメント
映画館が生まれ、大きくなり、そしてなくなるまでの物語。そこに特別な秘密があるわけではなく、世界中どんな街にも存在する映画館に生きた無名の家族の物語です。
映画という窓を街に作り、娯楽という風を吹き込む事に奮闘した無名の(無数の)人々の密やかな企み。決して戦争をしてもよいと企む人々ではない。かすかな自由と幸福を見つけようと懸命に生きたこの家族の思いが、空想と共にささやかな一本の映画となって、世界の人々に映画館の存在を改めて説いてくれる。そんな願いを込めて本作を作れたらと思っています。
エグゼクティブプロデューサー 本田拓夫 コメント
古今東西、映画館屋の話って余り聞かないと思います。親子三代で村や町に映画を広めたその物語を映画にしたくて、長い間その時を待っていたんです。そしてバウスシアターの閉館やその後の映画作りへのかかわりなのかで、ついに映画の仲間たちに繋がったんです。
爆音映画上映の樋口さんに映画化の話をしてその制作をお願いしたところ、青山真治監督を紹介して頂き、三度程お会いして話をしてお願いしたのです。最初のプロット、初稿ができ、あんな話、こんな話をして物語を詰めたいと思う矢先に突然のご不幸を知り驚きと無念さに悲観にくれていたところ、樋口さんより青山監督の愛弟子の甫木元空さんがこの話を繋ぐとの話が出て、それは終わりの始まり、バウスをやっていたときもそうだったけど、これでようやくいろんなピースが集まって映画は完成するなと思ったんです。古い話、映画館の改装や建て替えや経営の切り替えや上映する映画等々でさんざん苦労してきた私には、映画から船出した映画館、つまりバウスシアターの物語の完成は夢でもありさらにそこから始まる物語のスタートとも言えるものではないかと思っています。いまはただ、全国公開となる日を楽しみにしなから待つ身ですが、役立つならなんでも協力すると思っている今日この頃です。
楽しく、面白く行こうぜ。
(c) 本田プロモーションBAUS/boid