フィロソフィーのダンスが2月5日に東京・Zepp Haneda(TOKYO)でフリーライブ「Want a Taste?」を行った。
フィロのスを存分に“味見”させる第1部
木葭のの、香山ななこが加入してからおよそ1年が経過したフィロのス。今回の公演は新体制1周年を機にフィロのスの魅力をより多くの人に知ってほしいという思いから、“フィロのス史上最大のフリーライブ”として企画された。この日の東京は昼から雪が降り、天候に恵まれない中での開催となったが、蓋を開けてみれば大勢のファンが会場に集まった。
ライブは2部構成。第1部では「お味はいかが?」という意味のライブタイトル「Want a Taste?」にちなみ、「私たちを存分に味見してね!」とフロアに呼びかけたフィロのスが、「ライブ・ライフ」を皮切りに持ち前のハイテンションなパフォーマンスを展開していく。香山は以前ファンとして訪れたZepp Haneda(TOKYO)でのワンマンライブがフィロのスとの出会いだったことを明かし、感慨と喜びをあらわにした。その後もフリーライブとは思えない本格的なステージが続き、エキゾチックなナンバー「アルゴリズムの海」では切れ味鋭いダンスに会場中が見惚れた。
第2部は小田さくらとの“夢の時間”
休憩を挟んだのち、第2部は3月13日にリリースされる新体制初アルバム「NEW BERRY」収録の新曲「永遠オーバーヒート」でスタート。5人は観客を巻き込みながら勢いよくタオルを振り回した。そしてフロアのボルテージがぐんぐんと上昇する中、本公演の最大の山場となったのが、事前に出演がアナウンスされていた特別ゲスト・小田さくら(モーニング娘。'24)とのコラボレーションだ。かねてより小田の大ファンである奥津をはじめ、メンバーの熱烈なオファーによって実現したこのコラボ。小田がステージに加わると、奥津は「本番が始まる前によー、さくらがよお、手を握ってくれたんだ」と謎の人格が現れるほど興奮がだだ漏れに。フィロのスと小田はモーニング娘。の楽曲「泡沫サタデーナイト!」でコラボパフォーマンスを開始し、割れんばかりの歓声を浴びながらともに歌とダンスを届けていく。お立ち台に上がった奥津はミラーボールの光に照らされつつ「夢のコラボタイムがやってきました! 俺の大好きな小田さくらさんとの夢の時間!」と叫び、曲が終わると「俺はさ、『泡沫サタデーナイト!』を2016年に聴いてオタクになったんだあ……」と喜びを噛み締めた。
続いては、フィロのスメンバーが小田と一緒に歌いたいと思っていたという「シスター」のパフォーマンスへ。「シスター」は艶やかな歌が聴きどころのフィロのスの代表曲。小田がこの曲を最初に聴いたときに「マリリさんの声って、日本でこの人からしか聴けないな」と感じたことを明かすと、奥津はうれしさのあまりステージ上に倒れ、「マジー?」と天井を見上げた。奥津がなんとか気を取り直したあと、フィロのスと小田は「シスター」で息の合ったハーモニーを響かせる。モー娘。の中でも特に高い歌唱力を誇る小田の歌声が、強い存在感を放ちつつも楽曲の中にしっかりと溶け込んだ。
堂々としたパフォーマンスを見せつつも、MCに入るたび挙動がおかしくなる奥津は、小田の「(フィロのスの)オーディションが発表されたとき、ちょっと受けようかなと思ったんです」という発言に「小田さくらさんがグループにいたら、俺、仕事じゃなくなっちゃう……」と動揺。今回の「シスター」の歌割りやフォーメーションを自身で考えたことを明かし、「俺とさくらの結婚式だと思って、やりたいことをすべて詰め込んだんです」と公私混同しながら作り上げたこのステージへの思いを語った。その後、コラボステージの最後に披露されたのは、モーニング娘。の楽曲「セクシーキャットの演説」。ダンス面でもフィロのス+小田さくらの見事な調和が実現した。
興奮しすぎた奥津の目に涙
コラボが終わり、奥津が「これからも一生“小田さくら推し”でいると、この期間でさらに思いが深くなりました。これからも大好きです」と“推し”への思いを強調すると、小田も「この機会で私のファンの方々がフィロのスを知ってくれてうれしいです」と温かく返答する。話しているうちに奥津は感極まって涙し、「自分の周りの人に、俺の好きな女がこんなに素敵な人ですって言えたことがうれしいし、好きな人がこんなに表でも裏でも素敵でいてくれて……ありがとう」と小田を尊ぶ思いが限界突破。小田がステージ袖から小走りで持ってきたティッシュを2、3枚ありがたそうに手に取ると、人目をはばからず鼻をかんだ。
モー娘。ファンである香山ももじもじと“オタク”の素振りを見せ、小田がステージをあとにすると、感激の気持ちが込み上げてきたのか目に涙を浮かべる。その姿を見て奥津は「正気保てねえよな!」とこぼしつつも、「(小田が)みんなに知ってほしいと言ってくれたフィロソフィーのダンスはカッコよくないといけないから」と気持ちを切り替えてメンバーとともにパフォーマンスを再開。ライブの鉄板曲「ダンス・ファウンダー」などを熱量高く披露し、再び会場をヒートアップさせて“フィロのス史上最大のフリーライブ”を締めくくった。なお、最後のMCでは4月から5月にかけて単独ライブ「Funky But Chic~静岡・京都・東京編~」が行われることが発表された。
セットリスト
フィロソフィーのダンス「Want a Taste?」2024年2月5日 Zepp Haneda(TOKYO)
第1部
01. ライブ・ライフ
02. ラブ・バリエーション
03. 熱風は逆転する
04. アルゴリズムの海
05. ロック★with you
06. シュークリーム・ファンク
第2部
01. 永遠オーバーヒート
02. 上海ハニー
03. 泡沫サタデーナイト!
04. シスター
05. セクシーキャットの演説
06. ウェイク・アップ・ダンス
07. フォーカス
08. Gimme Five!
09. ダンス・ファウンダー
ライブ情報
Funky But Chic~静岡・京都・東京編~
2024年4月19日(金)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
2024年4月20日(土)京都府 京都MOJO
2024年5月4日(土・祝)東京都 下北沢シャングリラ