5月27日に東京・渋谷CLUB QUATTROにてドレスコーズのツーマンライブ企画が開催された。
渋い岩出と穏やかな貴一、ダブルボーカルの持ち味生かしたフー・ドゥ・ユー・ラブ
ドレスコーズがツーマン企画を行うのは、昨年5月の「ドレスコーズ+小西康陽」以来1年ぶり。今回はフー・ドゥ・ユー・ラブを競演者に迎えて実施された。
先鋒を務めたフー・ドゥ・ユー・ラブは、岩出拓十郎(Vo, G / 本日休演)と貴一(Vo, B)が交互にメインボーカルを担当するスタイルで演奏。渋さあふれる岩出、穏やかな語り口の貴一とお互いの歌声の持ち味を生かし、オーディエンスを惹きつけていった。彼らは前半、オールディーズの要素も感じさせる「ニセビートルズ」「呼び合った!」をはじめ、ストレートなロックサウンドを展開。先日正式メンバーになったばかりの茂木左(Dr / myeahns、ピーズ)も息ぴったりのドラミングを繰り広げ、より強靭なアレンジを構築した。
3人は中盤に入ると、貴一と茂木が美しいコーラスを重ね合わせた「君はすごいぜBaby」、スウィンギンでどこかノスタルジックな「はにかみファイリングラブ」と、キャッチーなメロディを前面に押し出した楽曲を次々とプレイ。この日初披露となった「見えない星たち」では岩出がブルージーなギターフレーズをかき鳴らし、オールドミュージックへの造詣の深さをのぞかせた。そして貴一による簡単な挨拶を挟み、ラストナンバー「愛の旅」ではパワフルなアンサンブルが炸裂。猛々しい姿を見せる一方、出番を終えると3人は穏やかな様子でステージをあとにした。
冒頭からフロア熱狂、ドレスコーズはフィナーレでコール大合戦
続いてドレスコーズが登場する直前、大勢の観客がフロア前方へと一気に詰め寄せ、演奏前から尋常ではない盛り上がりを見せていた。そんな中、志磨遼平(Vo)たちは準備を整えると、長年ライブでは披露されていなかったレア曲「SUPER ENFANT TERRIBLE」でパフォーマンスをスタート。そこから「聖者」「若葉のころ」とさわやかなサマーチューンを矢継ぎ早に届け、フロアのムードを心地よく彩っていった。
ライブ定番曲「Mary Lou」ののち、ドレスコーズは“自分の最も大切なものには指一本触れさせてはいけない”という思いを込めたという「不良になる」をセレクト。志磨が「いびつな ぼくの このハートは 渡しはしないよ」と優しく歌う姿は、自分自身の情熱を大切にするよう観客たちに語りかけるようだった。そのまま後半戦になだれ込むと、彼らは「コミック・ジェネレイション」「やりすぎた天使」とご機嫌な楽曲群で駆け抜け、息もつかせぬまま本編を締めくくった。
アンコールに入ると、まず志磨たちは“すべての暴力に反対する”最新曲「キラー・タンゴ」をムーディに演奏。そして「愛に気をつけてね」ではオーディエンスのテンションが一気に上昇し、「Baby Baby あんたなんか」コールはコロナ禍以前を彷彿とさせるほどの声量で飛び交った。その勢いに乗るように、志磨の「きらい!」連続シャウトも回数を重ねるごとに激化。バンドも観客もハイテンションなレスポンスを繰り返す、熱く激しいフィナーレとなった。
なおドレスコーズは7月14日に東京・Top Beat Clubで行われるイベント「DECKREC NIGHT 25th Anniversary2024」に出演決定。チケットはイープラスにて6月1日10:00から販売される。
セットリスト
「ドレスコーズ+フー・ドゥ・ユー・ラブ」2024年5月27日 渋谷CLUB QUATTRO
フー・ドゥ・ユー・ラブ
01. ニセビートルズ
02. 呼び合った!
03. 終わらないまま
04. 君のこと
05. 普通の夜
06. 君はすごいぜBaby
07. はにかみファイリングラブ
08. ゴルチェの男
09. 春の涙
10. 見えない星たち
11. ファストバラード
12. 愛の旅
ドレスコーズ
01. SUPER ENFANT TERRIBLE
02. 襲撃
03. 聖者
04. 若葉のころ
05. Mary Lou
06. 不良になる
07. 少年セゾン
08. コミック・ジェネレイション
09. やりすぎた天使
<アンコール>
10. キラー・タンゴ
11. 愛に気をつけてね
DECKREC NIGHT 25th Anniversary2024
2024年7月14日(日)東京都 Top Beat Club
<出演者>
LIVE:POLYSICS / ドレスコーズ
DJ:DADDY-O-NOV(Radio Underground) / 荒零 a.k.a 血まみれビートルズ