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アンジュルム佐々木莉佳子、横アリを“愛情の世界”に 10年超のアイドル人生に「一片の悔いなし」

アンジュルム
5か月前2024年06月19日 13:03

アンジュルムが本日6月19日に神奈川・横浜アリーナで単独コンサート「ANGERME CONCERT 2024 SECRET SECRET 佐々木莉佳子 FINAL『愛情の世界へ、君もおいでよ』」を開催。この公演をもってメンバーの佐々木莉佳子がグループおよびハロー!プロジェクトを卒業した。

キレのあるソロダンスでライブが開幕

佐々木は2013年にハロプロ研修生のメンバーとなり、翌2014年、アンジュルムへ改名する前のスマイレージ時代にグループに加入。パワフルなダンス、情緒的な歌声、天真爛漫なキャラクターで男女ともにファンから支持され、長年にわたりグループの中心メンバーとして活躍してきたが、「グループのメンバーとしての活動に区切りをつけ、1人で何ができるか、どこまでできるか、自分の可能性を自らで感じ、挑戦していきたい」という思いから卒業を決断した。本日の横浜アリーナ公演は、4月にスタートした春のライブツアー「アンジュルム concert tour 2024 spring『Secret secret』」のファイナル。会場に集まった約1万2千人のほか、CSテレ朝チャンネル1での生中継の視聴者、全国の映画館で実施されたライブビューイングの観客も含め、大勢のファンが佐々木の門出を目に焼き付けた。

開演前にはハロプロの新グループであるロージークロニクルがオープニングアクトとして登場。先日グループ名が発表されたばかりの9人がフレッシュなパフォーマンスで会場を温めたのち、いよいよコンサートの幕が開ける。公演冒頭はスパンコールがあしらわれた真っ赤な衣装を着た佐々木が1人でステージに姿を現し、切れ味抜群のソロダンスを披露。場内は彼女のメンバーカラーである黄色のペンライトの光と盛大な歓声で満たされた。そしてこのコンサートの幕開けを飾った楽曲は、佐々木にとってのデビューシングル「大器晩成」。全員赤の衣装でステージにそろったアンジュルムはファンキーなサウンドに合わせて躍動し、楽曲終盤で観客とシンガロングを繰り広げた。

気仙沼公演で語られた故郷への思い

その後、レーザーや火花の演出を交えながら迫力満点のパフォーマンスを繰り広げていくアンジュルム。6月12日リリースされた34thシングルの収録曲の1つ「美々たる一撃」も披露され、挑発的な表情とともに力強い歌とダンスが繰り出された。このライブ最初のMCに入ると、佐々木は「楽しい! 今日を迎えるまで寝れなかったの……!」と興奮をあらわに。「攻め攻めのセトリになっていますので、誰1人後悔させない時間を作っていきたいと思います!」と観客の期待を煽った。

続くブロックでは最新シングル曲の1つで、アーバンなムード漂うミドルチューン「うわさのナルシー」を皮切りに大人びた楽曲が続き、メンバーはセンターステージや外周通路を駆使しながら観る者の心を鷲づかみに。幕間には5月に宮城・気仙沼市民館で行われた佐々木の凱旋公演の映像が上映され、感動的な空気が場内に漂った。小学生の頃にローカルアイドル・SCK GIRLSとして活動していた佐々木が13年ぶりに故郷のステージに立ち、気仙沼への思いを声に出して丁寧に紡ぐ。その言葉1つひとつに会場のファンはじっと耳を傾けた。

「交差点」の曲中に流れたひと筋の涙

ライブ中盤、ポップな色合いの衣装に着替えたアンジュルムは佐々木を主役に据えて数組のユニットに分かれ、スマイレージ時代の楽曲をメドレーで歌唱。往年のファンを喜ばせたかと思えば、続いて別れと旅立ちをつづった「交差点」を歌い、観客の胸を打つ。銀の紙吹雪が舞うセンターステージで円を描き、その中央に立つ佐々木に向けて歌声を届けるメンバーたち。苦楽をともにしてきた仲間との絆を噛み締めたのか、佐々木の頬にひと筋の涙が伝った。

「Forever Friend」では佐々木が客席に向けて「ずっと友達だよー!」と呼びかける。メンバーと観客が三三七拍子に合わせて「莉佳子が大好きだー!」と声をそろえる場面もあり、相思相愛の一体感がアリーナに広がっていった。ラストスパートでは「次々続々」「46億年LOVE」などの人気曲を通して会場のボルテージが高まり、サマーチューン「夏将軍」でライブ本編がフィニッシュ。会場全体で勢いよくタオルを振り回すことで、ステージと客席の垣根がより一層取り払われた。

「皆さんが照らしてくれるからこそ生きられる、ひまわり」

「莉佳子!」コールを合図にアンコールへ突入すると、天使をイメージさせる白いドレスを身にまとった佐々木がステージへ。涙を交えつつ、2017年発表の楽曲「君だけじゃないさ…friends」を今回のコンサート用にリアレンジしたバージョンで伸びやかに歌い上げた。曲の最後には佐々木の背後のスクリーンにアンジュルムメンバーの写真が。佐々木の同期であるOGの室田瑞希と相川茉穂の姿も映し出されると、客席から感激の声が漏れた。

ソロ歌唱を終えると、佐々木は手紙を取り出し、地元・気仙沼で経験した2011年3月11日、そしてその日をきっかけに始まった自身のアイドル人生を振り返る。メンバーに対して「自分で選んだことだけれど、やっぱりみんなのことが愛おしくてたまらないよ」「私は、過去も未来もどんな形であれ愛し続けます。先を作るのは目の前にある今です。最高で最強なみんならしく、みんなの色でこれからのアンジュルムを作り上げていってね?」と語りかけ、ファンに対しては「私は皆さんを照らす太陽であり、皆さんが照らしてくれるからこそ生きられる、ひまわりだと思っています」とメッセージを送る佐々木。彼女は「『宇宙一のトップアイドルになります!』そう言って地元・気仙沼を飛び出した当時の私へ。今の私の日常には笑顔があふれていて、今、私は横浜アリーナのステージに立っているよ。信じられないよね……。過去もすべて今を作った大切な時間。大きな夢を掲げて突っ走ってきた11年間。自分の選択に悔いはありません」と晴れやかな笑顔を浮かべると、「今日は愛情の世界を一緒に作ってくれてありがとうございました」と感謝の思いを口にした。

その後、佐々木はメンバーとともに「旅立ちの春が来た」をさわやかに歌い届ける。メンバー1人ひとりの言葉を順に受け止めたあとは、「これからのアンジュルムが本当に楽しみで仕方ないんですね」と声を弾ませ、「私のアイドル人生に一片の悔いなしです!」とピースサインを掲げた。そして最後の最後までステージ上に後悔を残さないよう、佐々木が胸の内を伝えきったところで、ついにコンサートはフィナーレへ。11人は肩を寄せ合いながら、「大器晩成」を手がけた中島卓偉が作詞作曲した卒業ソング「THANK YOU, HELLO GOOD BYE」を歌唱。ラストは友情を描いた「友よ」が高らかに響きわたり、佐々木の卒業を祝福するようにきらびやかな銀テープが場内を舞った。

佐々木莉佳子 手紙全文

私、佐々木莉佳子は、本日6月19日をもってハロー!プロジェクト及び、愛してやまないアンジュルムを卒業します。気仙沼で産まれ、気仙沼で育ち自由放だった私は、怖いものしらずで、常に走り回っている元気一杯の女の子でした。そんな何気ない日常が、目の前にあった当たり前が崩れてしまうのは一瞬で。
当たり前ってないんだな。幼い私の心に初めて芽生えた感情。
私が私として生きている、人生で初めてのターニングポイントとなった、3月11日は今でも、これから先も、忘れることはありません。笑顔というものがどれだけ、周りを自分を照らし、包み込むのか。光が無くなってしまったからこそ、自分が誰かの光になりたい!
そう強く思い、私の、アイドルとして生きていく人生がスタートしました。
初めて出来た一つの目標。それが、ハロー!プロジェクトの一員になる!という小さな心に初めて生まれた大きな光であり、夢でした。右も左もわからず、ガムシャラに飛び込んだ初めて見る世界は、何を見ても私にはキラキラと輝いているもので、何度も立ち止まり、振り向きたくなる事もあったし。もちろん楽しい事だけではない。それは分かっていたけれど、ふと、下を向いていた顔を上げて、周りを見てみたら手をさしのべてくれる仲間や自分を強くしてくれる存在が近くにはあって、いつしか私はこの場所で“佐々木佳子”という存在を育てていきたい。そう強く思うようになっていました。2014年~2024年、約10年間アンジュルムの一員としてここまで青春を謳歌し、“わたし”という人間を確立させてくれたのは、紛れもなく「アンジュルム」というかけがえのない存在があったからです。
上手く言葉にできないし、全て言葉にしてしまうというのは勿体無いと思ってしまう程、わたしの人生においてアンジュルムとして出会ったみんなは、何にも変えられない、大切すぎる存在です。私に“愛”というモノは何か。愛というもモノはこれだけ自由で、難しくて、歪で、時には涙が出る程苦しいものだという事を教えてくれた仲間達であり、心という命あるものは、どれだけ繊細か教えてくれた存在です。愛しさ、素直さ、自由さ、悔しさ、時には不器用なところも、メンバーである前にみんな一人間。人間らしく生きることって難しい時もあるけれど、私はみんなの人間らしいところが大好きです。今、私の日常にはみんながいます。はなな、ゆっぴょん、ゆきちゃん、わかにゃ、しおんちゃん、ケロ、りんちゃん、れら、かむ、かみ。
明日からちがう世界が広がっているのだと思うと進み続ける時間が時には苦しくなることがあります。自分で選んだ事だけれど、やっぱりみんなの事が愛おしくてたまらないよ。
日常が日常として息をしなくなった時、私は自分を保てるか分からない。それくらい、私の人生においてぎゅっと抱きしめていたい、私の人生が尽きるまで残しておきたいぬくもりです。色んな気持ちや言葉、時間や空間を共有して、みんなで手を取り合って一歩一歩進み続けてきた時間は、どれも眩しく輝いていて、小さな幸せも大きな幸せに感じる程みんなと歩いて、時にはぶつかって、笑い合ってきた時間がたまらなく愛おしくて大好きです。
出会ってくれてありがとう。いっぱいぎゅーってしてくれてありがとう。くだらない事で一緒にふざけて笑ってくれて、まっすぐ素直に想いを伝え合って、ここまで一緒に走ってきてくれて本当にありがとう。私は、過去も未来もどんな形であれ愛し続けます。先を作るのは目の前にある今です。最高で最強なみんならしく、みんなの色でこれからのアンジュルムを作り上げて行ってね?
そして、ファンのみなさん。出会うタイミングは、人それぞれです。昔から私を知っている方も、早く出会いたかったという方も、いると思います。
だけど私は貴方と私が出会えた今の時代を生きることができて幸せだと思っています。貴方の1つの光として、幸せとして、生きられて心からうれしく思っています!!!!
いつでも大きな愛で、何があっても受け止めてくださったみなさんがいたからこそ、今の私が私として存在できています。愛は重くてなんぼでしょー!!! 私はそう思って生きているから、皆さんからの溢れる程で私をまっすぐ見つめてくれた時間は、今までもこれからも、私の自や自分を愛せる1つの理由、支えや励みになり、そして笑顔や幸せにつながっていくのだと思います。
いつでも私の幸せを願ってくれているように、私もみーんなの幸せを誰よりも願っています!!
私はみなさんを照らす太陽であり、皆さんが照らしてくれるからこそ生きられる、ひまわりだと思っています。ステージに立っている者と、ファンのみなさんというくくりにもなるけど、何かどこかで支え合って生きている様な感覚がありました。立場関係なく心を交わしてくれてありがとう。一つわがままを言っていいのならば、どうかこれからも皆さんの太陽でありひまわりとして生きさせてください。生きていると苦しく、悲しい夜や、歩みを止めたくなるそんな日もあると思います。その時はどうか周りを見てみてください。
私に大きな温かい愛をくれた分、貴方の周りには手をさしのべてくれる存在がたっくさんいるはずです。絶対1人じゃないよ。どうか笑顔でいてください。人生は選択のくりかえしです。先に何が起こるか分からない恐怖もありますが、その恐怖もワクワクに変えられる人生でありたいと思っています。当たって砕けて、ダメでもまた立ち上がって1つずつ。
一度きりの人生、私らしく切り拓いて行きます。
「宇宙一のトップアイドルになります!」そう言って地元気仙沼を飛び出した当時の私へ。
今のわたしの日常には笑顔が溢れていて、今、わたしは横浜アリーナのステージに立っているよ。信じられないよね…。過去も全て今を作った大切な時間。大きな夢を掲げてつっぱしって来た11年間。自分の選択に悔いはありません!! アンジュルムの佐々木莉佳子と出会ってくださった、愛してくださった、全ての皆様。心から、ありがとうございました。そして心の底から愛しています。明日からはアンジュルムの佐々木莉佳子ではなく、新たな佐々木莉佳子としての人生がスタートします。宝物のような温もりと感謝と愛情をだきしめて。周りを、自分を愛して生きて行きます。
今日は愛情の世界を一緒に作ってくれてありがとうございました。
みんな、また会おうね♡
どうか、大好きなみなさんを取り巻く環境が優しい世界でありますように。

セットリスト

「ANGERME CONCERT 2024 SECRET SECRET 佐々木莉佳子 FINAL『愛情の世界へ、君もおいでよ』」2024年6月19日 横浜アリーナ

01. 大器晩成
02. 出すぎた杭は打たれない
03. マナーモード
04. 美々たる一撃
05. 七転び八起き
06. うわさのナルシー
07. Uraha=Lover
08. 23時のペルソナ
09. 全然起き上がれないSUNDAY
10. 忘れてあげる
11. 魔法使いサリー
12. ショートカット~天真爛漫~パン屋さんのアルバイト~自転車チリリン~有頂天LOVE
13. 交差点
14. Forever Friend
15. 赤いイヤホン
16. アイノケダモノ
17. 愛されルート A or B?
18. 次々続々
19. 46億年LOVE
20. 夏将軍
<アンコール>
21. 君だけじゃないさ…friends
22. 旅立ちの春が来た
23. THANK YOU, HELLO GOOD BYE
24. 友よ

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