テレビ朝日系で放送中のSUPER EIGHTの冠番組「EIGHT-JAM」発のライブイベント「EIGHT-JAM FES」が、6月21日から23日までの3日間にわたり埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催された。
同番組発のイベント開催は、2021年9月に「テレビ朝日ドリームフェスティバル」の一環として行われた「関ジャムFES」以来約3年ぶり。今回は3日間に規模を拡大し、各日ともさまざまなアーティストとの競演やコラボレーションで集まった観客を楽しませた。この記事では初日21日に行われた、SUPER EIGHTとWANIMAのツーマンライブの模様をレポートする。
WANIMAから感謝を込めて、安田章大は「温かいお兄ちゃんみたい」
この日の公演は、今年デビュー20周年を迎えるSUPER EIGHTにとって初の対バンライブ。オープニングではまずホストを務めるSUPER EIGHTの5人がステージに現れた。客席からは歓声が起こるが、髪を短く切った安田章大の姿がスクリーンに大写しになるとその歓声はさらに大きくなった。もともと安田がWANIMAのメンバーと親しかったことから2組の親交が深まり、昨年のWANIMA主催フェス「1CHANCE FESTIVAL 2023」にはSUPER EIGHTも出演している。安田は「『ワンチャンフェス』の恩返しをWANIMAの皆さんとファンの皆さんにできれば」と対バンが実現したことを喜び、続く丸山隆平の「音楽をのびのびと、いきいきと楽しむことをここに誓います!」という開会宣言で初日の幕が開かれた。
SUPER EIGHTに代わりステージに飛び出したWANIMAは、KENTA(Vo, B)の「今日どんな夜にしたい?」という言葉から「オドルヨル」でライブをスタート。FUJI(Dr)が刻む軽快なビートで双方のファンを踊らせると、KENTAは「SUPER EIGHTに、SUPER EIGHTのファンにありがとうを込めて歌っていいですか!?」と叫び「THANX」を熱唱。さらに、今回の舞台であるさいたまスーパーアリーナがWANIMAにとって初のワンマンライブの会場だったと話すKENTAは「そのときは緊張で、なんも思ってることが伝えられんかった」と振り返り、そのときのお返しとばかりに「リベンジ」を力強く披露した。
KO-SHIN(G, Cho)のエモーショナルなギターと観客のコール&レスポンスが爆発した「Oh!? lie! wrong!!」、そして「いいから」といったナンバーを終えると、KENTAは「ツーマンという形で呼んでもらってありがとうございます」と感謝を述べ、出会ってから7~8年になるという安田との間柄について語る。「僕らが去年独立したときにも連絡をくれて、温かいお兄ちゃんみたいな存在です。今日は誘ってもらえてうれしいです」と思いを明かしたあとは、その言葉を表現するように「りんどう」を披露。オーディエンスを感動に導いた。
後半では「眩光」「BIG UP」「夏暁」を連投し、夏の始まりにふさわしいムードに観客を導く。「最後の1曲は“ともに”歌ってもらっていいですか? SUPER EIGHT、愛してます!」とKENTAが叫んだあとは「ともに」を観客と大合唱した。ラストナンバーかと思いきや、KENTAの「あと1分残ってる! あと1分の曲やっていいですか?」という言葉から、最後は「Hey Lady」をパフォーマンス。持ち時間を全力で駆け抜けていった。
SUPER EIGHTは全編バンド編成で駆け抜ける
続くSUPER EIGHTのライブは「High Spirits」でスタート。丸山隆平がブルースハープを吹きながらベースを奏でる姿にどよめきが起こったあとは、大倉忠義が痛快なビートを刻む「象」で観客を引き込んでいく。横山裕は直前のWANIMAのライブを振り返り「すっげえ『SUPER EIGHT!』って叫んでくれて……自信になりました」と笑顔を見せた。「ズッコケ男道」「言ったじゃないか」で会場の一体感を高めたのち、5人は「未完成」を高らかに披露。その後は「愛でした。」の柔らかなサウンドでアリーナの空気を染め変えた。
MCに入ると、村上信五が「さっきKENTAくん1分で曲やってたのに、こんなダラダラしゃべってる場合か!?(笑)」と疑問を投げかけて観客の笑いを誘う。和やかな空気の中、村上が「WANIMA、刺さりまくりましたね」と改めて3人の熱演を振り返ると、大倉も「“ワンチャン”で終わらなかったね」と彼らとの縁に感謝した。今年は3日間という日程で行われる「EIGHT-JAM FES」の話になると、「成功するかは皆さんにかかってますよ……?」と丸山が脅しにかかり、「いや、俺らにかかってんねん!」とメンバーたちからツッコまれる。大倉も「これがあと2日ある。いろんなことが待ってるぜ!」と残り2日への期待も煽った。
「喝采」の伸びやかなメロディラインを響かせたあとは、後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)が提供したロックチューン「生きてる僕ら」でまた違う5人の表情を見せつけた。大倉は楽しさを押さえきれず「ヤッバイわ、これ!」と叫ぶ。続く楽曲は大澤敦史(打首獄門同好会)の提供曲「ハライッパイ」。5人はコミカルな歌詞を振り切ったパフォーマンスで歌い上げ、オーディエンスを楽しませた。最後に安田章大がメンバーを代表し「思いを届けられるこの空間がどれだけ貴重か知っています。こういう対バンがまたできるように、またWANIMAとステージに立てるようにがんばります」と挨拶し、「マイホーム」の温かなアンサンブルで全編バンド演奏によるライブを締めくくった。
アンコールのコラボに村上信五は感動「音楽やっててよかった」
アンコールで再び登場したSUPER EIGHTは、ステージ上に炎が吹き上がる中で「NOROSHI」をパワフルに演奏。ここで横山裕が「みんなわかってるよね? あの曲やってないもんね?」とニヤリと笑って観客の期待を高めたのち、WANIMAの3人を呼び込んだ。KENTAは最近まで長髪でヒゲを生やし、自分とビジュアルが似通っていた安田章大に「脱WANIMAしすぎやないですか! 俺も髪切るわ!(笑)」とツッコんでメンバーやファンの笑いを誘う。SUPER EIGHTのメンバーたちも口々に感謝とこの日の競演の喜びを語った。
そしてSUPER EIGHTとWANIMAのコラボレーションで披露されたのはもちろん、WANIMAが提供した楽曲「ここに」。8人は満面の笑顔を交わしつつ息の合った演奏を届け、双方のファンを大喜びさせた。演奏を終えたKENTAは「お返しのようなごほうびをいただいて、ありがとうございます!」と叫び、KO-SHIN、FUJIとともにステージをあとにする。残ったSUPER EIGHTの丸山隆平が「これまでにない、いい日になりましたね」と感動の面持ちで振り返ると、村上信五は目を潤ませながら「柄にもないけど……音楽やっててよかったなと、続けてきてよかったなとひしひしと感じました」と熱い思いを明かした。
セットリスト
テレビ朝日開局65周年記念「EIGHT-JAM FES」2024年6月21日 さいたまスーパーアリーナ
WANIMA
01. オドルヨル
02. THANX
03. リベンジ
04. Oh!? lie! wrong!!
05. いいから
06. りんどう
07. 眩光
08. BIG UP
09. 夏暁
10. ともに
11. Hey Lady
SUPER EIGHT
01. High Spirits
02. 象
03. ズッコケ男道
04. 言ったじゃないか
05. 未完成
06. 愛でした。
07. 喝采
08. 生きてる僕ら
09. ハライッパイ
10. 勝手に仕上がれ
11. マイホーム
<アンコール>
12. NOROSHI
13. ここに with WANIMA