TETORAが8月12日に初の東京・日本武道館ワンマンライブ「TETORA 武道館でワンマン」を行った。
このワンマンはライブツアー「TETORA 経験が盲点にならないようにツアー」の初日公演として開催され、TETORAは6月に発表した4thフルアルバム「13ヶ月」の収録曲をはじめ、新旧を交えた全33曲を披露した。
入場時には自動制御のリストバンド型ライト・PIXMOBが配布され、観客はそれを装着して開演を今か今かと待ち望む。そしてPIXMOBが一斉にオレンジ色に点灯し、期待感がまたたく間に会場に充満したところで、普段と変わらないラフな装いで上野羽有音(Vo, G)、いのり(B)、ミユキ(Dr)が登場。上野が「武道館でワンマン、TETORA始めます!」と宣言し、青春感が漂うロックナンバー「わざわざ」をパワフルに演奏する。観客のテンションを一気に引き上げたところで、「13ヶ月」より「7月」「8月」「9月」を連投して日本武道館に夏の空気を送り込んだ。
上野は感慨深げな表情で客席を見渡しつつ「どうやったらカッコよく見えるんやろうとか、柄にもなくいろいろ考えちゃったんですけど、そういうの全部なくして、今日はありのままの20代、3人の人間の姿を見ててほしいです。恥ずかしくもなるし、悔しくもなるし、 妬んだりもするし、苦しくもなるし、幸せにも不幸にもなる。そんなありのままのTETORAを今日は観て帰ってほしいです。あたしらはいつも通りライブハウスでやってる感じでいくけど、みんなは今日しかできひんような、そんな楽しみ方をして帰ってください」とオーディエンスに伝えた。
TETORAは疾走感のある楽曲群でオーディエンスをスパークさせつつ、ゆったりとしたナンバーで構成したブロックも用意。片思いを歌った「11月」、上野の弾き語りが印象的な「友達、以上」、エモーショナルなギターサウンドが響く「ずるい人」などを並べ、初武道館というメモリアルなライブならではのセットリストで観客を楽しませた。また、この日のチケットはソールドアウト。MCで上野は「インディーズで武道館に立つのを目標にしていて、チケットを売り切るのを目標にやってなかったから、正直売り切れへん覚悟やったんですけど、売り切れました。ホンマにありがとうございます」と感謝を述べ、「生意気ってわかってるけど、メジャーを断らせてもらってまで、インディーズで、Orange Owl Recordsで、武道館に立ちたかった」と思いの丈を明かした。
後半ではギアチェンジし、軽やかなビートのエールソング「頑張れた」、ハートフルなナンバー「憧れ」など再びアッパーな楽曲を繰り出すTETORA。上野は汗だくで髪を乱しながらも、そんなことはお構いなしといった様子でフルパワーでパフォーマンスし、ロックバンド然とした無骨な姿勢を見せつける。一方で切ない歌詞が印象的な「ネコナマズ」では、ブルーに輝くPIXMOBで彩られた客席を見つめて「すごい、涙みたい」と何かに思いを馳せるようにつぶやいた。その後、TETORAは3人のグルーヴが炸裂する「バカ」、攻撃的なラウドナンバー「6月」を畳みかけた。
そして上野が「何も決まってないけどさ、いつかまた武道館でライブやるってなったときは、こんなにもヤバかった今日に勝とうと、今日を超えようと思って、たぶんこのステージに立つと思う。そういう日が来るまで、これからもライブハウスでカッコよくなって、また武道館に帰ってきます。インディーズOrange Owl Records所属、ホーム心斎橋BRONZE、私らがTETORAでした。ありがとうございました」と挨拶したのを機に、TETORAは本編のラストナンバーとしてキラキラしたギターサウンドが印象的な「2月」を披露。PIXMOBやミラーボールが雪景色を描き出す幻想的な雰囲気の中で、TETORAはステージをあとにした。そしてアンコールでTETORAは、レア曲「ワンダーランド」、上野が「人生で初めて作った曲」だというフレッシュな「もう立派な大人」をはつらつと演奏。晴れやかな表情で、初の日本武道館ワンマンライブに幕を下ろした。
セットリスト
「TETORA 武道館でワンマン」2024年8月12日 日本武道館
01. わざわざ
02. 7月
03. 8月
04. 9月
05. 本音
06. 3月
07. 出来ないよ
08. 日常
09. 11月
10. 友達、以上
11. ずるい人
12. 知らん顔
13. 今日くらいは
14. 今さらわかるな
15. 頑張れた
16. 憧れ
17. ネコナマズ
18. 贅沢病
19. 産毛
20. 12月
21. バカ
22. 6月
23. 嘘ばっかり
24. 10月
25. イーストヒルズ
26. 言葉のレントゲン
27. 素直
28. 覚悟のありか
29. レイリー
30. Loser
31. 2月
<アンコール>
32. ワンダーランド
33. もう立派な大人