EBiDAN所属グループが一堂に会するライブイベント「EBiDAN THE LIVE CRUISE 2024」が8月17、18日に東京・国立代々木競技場第一体育館で開催された。
2日目昼は“クールなBLUE ISLAND”
「EBiDAN THE LIVE」(通称:エビライ)は毎夏恒例となっている、EBiDANによる年に一度のビッグイベント。国立代々木競技場第一体育館での「エビライ」開催は昨年に続き2年連続2度目のこととなる。2日間、全3公演にわたって行われた今年の「エビライ」には、超特急、M!LK、SUPER★DRAGON、さくらしめじ、ONE N' ONLY、原因は自分にある。、BUDDiiS、ICEx、Lienelの総勢62名が参加。各グループによるライブのみならず、グループの枠を超えた数多くのコラボレーションで集まったEBiDANファンを大いに楽しませた。この記事では18日に行われた「BLUE ISLAND」「RED ISLAND」公演の模様をレポートする。
初日公演と同様、今年の「エビライ」のテーマソング「What's up, Voyagers!」で幕を開けた2日目公演。ステージにラインナップしたEBiDAN総勢62名は敬礼して“出航の合図”を送り、マーチング風のステップを踏み鳴らしてダイナミックにオープニングを飾る。曲を終え、マイクを握ったリョウガ(超特急)は「今回は“クールなBLUE ISLAND”」と公演テーマをファンに伝え、「僕らとともに、ワクワクドキドキの航海に出かける覚悟、できてますか?」と呼びかけた。
お前らEBiDANのことが! 好きなんだろ?
去年の「エビライ」以降、すっかりおなじみとなりつつあるリョウガ、ジャン海渡(SUPER★DRAGON)、HAYATO(ONE N' ONLY)のオープニングMCで会場の盛り上がりを確認したのち、本公演の“クール”というテーマで9グループが曲をつなぐリレーパートへ。トップバッターのLienelは、Lien(Lienelファンの呼称)のみならずEBiDANフリークに広く人気の楽曲「Love Me Madly」をこの公演のために選曲。武田創世は「さあもっと僕を好きになれ」と強気な愛を伸びやかに歌い、EBiDAN最年少の高桑真之も艶やかな表情でカメラにアピールしてみせる。スポーティなセットアップでメインステージに姿を見せたICExも、うねるベースと弾むドラムが体を揺らす「Cyber Groovin'」で普段のポップな表情とは一線を画す歌とダンスを見せ、八神遼介や千田波空斗はパワフルなボーカルを広い会場に響かせた。SHOWとSHOOTの歌い出しにバディ(BUDDiiSファンの呼称)から歓声が上がったのは、BUDDiiSの切ないラブバラード「Lack」。10人はインディゴブルーのデニム衣装に身を包み、センターステージで情感豊かに舞い踊る。MORRIEが実弟のSHOOTを静かにハグする楽曲のハイライトでも、聴衆の視線をグッと引き寄せた。そして、げんじぶはブルーを基調とした衣装で“狂気の愛”を歌う「Mania」を届ける。大倉空人や桜木雅哉が自身の指を噛む仕草がビジョンに大写しになると、客席からは悲鳴のような歓声が。2番でソロを取った長野凌大は鮮やかにステップを踏み、まるで羽を広げ舞う蝶のような躍動でオーディエンスを魅了した。
ワンエンの6人は、47都道府県ツアーのテーマソングとして発表されたヒップホップナンバー「Hook Up」をドロップ。エネルギッシュな持ち味を存分に発揮するワイルドなステージングで代々木第一に集うEBiDANファンを“フックアップ”し、KENSHINは「EBiDAN愛してるぜ!」と叫ぶ。曲終わり、6人がターンしてセンターステージのほうを向くと、シックなジャケットスタイルのさくらしめじの2人が。ブルーの光に包まれた2人は「ただ君が」で張り裂けるほどの“君”への思いを歌に乗せ、聴く者の心を揺さぶるドラマチックなハーモニーを聞かせた。続いて現れたSUPER★DRAGONは、9月にリリースされるニューシングルの表題曲である「Downforce」をEBiDANファンにお披露目。疾走感に満ちたサウンドをクールなラップと流麗なメロパートで乗りこなす9人は、めくるめくフォーメーションダンスでも自らのスキルを存分に見せつける。そして、M!LKの5人はファイヤーボールが舞う中で「Kiss Plan」をスタイリッシュに披露。YUMEKIが手がけたキャッチーかつセクシーなコレオを、大人の余裕たっぷりに見せるステージでM!LK流の“クール”を体現してみせた。リレーのアンカーを担った超特急がチョイスした楽曲は、最新EP「Just like 超特急」のリード曲である「Steal a Kiss」。獲物を狩るような鋭い視線と挑発的なセリフの連発でEBiDANファンを撃ち抜いてゆく中、燃える瞳のユーキは自身のセリフを「お前らEBiDANのことが! 好きなんだろ?」とアレンジしてラストサビを導き、熱狂を最高潮へと高めてみせた。
“兄弟シャッフル”にEBiDANファン熱狂
「BLUE ISLAND」公演に登場したシャッフルユニットは、BUDDiiSならぬ「BARBiiS」と、SUPER★DRAGONならぬ「まじかる★どらごん」の2組。BARBiiS「To The Top」ではHAYATOが実弟のFUMIYA役を務めたほか、近藤駿太(Lienel)が彼に似ていると評判のHARUKI役を担当するなど“兄弟シャッフル”がファンを沸かせる。そんな中、MORRIE役を務めた吉田仁人(M!LK)はこの曲のMORRIEパートの特徴であるハイトーンを美しいファルセットでカバー。KEVIN役の古川毅(SUPER★DRAGON)、SHOOT役の千田とともに、メインボーカルとして晴れやかな歌声を響かせた。
まじかる★どらごんが披露したのは「LRL -Left Right Left-」。ジャン役のFUMIYAと松村和哉役のアロハ(超特急)は「Left Right Left」と声を合わせて会場のノリを扇動し、田中洸希役のカイ(超特急)は田中の歌のニュアンスに寄せたボーカルでステージを盛り上げる。メインボーカルの1人、古川役を担ったのはLienelの武田。武田はユニット最年少ながら本人役の池田彪馬とともに堂々としたパフォーマンスを見せ、パワフルなフェイクでも聴衆を魅了していた。
吉田とFUMINORI(BUDDiiS)、大倉がMCを担当した中盤のMCコーナーでは、この日もEBiDANメンバーがバックヤードで対決を繰り広げる「バックヤードグランプリ」が開催された。高桑、NAOYA(ONE N' ONLY)、田中洸希がエントリーした「BLUE ISLAND」のテーマは「夏コーデ部門」で、3人は虫取りルックやギャル男など、思い思いに“夏”を表現した服装で楽屋エリアに敷かれたレッドカーペットを闊歩した。
4世代が夢の共演!「ダンエビ」発ユニット
続いて、ライブはEBiDANの冠番組「DAN! DAN! EBiDAN!」とのコラボ企画へ。番組から生まれた3つの“ドリームユニット”によるステージ、2組目には番組の対決企画でおなじみとなっている「伊勢エビ」「車エビ」「甘エビ」「小エビ」の世代別チーム分けから生まれた「世代別 ドリームユニット」によるパフォーマンスが披露された。このユニットは各世代4人ずつが参加した、総勢16名の大所帯。エビのぬいぐるみが付いたスタンドマイクを手に現れた彼らは「Journey / 飛躍」で4世代をつなぐマイクリレーを見せる。小エビチームの4人がキュートな笑顔を浮かべると、最年長の伊勢エビチームが佐野勇斗(M!LK)を筆頭に全員でタクヤ(超特急)をもみくちゃにしたりリフトアップしたりと、それぞれの見せ方で絆をアピール。普段のパフォーマンスでマイクを握ることがレアな超特急のタクヤやハル、スパドラの志村玲於や飯島颯のまっすぐな歌声も会場を沸かせ、タクヤは最後の決めポーズで佐野の足を揉むイタズラでやり返していた。
EBiDANの“クリエイティブ選抜”、SUPER CREATIVEによる「HERO」のパフォーマンスを経て、2日目のDJタイムでは長野が原因は自分にある。の楽曲群をベースに、「ソイヤ!」やLienel「Curry On Love」、「超特急!」のボイスのサンプリング音をMPCで巧みに操り、EBiDANファンに広くアプローチするプレイで会場を盛り上げる。そのままEBiDANダンス部によるサイファーに突入すると、筒井俊旭(ICEx)のタップダンスを皮切りに、サイファーメンバーは個々のスキルを最大限に開放する自由でダイナミックに躍動。山本龍人(ICEx)と森田璃空(Lienel)というサイファー初参加の若き才能が軽やかなロックダンスで火花を散らせば、ラストブロックでは志村とEBiDAN NEXTの庄司亜虎が対峙。スパドラのダンス番長こと志村のバイタリティあふれるパフォーマンスに負けないアグレッシブなダンス構成を庄司が見せると、その貫禄にDJの高岡ミロ(Lienel)は思わず「Dance Monster!」と声を上げた。
NAOYA「あ、大好きな子みっけ!」
ライブ終盤、グループごとのコラボパフォーマンスブロックでは、前日の「YELLOW ISLAND」公演とは異なるコラボが展開され、EBiDANファンの歓喜を誘う。さくらしめじとICExによる「Simple」ののち、ステージに登場したLienelは超特急のヒットナンバー「My Buddy」を無邪気に愛らしい歌とダンスでカバーし、高岡はダンスの動きに合わせて「エビライ最高、エビライ最高!」と声を上げた。超特急とLienelの総勢15人が1列になってステップを踏む、和やかなシーンがファンを笑顔にすると、BUDDiiS「The One」でセリフパートを担ったワンエンのNAOYAは「待ち合わせ場所着いたけどどこにいるの? あ、大好きな子みっけ!」というオリジナルのセリフで黄色い歓声を誘う。そのままワンエンの「EVOL」に展開すると、今度はBUDDiiSのFUMINORIが煽り役を担って会場中の「Hey!」の声を先導。16人が花道にずらりと並ぶ壮観と炎の演出で聴衆を思い切りヒートアップさせた。
げんじぶの「原因は君にもある。」では、杢代和人が自身のセリフパートで「明らかに潤くん、誕生日おめでとう!」とぶっ込み、この日が誕生日の武藤潤を祝福。残るメンバーも次々と「おめでとう!」と声を上げ、あとからステージに現れたスパドラメンバーも武藤のもとに駆けつけてハグを送る。ジャンの「武藤潤、誕生日おめでとうー!」という声から「So Woo」へなだれ込むと、筋金入りのBLUE(SUPER★DRAGONファンの呼称)である大倉は体中から喜びをあふれさせるように力強くダンスステップ。松村や志村はげんじぶメンバーのほうを向いて踊り、自由なステージングを見せた16人は楽しそうに笑い合った。
タクヤ「イケメンたちがたくさんで幸せでーす!」
ICExからM!LKへのパフォーマンスリレーが行われたM!LK「テレパシー」では、佐野が志賀李玖(ICEx)をおんぶしてステージを駆け回る。そんな佐野と志賀は、落ちメロの山中柔太朗パートで山中の両脇からほおにキスをし、山中の照れ笑いを誘っていた。EBiDAN総勢62名がラインナップし「テレパシー」のキュートなダンスを踊ってリレーが締めくくられると、挨拶に立ったユーキはSUPER CREATIVEが披露した「HERO」について「去年は『エビライ』に出られなかったKEVINが、ジャンと一緒に作ってくれた曲なんです」と観客に伝える。そんなユーキの「この先のEBiDANがもっと大きくなっていく、そんな景色を見られるような最高の曲になっています」という曲紹介から届けられた本編ラストの「New day! New wave! (2024 ver.)」では公演テーマカラーのブルーの紙吹雪が吹き上がり、晴れやかな表情で歌い踊る62人の姿をさわやかに彩っていた。
アンコールに届けられた「恋心」「Believe yourself」ではスタンド席をトロッコで回ったり、アリーナの客席通路に降りたりと、ファンのすぐ近くで歌声を届けたEBiDANメンバー。すべての曲を終えると、9組の代表はそれぞれに感想を語り、FUMIYAは「毎年こうやって、豪華な皆さんとかけがえのない時間を作れたことがうれしくて幸せです」と思いを語った。また、1週間後にグループ名の表記を「Sakurashimeji」に変更するさくらしめじの田中雅功は「ひらがな表記でステージに立つのは今日は最後なんです」と観客に説明し「めちゃくちゃいい思い出になりました」と続ける。昨年の「エビライ」に参加することができなかったM!LKの山中柔太朗は「今年は去年の分まで働かせていただきました!」と八面六臂の活躍を喜び「ユーキくん、ありがとうございます!」と62人をまとめる“団長”のユーキに感謝を伝える。そして9組の最後、超特急代表として挨拶に立ったのはタクヤ。「僕が一番楽しかったです。イケメンたちがたくさんで幸せでーす!」と告げた彼は「推しがたくさん見つかりました。これからもEBiDANを盛り上げていきましょう!」と、EBiDANメンバーと客席に向けて呼びかけていた。
情熱のRED ISLAND、開幕
“明るくハッピー”なYELLOW ISLAND、“クール”なBLUE ISLANDと続いた今年の「エビライ」、最終公演となる「RED ISLAND」は“情熱的”がテーマであることがリョウガ(超特急)の口から告げられる。オープニングナンバー「What's up, Voyagers!」を終えると、超特急を代表して意気込みを語ったハルは「最終公演楽しみにしてたかー!? レッツ、エンジョーイ!!」という絶叫でEBiDANメンバーと満員のオーディエンスに気合いを注入した。
そんな“情熱”をテーマにした序盤のパフォーマンスリレー、「Curry on love」でホット&スパイシーにスタートダッシュを決めたのはLienel。オリエンタルなダンスビートで情熱的なステップを刻み、芳賀柊斗は代々木第一のド真ん中で「ナートゥ・ナートゥ!」のシャウトを思い切り響かせる。インド仕込みの熱風を吹かせたLienelのバトンを受け取ったICExは、ハンター風の衣装でテレビアニメ「逃走中 グレートミッション」のエンディング主題歌でもある「ビリミ」をクールにパフォーマンス。黄色のサーチライトが忙しなく舞うステージで8人の息の合ったフォーメーションダンスを見せ、1人サングラスを脱ぎ去った阿久根温世は不適な笑みをCOOLer(ICExファンの呼称)に投げかけた。FUMIYAの歪んだアジテーションの声が導いたのは、BUDDiiS屈指の妖艶なナンバー「HONEY」。兄・MORRIEと同じ髪型・サングラス姿のSHOOTは「教えてやるよ!」と歌詞を言い換えてアグレッシブに観衆を挑発する。赤いレザーグローブを付けた両手でデンジャラスな世界へとバディ(BUDDiiSファンの呼称)を誘った10人が姿を消したその瞬間、ファイヤーボールの吹き上がるメインステージに現れたのは原因は自分にある。。雷音のような高速ドラムが鳴り響く「Museum:0」を投下した7人は、疾走するロックサウンドに乗ってパワフルながらもアーティな世界観を構築。長野凌大の「大逆転といこうか」というフレーズを合図に、表情を“冷静”から“歓喜”へと逆転させる繊細な感情表現でも観衆を圧倒してみせた。
冒頭の挨拶でHAYATOが「情熱と言ったらONE N' ONLYだと思っている」と自信を見せていたワンエンは、デンジャラスな空気をはらんだHAYATOやKENSHINのラップ、力強くも艶やかなTETTAやREIのボーカルが交錯する「DOMINO」でダイナミックに躍動し、客席を狂騒のダンスホールに変貌させる。続くさくらしめじがこの公演のために選んだのは、田中雅功が作詞、高田彪我が作曲を担当した「生きるよ」。“たった一つ”の思いを胸に力強く前を向く、曲に込めたメッセージを真摯な演奏と確かな熱を帯びたボーカルで歌い上げた。メンバーの背に乗ってリフトアップした古川毅の咆哮を合図に、SUPER★DRAGONがドロップしたのは「Tap tap tap!」。自身のアイコンとも言えるアグレッシブなミクスチャーロックを最終公演の1曲に選んだ彼らは「Tap tap tap!」のフレーズに乗せてリズミカルに体を揺らし、全身全力で攻撃的な姿勢を提示。そしてM!LKは、ラテンフレイバーのセクシーな楽曲「labyrinth」を春ツアー「M!LK CONCERT TOUR 2024『HERO』」で披露していた演出で見せる特別なステージをEBiDANファンに届ける。チェアやソファを巧みに使いながら、素肌にジャケットを羽織った佐野勇斗や山中柔太朗がお互いに顔を寄せ合い悩ましげな視線を投げる様子に、客席からは悲鳴のような歓声が何度も沸き起こった。それぞれのグループの個性とともに、8者8様の“情熱”が提示されたリレーのラスト、超特急がEBiDANファンに届けたのは「Countdown」。荘厳なイントロが鳴り響くなり大きな歓声が上がったこの曲で、9人は鬼気迫るほどの熱を全身に宿しながら貫禄のパフォーマンスを見せる。鋭い視線で前を見据えるユーキを筆頭に花道を駆け抜け、EBiDANの年長グループとしての圧倒的な存在感を示した彼らの姿を、勢いよく噴き上がる炎の演出が熱く彩っていた。
リョウガも歌った!初のLienelシャッフル
「RED ISLAND」公演のシャッフル企画では、 ONE N' ONLYのシャッフルユニット「♨️NSE N' ♨️NLY」と、Lienelのシャッフルユニット「ALIEL」のパフォーマンスが披露された。♨️NSE N' ♨️NLYによる「Category」では、KENSHIN役の大倉空人(原因は自分にある。)が初っ端から熱い煽りで先輩を完璧にオマージュ。NAOYA役の森田璃空(Lienel)が見せたダイナミックなダンス、TETTA役のシューヤ(超特急)の流麗なボーカルと、それぞれが確かな熱量のあるパフォーマンスでワンエンのアグレッシブさを表現してみせる。そして、シャッフル企画のトリを飾ったALIELは芳賀役を“釣り仲間”の吉澤要人(原因は自分にある。)、高岡ミロ役を彼がリスペクトしてやまない先輩であるリョウガ、近藤駿太役を“野球オタク仲間”のREI(ONE N' ONLY)、森田役を彼のことが大好きな松村和哉(SUPER★DRAGON)、武田創世役を武田の憧れの存在・タカシ(超特急)、高桑真之が前々日のイベント「プチエビ」のシャッフルで担当した塩崎太智(M!LK)が今度は高桑役を担当する、という布陣に。リョウガが「僕たちの名前呼んでほしいです!」と訴えかけると客席からは「和哉! タカシ! 要人!」と瞬時に大きなコールが飛ぶ。シャッフル企画でひさびさにボーカルを取ったリョウガのレアな歌声や、キュートな“りっくま”ポオーズを決める松村の姿など、普段見ることができないレアなシーンの連続に客席が大盛り上がりとなる中、6色の衣装に身を包んだ6人は確かなパフォーマンス力で後輩の楽曲をカバー。勢いよく上着を脱ぎ去る曲終わりのポーズもしっかりと決め、惜しみない喝采を集めていた。
佐野「お前ら、EBiDAN最高だぞー!」
ここまでの2公演、魂を削るような絶唱となりふり構わぬパフォーマンスで、ロックボーカリストとしての新たな一面をEBiDANファンに示してきた“EBiDANバンド”のフロントマン・佐野。これまでの大暴れを知るオーディエンスの注目が集まる中で「TRAIN-TRAIN」の演奏が始まると、彼は曲の冒頭からTシャツを脱ぎ去り、花道で前宙するという破天荒さで過去の自分を軽々と超えてみせた。さながらパルクールのようなアグレッシブな動きで会場中を駆け抜ける佐野に引っ張られるように、ギターの田中雅功もステージ端へとダッシュし、高田は床に置いたベースを指弾きするという離れ業を披露。ドラムのEIKU(ONE N' ONLY)とキーボードのKEVIN(BUDDiiS)は、佐野の自由な歌唱に完璧に息を合わせる演奏でパフォーマンスを支える。5人が放つ熱量を受け取った聴衆もまた力強いハンズアップで音に乗り、そんな会場の一体感に佐野は「お前ら、EBiDAN最高だぞー!」と絶叫。バスドラムの上からの大ジャンプで演奏を締めくくり、大きな爪痕を残してさっそうとステージをあとにした。
「RED ISLAND」公演のMCコーナー「バックヤードグランプリ」には、公演テーマにちなんでメンバーカラーが赤のメンバーであるユーキ、曽野舜太(M!LK)、武藤潤(原因は自分にある。)が登場。「バックヤードから愛を込めて 情熱アクトグランプリ」と題し、誰が最も熱いセリフでファンを沸かせることができるかを競い合った。そののちに展開されたのは、EBiDANの冠番組「DAN! DAN! EBiDAN!」から生まれた3組のドリームユニット企画。佐野の「タクヤくん、好き」という曲中の告白に、タクヤが「俺も大好きー」と返した「世代別 ドリームユニット」の「Journey / 飛躍」を経て、最後に登場したのは番組のカラオケ企画などでたびたび美声を響かせてきた歌自慢メンバーが集まった「歌おう! ドリームユニット」だ。全グループから1人ずつが選抜された9人による「More Than Precious」では、田中洸希(SUPER★DRAGON)とSHOOTによるラップコラボなど、次々に繰り広げられるレアな掛け合いがオーディエンスの耳を楽しませる。TETTAや吉田仁人(M!LK)、タカシが安定感抜群のボーカルを響かせる中、見せ場のパートを任された千田波空斗(ICEx)や武田も瑞々しい歌声を響かせ、確かな存在感をアピールしていた。
予定調和なし!DJも参戦のダンスサイファー
DJタイムを経てEBiDANダンス部によるサイファーコーナーへ移ると、サイファーメンバーは過去2公演とは異なるダンストラックで予定調和なしのサイファーバトルを繰り広げた。これまでタップダンスのソロステージを披露していた筒井俊旭(ICEx)もバトルに参戦し、バレエで磨き上げた美しいターンとアクロバットを組み合わせたムーブで個性を発揮。筒井に続いて現れたマサヒロ(超特急)も艶やかなターンで応戦して過去2公演とは異なる表情を見せ、サイファーメンバーを盛り上げてみせる。これまではDJブースでサイファーを見守っていた長野もバトルフィールドのセンターに躍り出て、得意の足技を惜しみなく披露した。超高速ステップで観衆を圧倒するFUMINORIなど、各々が自身のスキルを最大限解き放った熱いダンスバトルのクライマックス、池田彪馬(SUPER★DRAGON)はEBiDAN NEXTの“ダンスモンスター”、庄司亜虎のキャップを奪ってダイナミックなムーブで圧倒。すると庄司は受け取ったキャップを使った巧みなトリックで先輩メンバーの感嘆を誘ったのち、キャップに隠した“ソイヤ!”のポーズを見せつけてニヤリと笑みを浮かべた。
ユーキ「EBiDANって最高でしょ?」
グループ同士のパフォーマンスコラボが次々と展開される最後のセクションへと進むと、BUDDiiS「The One」の“ラブコール”パートを担ったHAYATOは「1回しか言わないから、ガチで、ガチで、ガチで! 大好きだよ!」と叫び、BUDDiiSメンバーを「FUMIYA(弟)のやつだ!」と喜ばせる。一方のFUMIYAもONE N' ONLYでHAYATOとともにステージのセンターに立ち、「今は今しかないから楽しもうぜ!」と絶叫。兄弟で1つの“EVOLポーズ”を決める仲睦まじい光景で楽曲を締めくくった。続く原因は自分にある。「原因は君にもある。」で杢代和人が「ねえ、情熱的に愛してるよ」とセリフをアレンジすると、SUPER★DRAGON「So Woo」の冒頭、松村は「情熱的に愛してるらしいです」と即座に杢代のセリフをサンプリングする瞬発力で呼応。回を重ねるごとに自由度が増していくコラボレーションを思い切り楽しんでみせた。竹野世梛(ICEx)の「超、超、超ICEx!」というかわいらしいコールと、リョウガをオマージュした山本龍人(ICEx)の全力変顔に会場が沸き立ったICExと超特急による「My Buddy」でコラボセクションが締めくくられると、ユーキは「EBiDANって最高でしょ? 最高でしょ!」と、胸を張って観客に告げる。そして「ホントにみんな、最高のファンの皆様です。いつも応援してくださって、ありがとうございます!」と、どのグループ、どのコラボにも等しく声を上げ、ペンライトを振り、62人のパフォーマンスを思い切り盛り上げたEBiDANファンへと感謝の言葉を捧げた。
赤くきらめく紙吹雪が舞う中、ジャンの「Let's go EBiDAN!」という声とともに全体曲「New day! New wave! (2024 ver.)」で本編は締めくくられた。「エビライ」の準備を進めるEBiDANメンバーの姿を記録したメイキング映像が上映されたのち、アンコールを求める大きな声に応えてステージに戻った62人はステージの花道や客席通路をくまなく歩きながら「恋心」「Believe yourself」を歌い、サインボールを客席へと投げ入れる。そして最後にメインステージに勢ぞろいすると、9組の代表メンバーは今年の「エビライ」を終えての思いをファンに伝えることに。時間の都合で中学生メンバーの武田と高桑を除く4人での挨拶となったLienelは2人のうちわを掲げ、森田は「6人でLienel、これからも応援よろしくお願いします!」とファンに伝える。ICExの志賀李玖は「EBiDANのこと、もっと好きになりましたか? ICExのこと、もっと好きになりましたか?」と観客に確認し「僕たちも大好きだよ!」と続けた。
武藤潤「思い出という宝を手に入れました!」
BUDDiiSのリーダー・FUMINORIは「僕らはまだそんなにエビライを経験していないけど、先輩たちが築き上げてきたステージに立って、歴史をたくさん感じることができて、関わってくださる皆様に感謝の気持ちでいっぱいです」と思いを語る。げんじぶの最年長・武藤が「この2日間、皆さんと素敵な船旅を楽しめたんじゃないかなと思います!」と充実感を言葉にすると、EBiDANいちの肉体派として知られるワンエンのTETTAは「最後に1ついいですか。俺も脱ぎたーい! 次は絶対脱ぎます!」と宣言して仲間たちを沸かせた。そしてさくらしめじのリーダー・高田は「少しでもよかった、気になったと思ったら、ぜひ次のステージに足を運んでください、皆さん。だから次のステージでお会いしましょう!」と訴える。
スパドラの古川が「熱い夜になりましたか? REDな夜になりましたか? 俺たちも熱かったです!」と高田に続くと、佐野は開口一番「このたびは多大なるご迷惑をおかけしてすみませんでした」と「TRAIN-TRAIN」での大暴れを謝罪してファンを笑わせ「昨日大人に怒られたんですけど、EBiDANのみんなが『明日も脱げよ』って言ったんですよ。タクヤさんとか『脱げ』って言ってました! 最低!」と先輩に矛先を向けてさらなる笑いを誘う。佐野の発言を受けてにぎやかに盛り上がるEBiDANメンバーの様子を見ながら笑ったユーキは「こんなEBiDANですけど(笑)、僕は1人ひとりが主役だと思っています」とひと言。そして「この3公演、このメンバーじゃなきゃできなかったステージです。最初は150人くらいのキャパだったエビライが、いつの間にか代々木第一でできるようになって。超特急とDISH//で歩んできた中で、僕ら超特急はこんなに最高の仲間たちとステージに立つことができています」とEBiDANの歩みを振り返り「来年はこのライブをはるかに超えていくので、楽しみにしていてください。マジでEBiDAN最高です!」と感情を爆発させた。
9人の挨拶をもってライブは閉幕すると思いきや、今年の「エビライ」の最後にはこの日に23歳の誕生日を迎えた武藤潤をサプライズで祝福するシーンが用意されていた。EBiDANメンバーと会場中のファンからバースデーソングが贈られると、吉田と大倉からはパイ投げの手荒い祝福も。モコモコの泡まみれになった武藤は「どうも、武藤泡(あぶく)です」と冗談を飛ばし「本当にこのサプライズはうれしすぎてありがたいです。行く先々の方に『おめでとう』って言われて……本当に素敵な日をありがとうございました!」と感極まった表情を浮かべる。そんな様子を見ていたリョウガが「潤が情熱的な男No.1かもな」と言うと、武藤は「思い出という宝を手に入れました! 夢をつかみに行きましょうよ!」と元気いっぱいに叫んでいた。
セットリスト
「EBiDAN THE LIVE CRUISE 2024」 2024年8月18日 国立代々木競技場第一体育館
BLUE ISLAND
01. What's up, Voyagers! / ALL
02. Love Me Madly / Lienel
03. Cyber Groovin' / ICEx
04. Lack / BUDDiiS
05. Mania / 原因は自分にある。
06. Hook Up / ONE N' ONLY
07. ただ君が / さくらしめじ
08. Downforce / SUPER★DRAGON
09. Kiss Plan / M!LK
10. Steal a Kiss / 超特急
11. To The Top / BARBiiS
12. LRL -Left Right Left- / まじかる★どらごん
13. TRAIN-TRAIN(THE BLUE HEARTSカバー) / 佐野勇斗(Vo / M!LK)、田中雅功(G / さくらしめじ)、高田彪我(B / さくらしめじ)、EIKU(Dr / ONE N' ONLY)、KEVIN(Key / BUDDiiS)
14. 恋のDing-Dong / ALL
15. Lucky Ageruyo / IKE! IKE! 福男ランキング ドリームユニット
16. Journey / 飛躍 / 世代別 ドリームユニット
17. More Than Precious / 歌おう! ドリームユニット
18. HERO / SUPER CREATIVE(シューヤ[超特急]、ジャン海渡[SUPER★DRAGON]、EIKU[ONE N' ONLY]、HAYATO[ONE N' ONLY]、KEVIN[BUDDiiS]、MORRIE[BUDDiiS])
19. DJコーナー / 長野凌大(原因は自分にある。)、高岡ミロ(Lienel)
20. ダンスブロック サイファーバトル
21. simple / さくらしめじ with ICEx
22. My Buddy / 超特急 with Lienel
23. The One / BUDDiiS with ONE N' ONLY
24. EVOL / ONE N' ONLY with BUDDiiS
25. 原因は君にもある。 / 原因は自分にある。with SUPER★DRAGON
26. So Woo / SUPER★DRAGON with 原因は自分にある。
27. テレパシー / ALL
28. New day! New wave! (2024 ver.) / ALL
<アンコール>
29. 恋心 / ALL
30. Believe yourself / ALL
RED ISLAND
01. What's up, Voyagers! / ALL
02. Curry on love / Lienel
03. ビリミ / ICEx
04. HONEY / BUDDiiS
05. Museum:0 / 原因は自分にある。
06. DOMINO / ONE N' ONLY
07. 生きるよ / さくらしめじ
08. Tap tap tap! / SUPER★DRAGON
09. labyrinth / M!LK
10. Countdown / 超特急
11. Category / ♨️NSE N' ♨️NLY
12. 純情シンドローム / ALIEL
13. TRAIN-TRAIN(THE BLUE HEARTSカバー) / 佐野勇斗(Vo / M!LK)、田中雅功(G / さくらしめじ)、高田彪我(B / さくらしめじ)、EIKU(Dr / ONE N' ONLY)、KEVIN(Key / BUDDiiS)
14. 恋のDing-Dong / ALL
15. Lucky Ageruyo / IKE! IKE! 福男ランキング ドリームユニット
16. Journey / 飛躍 / 世代別 ドリームユニット
17. More Than Precious / 歌おう! ドリームユニット
18. HERO / SUPER CREATIVE(シューヤ[超特急]、ジャン海渡[SUPER★DRAGON]、EIKU[ONE N' ONLY]、HAYATO[ONE N' ONLY]、KEVIN[BUDDiiS]、MORRIE[BUDDiiS])
19. DJコーナー / 長野凌大(原因は自分にある。)、高岡ミロ(Lienel)
20. ダンスブロック サイファーバトル
21. simple / さくらしめじ with ICEx
22. テレパシー / M!LK with Lienel
23. The One / BUDDiiS with ONE N' ONLY
24. EVOL / ONE N' ONLY with BUDDiiS
25. 原因は君にもある。 / 原因は自分にある。with SUPER★DRAGON
26. So Woo / SUPER★DRAGON with 原因は自分にある。
27. My Buddy / ALL
28. New day! New wave! (2024 ver.) / ALL
<アンコール>
29. 恋心 / ALL
30. Believe yourself / ALL
シャッフルユニット メンバー
BARBiiS
FUMINORI役:FUMINORI(BUDDiiS)
KEVIN役:古川毅(SUPER★DRAGON)
MORRIE役:吉田仁人(M!LK)
SEIYA役:芳賀柊斗(Lienel)
YUMA役:マサヒロ(超特急)
SHOW役:阿久根温世(ICEx)
TAKUYA役:志村玲於(SUPER★DRAGON)
HARUKI役:近藤駿太(Lienel)
FUMIYA役:HAYATO(ONE N' ONLY)
SHOOT役:千田波空斗(ICEx)
まじかる★どらごん
志村玲於役:筒井俊旭(ICEx)
古川毅役:武田創世(Lienel)
ジャン海渡役:FUMIYA(BUDDiiS)
飯島颯役:山本龍人(ICEx)
田中洸希役:カイ(超特急)
伊藤壮吾役:SEIYA(BUDDiiS)
池田彪馬役:池田彪馬(SUPER★DRAGON)
松村和哉役:アロハ(超特急)
柴崎楽役:中村旺太郎(ICEx)
♨️NSE N' ♨️NLY
TETTA役:シューヤ(超特急)
REI役:志賀李玖(ICEx)
EIKU役:EIKU
HAYATO役:高岡ミロ(Lienel)
KENSHIN役:大倉空人(原因は自分にある。)
NAOYA役:森田璃空(Lienel)
ALIEL
芳賀柊斗役:吉澤要人(原因は自分にある。)
近藤駿太役:REI(ONE N' ONLY)
高岡ミロ役:リョウガ(超特急)
森田璃空役:松村和哉(SUPER★DRAGON)
武田創世役:タカシ(超特急)
高桑真之役:塩崎太智(M!LK)
「DAN! DAN! EBiDAN!」企画ユニット メンバー
IKE! IKE! 福男ランキング ドリームユニット
シューヤ(超特急) / 山中柔太朗(M!LK) / 柴崎楽(SUPER★DRAGON) / 杢代和人(原因は自分にある。) / MORRIE(BUDDiiS) / 阿久根温世(ICEx) / 志賀李玖(ICEx) / 近藤駿太(Lienel)
世代別 ドリームユニット
伊勢エビ:タクヤ(超特急) / 佐野勇斗(M!LK) / 志村玲於(SUPER★DRAGON) / KENSHIN(ONE N' ONLY)
車エビ:山中柔太朗(M!LK) / ジャン海渡(SUPER★DRAGON) / 飯島颯(SUPER★DRAGON) / YUMA(BUDDiiS)
甘エビ:小泉光咲(原因は自分にある。) / 長野凌大(原因は自分にある。) / SHOW(BUDDiiS) / HARUKI(BUDDiiS)
小エビ:ハル(超特急) / 竹野世梛(ICEx) / 八神遼介(ICEx) / 高桑真之(Lienel)
歌おう! ドリームユニット
タカシ(超特急) / 吉田仁人(M!LK) / 田中洸希(SUPER★DRAGON) / 高田彪我(さくらしめじ) / TETTA(ONE N' ONLY) / 武藤潤(原因は自分にある。) / SHOOT(BUDDiiS) / 千田波空斗(ICEx) / 武田創世(Lienel)
※高田彪我の高は、はしごだかが正式表記。
※塩崎太智の崎は、たつさきが正式表記。
(撮影:米山三郎 / ウチダアキヤ)