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結成10周年のTempalay、初武道館を轟音で満たす「辞めなくてよかった」

小原綾斗(Vo, G)(撮影:鳥居洋介)
18分前2024年10月07日 10:01

Tempalayのワンマンライブ「惑星X」が10月3日に東京・日本武道館で開催された。

宇宙探索船「武道艦」

「惑星X」は今年結成10周年を迎えたTempalayにとって初の日本武道館公演。来場者は入り口で「惑星X ツアーガイド」と書かれた紙を受け取り、“惑星X”へ向かう宇宙探索船「武道艦」について学びながら開演を待った。

スクリーンに小窓越しの宇宙が映し出され、場内には宇宙探索船のエンジン音が鳴り響く。しばらくしてツアーコンダクターの女性が映り、航行の目的は“惑星X”を探すことだと説明。音声と映像が徐々に乱れ始めると、突如客電が落ちてライブがスタートする。

昨日産まれるかと思った

本公演の1曲目に選ばれたのは「のめりこめ、震えろ。」。真っ赤に照らされたステージで小原綾斗(Vo, G)が雄叫びを上げると、客席に大歓声が巻き起こる。複雑なバンドアンサンブルが届けられた「人造インゲン」「続・Austin Town」を経て、「とん」ではJohn Natsuki(Dr)の刻む骨太なビートが響いた。

「未知との遭遇」「my name is GREENMAN」がすさまじい音圧で演奏されたのち、小原がAAAMYYY(Cho, Syn)の第2子妊娠に触れると、客席から祝福の拍手が降り注ぐ。AAAMYYYは「昨日産まれるかと思った」と差し迫った状況であることを説明。小原は「本当に今日の今日まで、ライブできるかわからなかったので、AAAMYYYが出られた時点で今日は成功でございます」と語った。その後、バンドメンバーにermhoi(Black Boboi、MILLENNIUM PARADE)と和久井沙良が加わり、AAAMYYYの負担を減らした状態で「Booorn!!」がスタート。第2子妊娠を祝うかのように、スクリーンにはエコー写真を思わせる映像が映し出された。

鮮烈なライティングとともに披露されたのは「Festival」。色とりどりの照明が現れては消え、壁面や天井に幾何学的な図形を生み出していく。小原が事前に「照明で誰が何をやってるかよくわからないと思いますけど」と語った通り、ステージに立つTempalayの姿は逆光でほぼ確認できないが、盤石のバンドサウンドは確かにそこにあった。

辞めなくてよかった

「らっせーら」の大合唱が巻き起こった「大東京万博」を経て、「今世紀最大の夢」では小原の裏声が切なく響く。「シンゴ」「EDEN」「GHOST WORLD」で隙間なく轟音が鳴り続けたのち、AAAMYYYは日本武道館について「私が生まれて初めてライブを観に来たところなの」と回顧。Natsukiが客席にいる愛娘に手を振るというほほえましいひと幕も見られた。小原とAAAMYYYの歌声が美しくこだました「預言者」、キャッチーなメロディが歌われた「革命前夜」に続き、「新世代」では四つ打ちのビートが観客の体を揺らした。

小原は本公演に向けてしばらく禁酒していたことを明かし、「ここに立って思うことは……まあ、“辞めなくてよかった”ぐらいでした」とひと言。万雷の拍手が降り注ぐ中、ピンスポットライトに照らされた彼は「愛憎しい」をスタートさせる。儚くこだまする歌声にバンドサウンドが加わり、ボンゴとドラムがダンサブルなビートを刻んでいく。その勢いのまま「NEHAN」へと雪崩れ込んだTempalayは「ドライブ・マイ・イデア」「そなちね」を投下し、熱気冷めやらぬステージをあとにした。

アンコールに応えて再び姿を現したTempalayは、小西遼(Sax)とコーラス隊を加えたゴージャスな編成で「続・New York City」を披露。ラストナンバー「Last Dance」では轟音が束になって降り注ぎ、結成10周年ライブを華々しく締めくくった。

セットリスト

「惑星X」2024年10月3日 日本武道館

01. のめりこめ、震えろ。
02. 人造インゲン
03. 続・Austin Town
04. とん
05. ああ迷路
06. 未知との遭遇
07. my name is GREENMAN
08. Booorn!!
09. どうしよう
10. Festival
11. カンガルーも考えている
12. 大東京万博
13. 今世紀最大の夢
14. 脱衣麻雀
15. シンゴ
16. EDEN
17. GHOST WORLD
18. 預言者
19. 深海より
20. 革命前夜
21. SONIC WAVE
22. 新世代
23. 愛憎しい
24. NEHAN
25. ドライブ・マイ・イデア
26. そなちね
<アンコール>
27. 続・New York City
28. Last Dance

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