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サバシスター「あの夜のはなしツアー」ファイナル、超満員Zeppお台場ワンマンで見せた覚悟

サバシスター(撮影:齋藤タカヒロ)
8分前2024年10月28日 10:01

サバシスターが10月25日に東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で全国ツアー「あの夜のはなしツアー」のファイナル公演を開催。チケット即完で2000人を超えるファンが来場する中、アンコールを含めて全20曲を披露した。

いきなりモッシュ&ダイブ続出

サバシスターは2022年3月に結成されたスリーピースガールズバンド。なち(Vo, G)の生み出す日常的な事柄に触れる歌詞や、耳馴染みのよいメロディを武器に精力的なライブ活動を重ね、結成からほどなくして飛躍的に知名度を伸ばす。そして今年1月にPIZZA OF DEATH所属になったことを発表し、3月にはポニーキャニオンからメジャーデビューを果たした。

「あの夜のはなしツアー」は9月発表の2nd EP「あの夜のはなし」のリリースツアー。ゲストとともに各地で熱い夜を過ごしてきたサバシスターは、ツアーファイナルをZepp DiverCity(TOKYO)でのワンマンライブで迎えた。開演時間を迎え、メンバーが勢いよくステージ袖から登場。GK(Dr, Cho)、るみなす(G, Cho)、なちがそれぞれお立ち台に上がって笑顔で挨拶をし、定位置に着いてからメンバー同士で輪になって拳を突き合わせ、気合いを入れる。満員の観客が待ち構える中、最新EPの収録曲「作戦会議」でライブをスタートさせた。

ライブ開始早々から合唱やモッシュ、ダイブが巻き起こる中、3曲目にバンドの知名度を爆発的に高めることとなった代表曲「ジャージ」が投下されると、観客はさらに熱狂。クラウドサーファーが次々にステージに向かって押し寄せる光景は、さすがはPIZZA OF DEATH所属バンドと言わんばかりの迫力だ。「タイムセール逃してくれ」では、GKが繰り出すパワフルなビートに合わせ、観客の拳が大きく揺れる。続いてるみなすが「今日はツアーファイナル! 泣いても笑っても最後なんで、今日は最高の空間にしていきましょう!」と話し、チューニングを終えたなちが「みんな元気そうで安心しました! 次はみんなのでっかい声を聞きたいあの曲!」と呼びかける。そうして始まったのはシンガロングが楽しい「ヘイまま!プリーズコールミー」。ライブ序盤の激しい盛り上がりとはまた違った、一体感のある盛り上がりが生まれた。「よしよしマシーン」では、ミュージックビデオにも登場している“よしよしマシーン”がステージに登場。右手は“よしよし”するために赤く大きな手の形をしている。サバシスターの演奏に合わせて、よしよしマシーンはこの1曲にすべてをかけて、全力のダンスと大きな動きで“よしよし”をして見せた。

下北沢SHELTERからZepp DiverCity(TOKYO)へ

テンポよくライブが進み、バンドは続けて、今年4月10日で22歳になったなちが、21歳のときに「22歳になりたくない」という思いを込めて作った楽曲「22」を演奏した。また「キラキラユー」では天井から星型の金銀紙吹雪がキラキラと舞い降りるという特別な演出が。星降るライブハウスでサバシスターもキラキラとした演奏をしてみせ、観客を笑顔にさせた。なちは「楽しいです、ありがとうございます! Zeppヤバいね」と歓喜。そして「まさか自分たちでもこんな場所に立てると思ってなかったし、みんながあったかくて本当によかったです。まだバンドを初めて2年、3年くらいだけど、自分たちが愛している音楽をみんなにも愛してもらえるように、今日は丁寧にやって帰りたいと思います」と話し、「初めてライブをした3月15日、あの日から大切にやり続ける大事な曲です」と次の曲「しげちゃん」につないだ。サバシスターが2022年3月15日の東京・下北沢SHELTERで初ライブを行ってから約2年半。「しげちゃん」はGKが幼少期に祖母に買ってもらってからずっと連れ添っているぬいぐるみ・しげちゃんを題材にした曲で、なちのギターアンプの上には必ずしげちゃんがおり、Zepp DiverCity(TOKYO)のステージでも、しげちゃんはアンプの上でライブに参加していた。

サバシスターの覚悟

またライブ折り返しのMCではなちが、このステージに立つにあたっての思いを語った。サバシスターが初めてZeppでライブを行ったのは、2023年のZepp DiverCity(TOKYO)で、当時はほかのバンドのオープニングアクトとして出演したという。「そのときは『Zepp出られるんだ、うれしい』ってライブ前になんとなく思ってたけど、やってみたら、まだまだこんな場所に立てるような人間じゃないなって実感した。悔しいしショックだったし、当たり前のことだけど、まだまだやれることはたくさんあるんだなって。自分の中ではちょっとトラウマというか、そんなライブだったので、いつになったら自分たちがここのステージでしっかりやれるんだろう」とさまざまな思いが巡ったことを振り返った。

続けてなちは「あれから1年ちょっとやってきて、自分たちのツアーファイナルで、ワンマンでこの場所に立たせてもらって。まだまだここに似合うバンドではないと思っているけど、普通に考えたら『“ぽっと出”のバンドがあっという間にここまで来たんだね』と思われるのが普通だと思う。でも自分たちはできることを妥協せずにやって、ここまでやってきた」と覚悟を持って活動してきたことを語る。そして観客を見渡しながら、「お客さんの顔を見たら、それが思い込みだけじゃないことがわかった。お客さんみんなに認められているような気がして、すごくあったかい気持ちになっているし、すごく自信を持ってやれています」と感謝の気持ちをまっすぐに伝えた。そんななちの言葉に続いて、サバシスターはメジャーデビュー作となった1st ALのタイトルナンバー「覚悟を決めろ!」を投下。「ナメんじゃねー 音楽が好き」といった素直な思いが詰まったこの曲を観客も歌い、サビになるとクラウドサーファーが次々にステージめがけて飛んでいった。

熱狂のライブが続いたライブ後半、なちは声を震わせて「今日も不安だったけど、みんなの笑顔にすごく救われました。ステージに立つのが怖くなるくらい本気で向き合ってきたツアーだったし、自分たちまだまだ不格好な音しか出せないけど、それでもカッコいいものは逃げないから。サバシスターはどこまでも行くのでついてきてください!」と観客に呼びかける。そして「どうしたって続いていく、仲間の歌!」と続け、「ハイエースナンバー」をタイトルコール。この曲はライブで各地を回る機材車のハイエースの中で作られたナンバーで、メンバーが真摯に音楽と向き合う思いがつづられている。サバシスターはそんな思いの詰まった楽曲を満員のオーディエンスに向けて力強くエモーショナルに届け、ライブを締めくくった。

なちダイブ!「サバフェス vol.3」開催を発表

アンコールではサポートベーシストにして前回ツアーから“アンコール番長”を務めるサトウコウヘイ(B)がまずステージへ。サトウは気持ちよさそうに叫び、観客を煽りまくってからメンバーをステージに迎え入れた。SNS写真共有アプリ・BeRealを使ってステージ上で観客との記念写真を撮るなど、アンコールらしくリラックスしたムードだ。そんな中、「マジでみんな愛してます」と言ったなちは、「サバシスター's THEME」の演奏が始まるやいなや、フロアにダイブ。観客も次々にダイブし、GKが興奮を煽るように激しくリズムを刻み、るみなすもギターをかき鳴らしながら歌った。熱狂的な盛り上がりの中、サバシスターは来場者への感謝の気持ちを込めて、ラストナンバー「サバカン」を演奏。最後は3人で1つのお立ち台に登り、満点の笑顔で挨拶をしてステージをあとにした。終演後にはなちがスケートボードに乗る姿で始まる映像が流された。この映像では2025年4月20日に東京・ムラサキパーク立川立飛&TACHIHI BEACHで自主企画「サバフェス vol.3」の開催が告知され、大歓声が沸き起こった。なお今年の「サバフェス」は東京・WWWで行われたため、来年は大幅にスケールアップしての開催となりそうだ。詳細は後日発表となるので、続報を楽しみにしておこう。

セットリスト

「あの夜のはなしツアー FINAL」2024年10月25日 Zepp DiverCity(TOKYO)

01. 作戦会議
02. リバーサイドナイト
03. ジャージ
04. タイムセール逃してくれ
05. ヘイまま!プリーズコールミー
06. よしよしマシーン
07. 22
08. キラキラユー
09. しげちゃん
10. 生活
11. ひとりぼっちと廊下の窓
12. 覚悟を決めろ!
13. !
14. ポテサラ
15. ナイス
16. ミュージック・プリズナー
17. ハイエースナンバー
<アンコール>
18. アイリー
19. サバシスター's THEME
20. サバカン

公演情報

サバシスター presents サバフェス vol.3

2025年4月20日(日)東京都 ムラサキパーク立川立飛&TACHIHI BEACH

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