超特急と日本テレビによるライブイベント「VS.超特急」が11月4日に神奈川・横浜アリーナで行われ、超特急、MAZZEL、WATWINGの3グループが出演した。
「バチバチに殴ってやる……ってメンバーが言ってました」
「VS.超特急」は、超特急と日本テレビがタッグを組んだ新プロジェクト。超特急をヘッドライナーに、若手ダンス&ボーカルグループ2組を迎えるライブで、3組のライブパフォーマンスに加えて超特急が各グループと“VS.企画”で激突するコーナーも設けられるなど、盛りだくさんの内容が来場者に届けられた。
イベントは、超特急とMCを務める辻岡義堂(日本テレビアナウンサー)によるオープニングトークからスタート。「38号車のギドウです!」と自己紹介して会場を沸かせた辻岡アナに“対バン”への意気込みを問われると、「VS.超特急」開催発表時に「かかってこいよ…ってメンバーが言ってました」と他人任せなコメントを発表していたリーダー・リョウガは「バチバチに殴ってやる……ってメンバーが言ってました」と、またもや“無責任コメント”を発してシューヤから「それ何回言うの?(笑)」とツッコまれる。すると、タクヤも「まあ、相手になんないかなと思いますね」と好戦的な姿勢を見せ、ユーキはドヤ顔で「早く戦いたいですね」と続く。大げさに闘争心を演じて8号車(超特急ファンの呼称)を笑わせる超特急メンバーの“団体芸”に、辻岡アナは「私、必要あります? 誰も台本通りやってくれない!(笑)」とオープニングからタジタジの様子。「盛り上がるひと言を」と求められたハルもまた「義堂さんをぶっ倒すぞー!」と相手を間違えた戦意を叫び、「イベントの趣旨を説明するはずだったのに……」という辻岡アナの嘆きをもって、「VS.超特急」は次のシーンへと進んでいく。
MAZZEL「行くぞ、超特急!」
「最初のアーティストはコイツらだー!」という超特急の声を合図に、ライブコーナーのトップバッター・MAZZELが登場。ステージ上の階段に静かに佇む7人は「Fire」でパフォーマンスの幕を開け、圧倒的声量のボーカルリレーをアリーナ空間に放って瞬時にオーディエンスを惹き付ける。ダークファンタジー的世界観に聴き手を誘う「MAZQUERADE」ではRYUKIのテクニカルなラップがさく裂。続く「Counterattack」ではRANが「行くぞ、超特急!」と“宣戦布告”したのちにサビを高らかに歌い上げてステージに渦巻く熱をグッと引き上げた。この曲を終えるなりSEITOが「皆さんのおかげで最高のコラボが実現しました。今日MAZZELはブチかましますよ!」と改めて気合いを入れると、メンバーはタオルを手にアリーナ外周へ。MAZZEL流のダンスナンバー「CAME TO DANCE」でリズミカルに体を揺らしながらエンドステージへと進み、タオル回しで会場の一体感を高めていった。
4曲を終えて自己紹介の時間を設けると、EIKIは番組共演で仲よくなったというアロハ(超特急)と桑山隆太(WATWING)との再会を喜び「めっちゃ楽しみにしてました!」と思いを語る。NAOYAは「それで言うと僕はハルと仲良くさせてもらってて。なのでハル、がんばりまーす!」とハルに向けてメッセージを送ったのち、観客へ「絶対幸せにして返すんで!」と誓った。
メインステージのあちこちに佇む7人をスポットライトが照らしたR&Bナンバー「ICE」では、圧倒的な歌唱力でボーカルをリードするKAIRYUの豊かな歌声がアリーナいっぱいに響き渡る。すると、歌声に聴き入る会場のムードを「MAZZELの音楽で遊ぼうぜ」という呼びかけで打ち破った7人。続く「K&K」のエネルギッシュなダンスで流れを変えると、「Vivid」ではゴージャスなサウンドに乗せ、グルーヴ感に満ちたダンス&ボーカルで躍動した。そして、SEITOの「ラスト、ブチかまして帰ります。好きに踊ってください!」という気合いの呼びかけからラストナンバーの「Parade」へ。メンバー個々が持つ個性とスキルが渾然一体となり、MAZZELならではの色として放たれるスタイリッシュなパフォーマンス。自らの魅力を鮮やかに放ち続けた9曲を終えると、メンバーはさっそうとステージをあとにした。
WATWING「最大限の感謝をここに!」
クールな色調でまとめたスポーティな衣装に身を包みステージに姿を見せた2番手のWATWING。6人は「BREAK OUT」のパワフルな四つ打ちビートをエネルギッシュに踊りこなし、オープニングからみなぎるエネルギーを聴衆に叩きつける。間奏のダンスセクションでも息ぴったりのラインダンスを見せて歓声を誘った彼らは、2曲目に自己紹介を織り交ぜたヒップホップチューン「WATW"ing"」を届け、熱のこもったラップリレーで客席の「WATWING!」コールを誘った。
八村倫太郎が「一緒に踊ろうぜ!」と呼びかけ、オーディエンスのペンライトをリズミカルに揺らしたファンクナンバー「DANCE NOW」を終えるとMCへ。自己紹介で次々にボケ倒すメンバーの発言に八村が逐一ツッコミを入れるという、WATWINGらしい応酬で観客を笑わせると、八村は「8号車の皆さんもMUZE(MAZZELファンの呼称)の皆さんも会えてうれしいです。こんな変なヤツらだけど、バチバチに熱いパフォーマンス届けるんで!」と誓う。そんな八村が会場をリードしたコーラスレクチャーを経て、「Honey, you」では6人の清涼感に満ちたボーカルに客席中が声を合わせて盛り上がる。さらに一体感を高めるべく、「SHELLY」ではメンバーがサビのダンスとコールを教えながらアリーナ外周へ。「みんなダンスうまいっすね!」「見てますよ!」と声をかけながら通路を進み、オーディエンスとの密なコミュニケーションを繰り広げた。楽曲の終盤には高橋颯のブレイクダンスソロも大きな歓声を集めたこの曲を終えると、続けて「Let's get on the beat」をエンドステージで歌い、軽快なフットワークが特徴的なダンスセクションで魅了した6人。改めて聴衆に挨拶しながらゆっくりとメインステージへの花道を進む道中、八村は「こうしてさ、リスペクトする2組とスリーマンができるっていうのはめちゃくちゃうれしいね!」と喜びを噛み締めた。
アリーナ全体にジャンプの波を発生させた「WINGS」、「SUNSHINE!」のコールでブチ上げた情熱的なダンスナンバー「YO MA SUNSHINE」と続け、ハイテンションなパフォーマンスでラストスパートを駆け抜けたWATWINGが最後に届けたのは「Runway」。八村が「めちゃくちゃ盛り上がってくれたお礼に、ブチカマします!」と誓った通り、メンバーは野生的なビートに体を弾ませ、力の込もったボーカルでパワフルな楽曲を昇華してみせる。フレンドリーなコミュニケーションとまっすぐな熱さで集まったオーディエンスを笑顔にした9曲を終えると、メンバーは「ありがとう横浜アリーナ。最大限の感謝をここに!」という言葉を残してステージをあとにした。
超特急 VS MAZZEL「三輪車リレー対決」
MAZZELとWATWING、それぞれが魅力を発揮したライブコーナーを経て、イベントはいよいよ“VS.企画”へ。「超特急 VS MAZZEL」は「三輪車リレー対決」が行われた。超特急とMAZZEL、それぞれスポーツウェアに着替えて再登場すると、カイ(超特急)は「三輪車、普段使ってるので」と余裕の表情でMAZZELを牽制。アリーナの外周1周をメンバー全員でリレーするこのバトルにおいて、超特急はMAZZELよりもメンバーが2人多いことに言及し「“数の暴力”でいきます!」と意気込む。するとMAZZELも「この日に向けて三輪車いっぱい乗ってきたじゃん!?」とお互いを鼓舞。両者円陣を組んだのち、カイとRANを第1走者に三輪車リレーの号砲が鳴った。
順調な滑り出しを見せたのは超特急。RANが運転に苦戦している間にリードを広げたが、第2走者のリョウガとKAIRYUにバトンが渡ると順位は逆転、KAIRYUの快走によってMAZZELが戦いを優位に進めていく。足ツボマットのエリアを任されたタクヤが叫び声を上げて派手に転倒し遅れを取るなど、辻岡アナに「まさかの鈍行列車!」と実況されてしまった超特急チーム。ついにはタカシが三輪車のハンドルを破壊してしまい、ドタバタ極まるリレーに会場は爆笑に包まれる。ハルがアリーナ半周を猛ダッシュしてタカシに届けた“代車”で再スタートを切るも、MAZZELチームのリードは広がるばかり。すると今度はマサヒロ(超特急)が進路に横たわり、体当たりでその差を縮めようとする。
超特急チームの大人げない“妨害行為”によって、リレー後半はデッドヒートの様相に。すると、2つ目の足ツボゾーンではNAOYAをSEITOが、アロハをマサヒロがお姫様抱っこして走行をサポートするチームプレイが展開され、客席からは黄色い歓声が上がった。白熱の展開となった最終盤、超特急のアンカー・ハルが猛烈な勢いのダッシュを決め、軍配はまさかの超特急に。辻岡アナが「ホントに容赦ないんですね」と目を丸くすると、ハルは「ゲストには簡単に勝たせませんよ!」と胸を張った。
超特急 VS WATWING「キメ顔さんが転んだリレー」
超特急とMAZZELのバトルに決着がつくと、今度はWATWINGが超特急の反則まがいなパフォーマンスにクレームをつけながら姿を見せた。超特急とWATWINGによるバトル企画は「キメ顔さんが転んだリレー」。「だるまさんがころんだ」のルールで、辻岡アナが示す“お題”に沿った表情をしながらアリーナ外周をリレー形式で進むこの対決、シューヤは「僕ら、オーディションに“変顔”の項目がありましたからね?」と自信をのぞかせる。
いざ勝負がスタートすると、超特急メンバーもWATWINGメンバーも全力でお題の表情をアピール。「イケメン」に始まり、「変顔」「満面の笑み」……と、メンバーたちの表情がカメラに抜かれるたび、8号車もWindy(WATWINGファンの呼称)もノリよく歓声を上げ、リレーは終始大盛り上がりの中進んでゆく。中でも「ぶりっこさんが転んだ」でハルが見せたあざとい表情には、客席中から「かわいい~!」の声が。そんな中、WATWING走者の鈴木曉は「“くりこさん”って誰ですか?」とキョトン顔を浮かべ、今度は笑いで注目をさらう。表情を変幻自在に操りながら歌い踊るライブパフォーマンスを得意としている超特急メンバーの“匠の技”はもちろん、底抜けに明るくサービス精神旺盛なWATWINGメンバーの振り切れた表情も見どころとなったこのバトル。終盤に差し掛かると両チーム勝負そっちのけとなり、いつの間にか参加者全員でキメ顔をしながらゴールテープを目指すカオスな展開に。しまいには両者共に息を合わせて芸術点の高いフォーメーションを織り成すことに力を注いでしまったため、リレーでは決着がつかず「一発芸をして面白いほうが勝ち」というルールが壇上で決められる。アンカーのタカシと八村による一発ギャグ対決は、八村の“自爆”によってタカシに軍配。この一連の流れにユーキは涙を流して大笑いし、その泣き顔で客席中の笑顔を増幅させていた。
超特急「今だけは“一時休戦”」
2つの熱いバトル企画を経て、いよいよこの日のヘッドライナー・超特急のライブコーナーへ。メインステージ上段に立ち並ぶ9人はその表情に気迫を漲らせ、荘厳かつアグレッシブなダンスナンバー「Countdown」でライブアクトの火蓋を切った。マサヒロが「ブチ上がっていこうぜ!」と叫ぶと、バックボーカルのタカシとシューヤは力強く駆け上がるハイトーンを響かせてオーディエンスを圧倒。続く「Steal a Kiss」では、アロハの「こっち向けよ」、タクヤの「素直になれよ」、ユーキの「好きなんだろ?」という“誘い文句”がさく裂するたびに客席から大きな歓声が上がる。そのまま“Kissつながり”のキラーチューン「Kiss Me Baby」へとなだれ込むと、8号車のテンションは早くも最高潮に。客席中から向けられる大きなコールを受け止めながら、9人は挑発的な視線とシャープなダンスでオーディエンスを熱狂へと誘った。
3曲を終え、ここで改めて自己紹介を行った9人。ここまでの和やかな“戦い”を、リョウガは「ゲームコーナーとか、かなり殺伐としていましたが……」と振り返り「今だけは“一時休戦”と言いますか。皆さん8号車として“乗車”していただければと思っております」とMUZE、Windyに語りかける。するとカイも「今日ここ、横浜アリーナを世界で一番熱いステージにしていきましょう!」と続け、彼らの呼びかけに会場中のペンライトの光が瞬いた。そして9人はダークな世界観で魅了する「Spice」でライブを再開させる。スリリングなボーカルのかけあいの中、ダンサー陣はダイナミックなステップとニュアンスで魅せるムーブの緩急が効いた群舞でオーディエンスをぐっと惹き付けた。イントロのメロディで8号車の歓声が上がったのは「Before Dawn」。1番をボーカルのみで届ける構成で披露されたこの曲では、9人が卓越した表現力を見せて超特急の真価を発揮。“夜明け前の2人”の情景を鮮やかに浮き上がらせる情感豊かな舞いと艶やかなボーカルワークの融合を、オーディエンスは息を呑むように見つめていた。
またこの日のライブでは、2日後にリリースが控える新曲「AwA AwA」のパフォーマンスがライブ初披露された。「見よう見まねで一緒に踊って楽しんでいただけたら」というメンバーの呼びかけののち、シューヤの「はあ~あ」というため息から始まったこの曲で、9人はコミカルでにぎやかなパフォーマンスを見せる。両手で2つの“泡”を形作り、その“泡”をしなやかに揺らめかせるダンスは初披露から間もない状況だったにもかかわらず、8号車を筆頭にした客席は9人の動きを即座にコピー。カラフルなペンライトの光がリズムに合わせてゆらゆらと舞う、美しい一体感を形成する。この光景を目の前にしたメンバーの表情も晴れやかに弾け、横浜アリーナは心地よい高揚感で満たされていった。
“号車順”に並んで「AwA AwA」を終えたそのポジションのまま「My Buddy」へと展開すると、アロハの「8号車! 楽しんでいこうぜ!」という声を合図にアリーナ外周の花道へと飛び出した9人。8号車と笑顔を交わし、手を振り合いながら楽しく歌い踊ってエンドステージでもパフォーマンスを届ける。続くアッパーチューン「超えてアバンチュール」では振り切れたテンションで横浜アリーナを駆け抜ける9人に会場中が息ぴったりのコールを送り、アリーナ席もスタンド席も無心でヘッドバンギングをするという壮観が広がった。8号車もMUZEもWindyも、「VS.超特急」に集った全員を漏れなく巻き込み、多彩な表情で魅了した超特急のパフォーマンスは「ジュブナイラー」のお祭り騒ぎによって締めくくられる。センター・リョウガのリードによって「ばっちこいや!」という8号車の大きなコールが広大な空間に響き渡ると、この大きな一体感に9人は充実の笑みを浮かべながらの“超特急ポーズ”でライブを結んだ。
4時間の“熱戦”に幕「ずっと続くような企画になれば」
超特急がライブを終えると、MAZZELとWATWINGのメンバーは興奮冷めやらぬ様子で感想を語る。MAZZELのNAOYAが「僕ホンマに大好きなんで、ずっと盛り上がってました!」と喜ぶと、SEITOは「全力の変顔に釘付けでした……!」とひと言。WATWINGの桑山は「超特急の皆さんが熱いぶん、8号車の皆さんも熱いなと思って。本当にすごかったです!」と客席を讃え、八村は「カッコいいも面白いもかわいいもあって無敵だなって。僕『ジュブナイラー』がめっちゃ好きなんです。リスペクトでした!」と続いた。後輩グループからのリスペクトを間近で受け取ったタクヤもまた「本当に楽しかったですよ。皆さんのおかげで、すごく素敵なイベントになったんじゃないかなと思います」と思いを語る。するとユーキは「ただ1個、やり残したことがありまして! みんなで『Burn!』したい!」とリクエスト。超特急とMAZZEL、WATWING、全員で披露された「Burn!」ではステージや花道のあちこちで3組のメンバーそれぞれがグループの垣根を超えたコミュニケーションを楽しみ、来場者とともに“バッテンダンス”を踊って幸福感に満ちたひとときを共有した。
白熱のライブパフォーマンスと爆笑の企画コーナーで盛り上がったイベントの公演時間は約4時間にも及んだが、MCを担当した辻岡アナも「VS.超特急」を思い切り楽しんだようで、退場に「超特急最高!」とひと言。最後にカイは「ライブとゲームを通して皆さんとひとつになれた気がして、楽しい時間だった」と総括し「ずっと続くような企画になればすごくうれしいなと思います」と今後を見据えた。このライブの模様は、12月28日にCS日テレプラスで完全版としてオンエアされる。会場に足を運んだ人もそうでない人も、年末の放送を楽しみにしておこう。
セットリスト
「VS.超特急」2024年11月4日 横浜アリーナ
MAZZEL
01. Fire
02. MAZQUERADE
03. Counterattack
04. CAME TO DANCE
05. Seaside Story
06. ICE
07. K&K
08. Vivid
09. Parade
WATWING
01. BREAK OUT
02. WATW"ing"
03. DANCE NOW
04. Honey, You!
05. SHELLY
06. Let's get on the beat
07. WINGS
08. YO MA SUNSHINE
09. Runway
超特急
01. Countdown
02. Steal a Kiss
03. Kiss Me Baby
04. Spice
05. Before Dawn
06. AwA AwA
07. My Buddy
08. 超えてアバンチュール
09. ジュブナイラー
10. Burn! w / MAZZEL、WATWING
撮影:ハタサトシ、高田真希子、ヨシモリユウナ